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■URL
http://www.ntt-west.co.jp/spot/
NTT西日本は、ホットスポットでの無線アクセスサービス「フレッツ・スポットアクセス（仮称）」を商用提供する。2002年度第1四半期中のサービス開始を目指しており、早ければ5月末か6月頭にスタートする見込みだ。サービス開始時点で、JR大阪環状線の内側、御堂筋沿いを中心に50～100カ所のホットスポットを開設する予定だ。
具体的な料金は未定だが、「当然ながら、すでに東京などで発表された他社ホットスポットサービスの料金設定は意識している」（NTT西日本サービス開発部ネットワークサービス部門の木元正憲・新サービス担当課長）。ただし、フレッツシリーズではISP料金が別途必要になるため、ネット接続も含まれている他社サービスよりも低い設定でなければならない。モニター実験を通じて「声として多かったのは、月額1,000円」だったとしており、この程度の水準でなければ利用者の獲得は難しいと見ている。最終的には1,000円程度か、高くても1,000円台となる可能性が高そうだ。
なお、フレッツ・スポットアクセスは、フレッツ・ADSLやBフレッツなど固定網サービスの加入者向けのオプションサービスとして提供されるものだ。毎月の料金は、固定網サービスの月額料金にスポットアクセスの月額料金が追加されることになる。
また、同サービスはセキュリティ対策としてIEEE 802.1xを採用しているのが特徴だが、標準で提供されるサービスはすでに普及しているIEEE 802.11b。希望者にのみIEEE 802.1xによるセキュリティ機能を付加するかたちになるという。月額料金は同一で、IEEE 802.1xの利用者のみ、初期費用として認証用の証明書発行などにともなう手数料が発生する。
基地局を設置するスポットについては、今のところ具体的な計画に挙がっているのは大阪市内のみだが、需要を見ながら西日本の各政令都市への展開も検討していく。当初はホテルや飲食チェーン店など、NTT西日本自身がスポットを選定するが、認知が高まってくれば、スポットのオーナーからの申し込みについても、需要見込みなどの基準を設けたうえで対応することになるという。
その場合も、基地局の機器や中継網となる光回線の設置・運用コストやメンテナンスはすべてNTT西日本持ちとなり、スポットのオーナー側は実質的には電源を供給するだけという契約になる。オーナーにとっては、基地局にかかる電気料金を負担するだけでスポットの付加価値が高められ、集客につなげることができるわけだ。
一方、現在固定網のフレッツサービスに対応しているISPに対しても、スポットアクセスへの対応を促していく考えだ。常時接続とはいえ、やはりまだまだ夜間のトラフィックが多い現状では、昼間の利用が予想されるスポットアクセスへの対応は「トラフィックの平準化に貢献できる」（木元担当課長）有効な手段だという。
NTT西日本では2001年10月から2002年1月まで、大阪市内の駅やホテル、飲食店など19カ所に無線基地局を設置し、13社のISPと約500人のモニターユーザーによるフレッツ・スポットアクセスの実証実験を行なってきた。その結果も踏まえて、家庭やオフィスでのブロードバンド環境を外出先でも同様に利用したいというニーズがあると判断したという。
したがって、フレッツシリーズのホットスポットサービスが登場するといっても、軸足はあくまでも固定網のサービス。それらのユーザーが「外出先でも同一のISP、同一の環境設定で使えるのがメリット」（木元担当課長）なのであり、同時に他社との差別化のポイントとなっている。
昨年から続々と登場し、注目を集めているホットスポットサービスだが、通信の安定性やセキュリティ面などの問題もあり、実際は「ユーザーにとっては、契約していいものかどうか、まだわからない段階」（木元担当課長）だ。これに対してNTT西日本では、中継網から基地局まで含めて自社で構築・運営することで、回線の品質やセキュリティにも配慮。安定したサービスを提供することで、ブロードバンドのいち手段としてのホットスポット市場を確立させたい考えだ。
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(2002/4/19)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]