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【ソフトウェア】

ネットスケープ社
Communicatorのソースコード公開について説明会を開催

■URL
http://home.netscape.com/ja/mozilla_org/NPL/FAQ.html (NPL日本語解説)
http://home.netscape.com/newsref/pr/newsrelease591.html(プレスリリース)
http://www.mozilla.org/(mozilla.org)

 日本ネットスケープ・コミュニケーションズ株式会社は、「Communicator 5.0」のソースコード公開について記者説明会を開催した。これは、米国時間3月31日に「mozilla.org」(ソースコード開発を支援するサイト)においてソースコードを公開したことを受け実施したもの。

 説明会では、主にソースコードのライセンス条項「Netscape Public License(NPL)」について解説された。同社によるとNPLは、従来からあるライセンス条項「GNU GPL(General Public License)」、「GNU LGPL(Library General Public License)」双方の基本コンセプトをいくつか適用し、同社の方針に合わせて策定したものとのこと。例えば完全にGPLに沿った場合は、Communicatorに含まれる、サードパーティーによるコンポーネントのソースコードも公開しなければならないが、Netscape社にはそれを行なう権利がないといったことなどを、GPLをそのまま使用しない理由としてあげている。また、NPLでは、保護されているコードとライセンスに支配されていない他のコードを組み合わせて、より大きな製品を作成できることをあげ、LGPLより制限が少ないとしている。


杉山社長
杉山逸郎代表取締役社長

■NPLでは、変更したソースコードの内容を公開する必要があるが、具体的に公開が必要なパターンがいくつか紹介された。

・Communicator自体を変更した場合はソースコードを公開
・Communicatorの一部を含んで拡張した製品は、製品のソースコード全体を公開
・Communicatorの一部を抜き出し、別の製品に組み込んだ場合、組み込んだ製品のソースコード全体を公開
・CommunicatorのAPIを介して動作するモジュールについては、新たに作成したモジュールのソースコードは公開する必要がない
・Communicatorの一部のモジュールを利用したAPIはソースコードを公開



 ソースコードは、mozilla.org上で公開されるほか、米国ではCD-ROM(価格10ドル)でも配布される。日本では、雑誌の付録といった形態も含め配布方法を検討中だが、実施する時期は未定とのこと。また、「日本語によるmozilla.orgの開設はあるのか」という質問については、1つのサイト(場)で議論を進めていかなければ成立しないというサイトの性格上から「一切やるつもりはない」としている。

 メッセージングソフト「Netscape Messenger」については、開発の遅れが原因とのことで、今回ソースコードは公開されなかった。現在開発が進められている最中で、次期バージョンでは、プロトコル「IMAP」「LDAPv3」関連の性能向上、PDAとの連携などの機能が強化されるとのこと。

 なお、説明会の当初には、説明会の数時間前に米国で開催されたソースコード公開記念パーティー「mozilla.party」の模様を紹介し、盛り上がりを強調。杉山社長は「(公開により)これからは、PCに限定することなく、各種デバイスにもフレキシブルに対応できるようになるだろう」と今後の予測を語った。また、同社のクライアント製品担当者は、「(ソースコード公開を発表した時は)ネットスケープもついにヤケクソになったかと言われたが、そうではない」として、ソースコードの公開がインターネット界全体を盛り上げるはず、と公開の意義を力説した。

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('98/4/1)

[Reported by okiyama@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部INTERNET Watch担当internet-watch-info@impress.co.jp