ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年5月15日版


HEADLINE 3 articles

全世界ローミングサービス「グローバル・リーチ・インターネット・コネクション」
トランス・コスモスの暗号通信ソフト「インターネット安心便システム」
電話番号入力でURL検索する「でんわでポン!」サービス
余談4題:長谷川投手のホームページ/ATMARK-EX/Adaptive Networking/業界最高性能パソコン


[プロバイダー][ローミングサービス](レベルA')
エイムクエストの全世界ローミングサービス「グローバル・リーチ・インターネット・コネクション(GRIC)」


 日経産業新聞1面には、米ベンチャー企業のエイムクエストが主催する、世界各国のインターネットプロバイダー(ISP)が連携してローミングサービスを受けられるようにする「グローバル・リーチ・インターネット・コネクション(GRIC)」事業の記事が掲載されている。
 すでに日本を含む35カ国のISP87社が参加を表明しており、日本でも、KCOM(KDDコミュニケーションズ)マリネット(丸紅)グローバル・オンライン・ジャパンTosEnet(東芝エンジニアリング)BUTAMANDTIなどが参入している。特にアジア方面のISPの数が多いようだ。
 これまでも同様なローミングサービスとして、米ホームゲート・コーポレーションの海外ローミングサービス(4月16日のNEWSWatch記事参照)や、NTTデータ通信米MCI英BTの3社の海外AP相互利用サービスである「インターネットダイアルローミングサービス」(4月11日のNEWSWatch記事参照)などが既に発表されているが、今回はホームゲートのサービスのようにクライアント1台1台にローミング用ソフトをインストールする必要がない代りに、ISPのサーバーがローミング用ソフトを導入してエイムクエストが一括管理して行くので、ユーザーは特にソフト追加などの作業は発生しないようだ。
 ローミングサービスはこれで益々、今年のトレンドとなってきたが、今回は中堅クラスのプロバイダーが参加しており、より大きな流れになりそうな感じである。



[暗号メール][認証](レベルA')
トランス・コスモスの暗号通信ソフト「インターネット安心便システム」5月13日のinternetWatchダイジェスト記事にも掲載)


 日刊工業新聞9面には、トランス・コスモスが既存の電子メールをそのまま使える暗号通信ソフト「インターネット安心便システム」を発売した記事が掲載された。サーバー用とクライアント用ソフトで構成し、価格は20ユーザー版が49万8千円からのようだ。
 サーバ側にWindowsNT3.51(安心便Plusでは、Solarisをサポート)、クライアント側にWindows95が必要なので、全ての電子メール環境で使えるというわけではないが、暗号メールソフトを購入しなくて済むというあたりは、使い勝手も含めて評価できる。
 認証サーバーを使った暗号既存電子メールシステムとしては、アスキーサムシンググッドのセキュリティ機能を既存の電子メールソフトに組み込むプラグインソフト「Secure Messengerv1.0J」5月8日のinternetWatch記事参照)が有り、日本ベリサインの認証システム「デジタルID」を使用するので、独自にサーバーを設定する必要はないが、昨日のNEWSWatchにもあるように、日本ベリサインのサービス価格も上がる事も含めて考えると、長期的に見たコストは独自にサーバーを持っていても割高にはならないであろう。
 独自に認証サーバーを持つにしろ、外部に認証作業を任せるにしろ、企業内外への社外秘連絡を電子メールに置き換えていくには、必ず暗号メールシステムは必要になってくるので、こういった認証システムはイントラネットやエクストラネットでメールを使用する場合の一要素となってくるだろう。
 トランス・コスモス社の認証サーバを利用したこのソフトの動作評価を、暗号クライアントソフトウェア評価版として無償ダウンロード出来るので、企業や組織内で使ってみようと思う方には、まず試してみることをお勧めする。



[検索][サービス](レベルA')
アルカディアの電話番号入力でURL検索するサービス「でんわでポン!」5月2日のinternetWatchダイジェスト記事にも掲載)


 日経産業新聞2面には、音声合成技術のベンチャー企業:アルカディアが、電話番号からホームページのURLを検索するサービス「でんわでポン!」を開始した記事が掲載された。URLを知らなくても会社の代表番号からホームページを探し出せたり、市外や市内局番などの一部の番号から目指すホームページを絞り込めるようだ。
 既に4月21日からスタートしたサービスだが、「でんわでポン!」に検索されるデータに登録する登録料は無料なので、個人や企業、組織などのホームページを宣伝したい方にも使えるサービスだ。いわば、ネット版イエローページをユーザー任せで作ってしまおうということにもなろう。
 このサービスは、インターネット・フェリー(INTERNETFERRY)という、ユーザーが使ったサービスの満足度によって支払う料金を決めてもらうというシェアウェアとよく似たサービスの料金回収方法を取っているので、なかなかユニークでもある。
 アルカディアは、テキストデータを合成音声に変換する日本語音声合成ソフトウェア「声良」や、しゃべるホームページが作れるNetscapeNavigator用音声合成プラグインソフト「咲良(さくら)」(各々Windows95/NT対応)など、ヒューマン・インターフェースを良くする(人に優しい)ソフトを作っている会社なので、このインターネット・フェリー方式がどこまで普及(通用)するかも、注目していきたい。



余談その1:
 日経産業新聞3面には、米大リーグのアナハイム・エンゼルスで頑張っている長谷川滋利投手のホームページが19日、「人生劇場」に登場する記事が掲載されている。始まるのは、長谷川選手が送ってくる電子メールやデジタルカメラの写真を使って制作、発信する「ザ・メジャー」というページのようだ。
 スポーツ選手がホームページ発信しているものでは、IBMがサポートしている相撲の小錦(彼は主に英語でメール回答しているらしい(TBSのTV番組より))や、サッカーの前園選手などが有名なのだが、本人達も忙しい身なので、なかなかダイレクトなメッセージを受け取れないのが実情だろう。今回は、長谷川選手の生の「人生」を感じさせて欲しいものだが...

余談その2:
 日経新聞13面には、バンダイ・デジタル・エンタテインメント(BDE)が、インターネット接続できる法人専用端末「ATMARK-EX」(仮称)を開発した記事が掲載された。
 5月13日のPCWatch記事では、BDEが「ピピンアットマーク」事業からの撤退との誤報について、日経新聞社に抗議したと書かれているが、この件でも新聞紙面では、『「ピピンアットマーク」が失敗したため』などとまだまだ、逆撫でしているようで...(^_^;)

余談その3:
 日刊工業新聞10面には、ベイ・ネットワークスは、次世代の同社のネットワーク製品のコンセプト「アダプティブ・ネットワーキング」を明らかにした記事が掲載された。企業や通信事業者を円滑にIP(インターネット・プロトコル)型ネットワークへと移行させることを狙いとしたもののようだ。
 全てをIPで結ぼうとというコンセプトだが、従来ネットワークを生かすためにもこの様なブリッジングウェアは必要かと。

余談その4:
 日経新聞13面には、日本DECは10月に業界最高性能のパソコンを発売するという記事が掲載されている。MPUはアルファ433MHzで、価格は30万円台に抑えるようだ。
 本社DECIntelと特許侵害の係争に入った(PCWatch記事参照)すきに、こっそり業界最高速PCを出そうとは、なかなか良いタイミングのようで...(^_^;)



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