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http://www.idg.co.jp/expo/wsc/
11日、Webサービス関連のイベント「Web Services Conference」が東京・青山において開催された。このイベントでは、マイクロソフトやサン・マイクロシステムズなどWebサービスに関連する企業が一同に揃った。
特別講演では、W3CのWeb Services Activity LeadであるHugo Haas氏が「Webサービスの可能性を最大限に導き出すために」と題してW3CのWebサービスへの取組みを紹介した。同氏は、Webサービスを「他のアプリケーションからWebを介して利用されるアプリケーション」と定義した。Webサービスを利用することで、動的な仕掛けを低コストに構築でき、サービス提供者は柔軟な運用が可能で、ユーザーも自分の好みに合わせたさまざまな利用形態を得ることができる。
現在W3Cでは、WebサービスをいかにしてWebに統合していくかをテーマに活動している。Haas氏はまず、「URIを使った同定、"HTTP Get"といったいくつかのルール、そして構造としてのXMLなど、既存のWebの原則を尊重し、Webに優しい形でWebサービスが統合される必要がある」と語った。
また、Webサービスの特徴を、機械と機械の間の対話で、動的に合意が形成され、なおかつアプリオリな知識を必要としないものと定義する。そのため、他のXML空間で任意の使われ方をしている語彙で表現された情報をどのように理解し、決定すればいいのかという問題がある。これに対する解決法としてHaas氏は、「特定のXML語彙を理解するために、OntologyとSemantic Webが必要になる」という。
Ontologyとは、あるものの概念とその関連性を記述する公式のことだ。例えば、旅行代理店のWebサービスにおいては、「航空券」と「払い戻しができない航空券」それぞれの意味を定義するだけでなく、「払い戻しができない航空券」は「航空券」の一部であるということも定義する必要がある。一方、Semantic Webとは、Webサイト上にメタデータとしてセマンティクス(意味情報)を付与し、人の手を使わずにデータを機械的に処理できる空間を創出するものだ。このメタデータの構造は「RDF(Resource Description Framework)」で定義され、現在RDFで使うOntologyの策定作業に取り組んでいる。
●W3CのWebサービスに対するこれまでの取組み
W3Cでは2002年1月に、Web Services Architecture WG、XML Protocol WG、Web Services Description WGの3つのワークグループ(WG)を発足させた。これら3つのWGは、関連するWGと協力しながら「コアな技術を多くの人々に提供する(Haas氏)」ために活動している。これらコアな技術は、ロイヤリティフリーで提供される。
3つのWGのうちWeb Services Architecture WGでは、「Webサービスとは何なのか?」「Webサービスが必要とする技術は何なのか?」という二つのテーマに取り組んでいる。Webサービスのアーキテクチャーに要求されるものは、相互実施性、信頼性、Webとの統合性、セキュリティとプライバシー、冗長性と拡張性など幅広い。これらに対して、同WGでは4月29日に「Web Services Architecture Requirements」というWorking Draftを発表している。
また、Webサービスを普及させるためには複雑な機械間をつなぐメッセージングプロトコルが必要だ。それが、6月27日にLast Call Working Draftが発表されたXMLベースの「SOAP 1.2」だ。SOAPの特徴は、“封筒”の中にヘッダー情報とボディ情報が梱包された一方向のプロトコルだ。SOAP 1.2は勧告直前の段階になっており、7月19日まで最終意見を募集している。
一方、Web Services Description WGでは、「他者の構築したWebサービスを利用するにはどうしたらいいか」というテーマに取り組んでいる。このため、7月9日にWorking Draft「Web Services Description Language (WSDL) Version 1.2」および、「Web Services Description Language (WSDL) Version 1.2: Bindings」を発表している。ここでは、Webサービスをどのように記述すべきかというフォーマットを定めている。
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(2002/7/11)
[Reported by okada-d@impress.co.jp]