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【新技術】

〜検索語をメールでサーバーに送信し、検索結果もメールで受信

持たざる者のための超ナローバンド用サーチエンジン「TEK」

■URL
http://cag.lcs.mit.edu/tek/ (英文)

 我々ブロードバンド大国に住む者にとってサーチエンジンと言えば、ほぼ間違いなくGoogleを意味する。しかしブロードバンドどころか、か細いナローバンドしか手に入れることができない発展途上国では、Googleの検索結果を1個ずつ閲覧していくことなどできないだろう。こうした状況を改善するため、MITの研究者たちがナローバンド向けのサーチエンジン「TEK(Time Equals Knowledge)」を開発している。

 アフリカなどの発展途上国がある地域では、しばしば停電するだけでなく、あまりにも回線状況が悪いために、プロバイダーがメールだけのサービスを提供していることも多い上、さらに料金が非常に高い。例えばメールだけのサービスでは月額10ドル前後で済む場合が多いが、15時間インターネットに接続するだけで月額30ドルから100ドルも必要となる。彼の地の所得水準を考えると、とてつもない金額であることが想像できる。この状況では、Googleで情報を探すことは到底厳しいだろう。

 TEKは、このような悪条件の下でもインターネットの情報を利用できるように考えられたものだ。特に学校や図書館などでの利用を想定されており、TEKクライアントはプロキシサーバーとしてインストールされるため、WebブラウザからはTEKのインターフェイスとなるローカルなWebページが見えるだけでよい。

 検索語を入力すると、TEKクライアントはその検索内容をメール形式に変換し、PC管理者の待ち行列に入れる。管理者がインターネットに接続すると、メールがインターネット上のTEKサーバーに送信され、管理者はここで一旦インターネット接続を切る。検索を受け取ったTEKサーバーはたっぷりと時間をかけて検索を行ない、重複している検索結果の削除や類似しているページのうち最も重要なページを抽出し、ファイルサイズを減らすために画像や余分なHTMLコードを削除も行なった上で、最終的にすべてのページ内容をZIPファイルに圧縮してメールでクライアントに送り返す。

 その後PC管理者がインターネットに接続して検索結果が添付されたメールを受け取り、TEKクライアントを立ち上げると、検索結果はローカルのキャッシュとして保存され、あたかもWebサイトをブラウジングしているかのように見ることができる。1度行なった検索結果は、ローカルなキャッシュに保存されているため、2度目に同じ検索語を入力してもインターネットに再度接続する必要がない。

 TEKはまだ開発段階にあり、今後さらに改良されて行く予定だ。開発者たちはTEKが利用される文化的背景によって検索するべき情報の種類も異なると考えており、どうしたらそれぞれの文化背景に合った情報を提供できるかを検討している。

 検索にかけられる時間はたっぷりあるため、むしろ検索語の組合せ方にじっくり時間をかけたほうがより有効な結果が得られるかもしれないとも考えており、「クエリービルダー」の開発を検討している。「クエリービルダー」は、ある検索語を入力した時にどれだけの検索結果が見込めるかどうか、自分が望む情報に対して、その検索語が適切かどうかをアドバイスしてくれるソフトである。

 本や図書館もなく、得られる情報が極端に少ない世界でインターネットを通して得られる情報は、数少ない世界への窓口になり得る。TEKはまだアルファ段階にあり、今後も安定版に至るまで開発が続けられる予定だ。

検索語入力欄。「Submit Serch」を押すとサーバーに送信される TEKクライアントのメニュー画面。検索結果は「new results」で閲覧することができるが、じっくり時間をかけて検索しているだけあって、結果表示までは大分時間がかかるようだ

(2003/7/28)

[Reported by 青木大我(taiga@scientist.com)]

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