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ガートナー・ジャパン株式会社は、地方自治体(県を除く市町村区)の住民サービスにおける電子化に関する住民調査を実施した。その結果、住民の4分の3以上が「電子化が進んでいない」という印象を持ち、90%以上が電子化を推進すべきと回答したと発表した。調査方法は、IT事情などを理解しているユーザー・有識者の中から無作為に候補者を選出し、7月23日から30日までインターネットで調査を実施。有効回答は551件。
この調査における地方自治体における電子化とは、インターネットにより各種申請を行なえることや公開情報を入手できる事としている。その上で、47.5%が「あまり電子化が進んでいない」、27.6%が「全く電子化が進んでいない」という回答だった。また、インターネットインフラ・セキュリティー面での不安が残るという反対派が存在しながらも、90%以上の住民は電子化を推進すべきであると回答しいる。中でも17.4%は「2002年における最重要項目として最優先で取り組むべき」と回答した。
この調査の中で、地方自治体が取り組もうとしている住民情報系システムの中では「電子申請システム」を最優先で構築すべきと回答した。特に住民票などの申請・受取をインターネットで可能にする受取システムの構築が優先順位第1位という回答が68.2%もあった。次に電子情報公開システム(10.2%)、電子予約・抽選システム(10.2%)、電子相談システム(4.0%)となっている。
今回の調査で4分の3以上の住民が「地方自治体の電子化が進んでいない」と回答しているが、これは電子化による利便性を望むというよりは、地方自治体の旧態依然とした住民サービス制度に対する不満からくるもののようだ。また、ホームページなどを開設してもPR活動などが不十分といった原因も考えられる。何れにせよ住民の約20%が「自治体のホームページの存在自体知らない」という現状では、電子化が浸透するまでまだ時間がかかりそうだ。
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(2001/9/5)
[Reported by otsu-j@impress.co.jp]