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■URL
http://www.onlab.ntt.co.jp/
発表ではデモンストレーションが行なわれた。左から、送信側モニター、送信サーバー、MAPOSスイッチ、受信側サーバー、受信側モニター |
実験システムの概念図 |
日本電信電話株式会社(NTT)のNTT未来ネット研究所は26日、IPネットワークを用いた無圧縮ハイビジョン映像の配信実験に成功したと発表した。この実験では、NTT武蔵野R&Dセンタ(東京都武蔵野市)と20km離れた電気通信大学(東京都調布市)の間を2.4Gbpsの光ファイバーで接続、ビットレートが1.5Gbpsの無圧縮ハイビジョン映像をIPネットワークを用いてリアルタイムの配信を行なった。
NTT未来ねっと研究所で開発した非圧縮ハイビジョン転送サーバーは、市販のAT互換機のサーバー、非圧縮ハイビジョン映像入出力ボード、光ファイバーのインターフェイスボード、Linux、今回開発された映像配信のソフトウェアで構成される。配信サーバーは特別な機器を利用しないため、従来の専用機器よりも安価に構築できる。
この高速通信を可能にしたのがNTT開発のプロトコル「MAPOS(Multiple Access Protocol Over SONET/SDH)」だ。MAPOSは、データリンク層のプロトコルでMTU(Maximum Transmission Unit:パケットの最大サイズ)が64kバイトと大きいため、1.5Gbpsもの超高速通信でもイーサーネットなどに比べてパケットエラーが少ないことが特徴だ。IPネットワークを用いる利点としては、マルチキャストが可能なことと、映像以外のデータも流せるため通信路を有効利用できることにある。
現在のところ実用化の計画はないが、NTT未来ねっと研究所ではストリーミングコンテンツ配信のキャッシュサーバーや複数の拠点でのビデオ編集、放送局のシステムのIPネットワーク化などで利用できるのではないかとしている。
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(2001/10/26)
[Reported by adachi@impress.co.jp]