【ソフトウェア】

米Appleが「QuickTime 6」のパブリックプレビュー版を公開

■URL
http://www.apple.com/quicktime/preview/quicktime6/
http://www.apple.co.jp/quicktime/preview/quicktime6/index.html
http://www.apple.com/pr/library/2002/jun/04quicktime.html


Windows版の画面

 米Appleは4日、マルチメディアソフトの新版「QuickTime 6」のパブリックプレビュー版を公開した。Macintosh版(Mac OS 8.6以降、Mac OS X v10.1.3以降)とWindows版(98/NT/ME/2000/XP)が用意され、現在、同社サイトから英語版が無料でダウンロードできる。新版の最大の特徴は、コンテンツ配信の標準規格となりつつある「MPEG-4」に対応したことだ。MPEG-4は、デジタル動画を配信するための国際的な標準規格で、標準化にはAppleやCisco、Ericsson、Intel、松下、三菱、Motorola、Phillips、RealNetworks、Sunなどが貢献している。

 QuickTime 6では、バッファーによる遅延をなくす「Instant-On Streaming」機能を備えているほか、MPEG-4オーディオ形式である「Advanced Audio Coding」(AAC)への対応、MPEG-4ビデオコンテンツをエンコード/デコードするためのISO準拠ビデオコーデックへの対応、「Internet Streaming Media Alliance (ISMA) 1.0」仕様準拠、DVC Pro(PAL)への対応などが図られている。また、Mac OS X版では、JPEGに比べて高品質でファイル容量を小さくできる次世代JPEG規格「JPEG 2000」に対応した。

 Appleは併せて、インターネットで生放送を可能にするアプリケーション「QuickTime Broadcaster」のパブリックプレビュー版も公開した。新版では、リアルタイム再生機能を備えたライブのエンコーディング、ハードディスクへのリアルタイム録画機能、QuickTimeコーデックやMPEG-4ビデオ、AACオーディオへの対応、AppleScriptへの対応などが図られている。

 なお、Appleでは、QuickTime 6とQuickTime Broadcasterを2月に披露しているが、当初、MPEG-4のライセンス条件が改善されるまでリリースを延期するとしていた。MPEG-4のライセンス条件案には、「MPEG-4コンテンツの再生時間に応じてライセンス料を徴収すること」が盛り込まれており、Appleなどがコンテンツ配信市場の発展を阻害するとして異議を唱えていた。今回の発表では明らかにされていないが、AppleがQuickTime 6を公開したのは、AppleとMPEG-4ライセンス団体との間で何らかの妥協があったのか、Appleが当初のライセンス案を承諾したためだと見られる。

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(2002/6/5)

[Reported by 江藤浩幸]

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