ウォッチャー金丸のNEWS Watch
リンクがすでに消滅していることもありますが、予めご了承ください。
・NEWS Watchとは
・about 金丸さん
・NEWS Watchバックナンバー

1997年5月22日版


HEADLINE 3 articles

10円メール対応PDA「モバイルZ」発売
リアルタイム画像配信サーバー「オープンネットビュー」
世界経済フォーラム(ダボス会議)の国際競争力調査発表
余談2題:日本DECのCelebrisシリーズ/バナー広告


[メール][PDA][携帯電話](レベルA')
NTTドコモは、10円メール対応PDA「モバイルZ」を6月6日から発売する(PCWatch記事参照)


 日経産業新聞9面日刊工業新聞9面には、NTTDoCoMoは5月からサービスを開始した10円メール専用ソフトを備えたPDA「モバイルZ」を6月6日から発売するという記事が掲載されている。シャープのザウルスをベースに開発したようで、5月21日のDoCoMoのリリースにも、東芝のリブレットをベースとした小型パソコン「モバイルパック」(15万8千円)に引き続き、デジタルムーバとの接続ケーブルなどを含め5万4800円で発売予定であることが掲載されている。
 3月25日のinternetWatch記事にもあるように、10円メールサービスは、NTTDoCoMoとマスターネットが5月1日からスタート(3月21日のDoCoMoリリースも参照)させており、和文で千文字以内の電子メールを通信料10円で送受信できる。マスターネットへ入会しないと使えず、別デジタル携帯電話と接続しなければならないなど、色々と手間はかかるが、用途をメールに絞って格安感を出しているのは、業務などにPDA(特にザウルス)を使用している方には、使えるパック製品と言える。通信速度が9,600bpsなので、接続料金が10円/12秒ということから、千文字メールでは10円どころでは済まないが、PDAからの送信では文章もそれ程長くならないので、料金も低額で抑えられるだろう。
 4月25日のNEWSWatchでは、今秋からデジタル携帯電話とPDAを一体化した複合端末を発売するという記事を取り上げたが、この10円メール機能を持つ「モバイルZ」が、その機種のベースとなる可能性も高く、今年初夏から国内で始まるPDA戦争(5月14日のNEWSWatch参照)に向けて、新たな(国内のPDA本流からの)チャレンジャー機種ともなろう。


 
[映像サーバー](レベルA')
●リアルタイム画像配信サーバー「オープンネットビュー」


 日経産業新聞2面には、画像・通信システム開発のメガチップスが、PCを使わずにビデオの動画像をリアルタイムで配信できる小型・軽量のサーバー「オープンネットビュー」を開発した記事が掲載された。
 ルーターやTAを介して通信回線に接続出来るので、ISDNやOCN、ODNにも対応可能であり、大きさは縦135mm×横180mm×高さ30mmで重さは320gとかなりコンパクトで軽量ようだ。
 既にPC用のインター/イントラネット用リアルタイム画像伝送システム「IntranetView」という製品も出しており、Viewシリーズというビデオ映像とコンピュータとをつなぐ製品群においても実績があるので、こういった製品も生まれてくるのだろう。
 スペース効率が上がり、可搬性があって、かつ安価にサーバーを立ち上げられるという特徴で、遠隔ビデオ監視やピープホールなどへの用途がもっと広がるのはもちろんだが、サーバー内には1MBフラッシュメモリーも搭載されているようなので、LAN内に置いてビデオ映像関連の作業を行うNC的な使い方にも応用できそうだ。



[国際競争][技術力](レベル?)
世界経済フォーラムの国際競争力調査発表

 日経産業新聞24面(裏面のビジネスTODAY欄)には、ダボス会議とも呼ばれる世界経済フォーラム(スイス、ジュネーブ)が毎年発表する世界各国の国際競争力に関する解説記事が掲載された。
 2月4日のNEWSWatchでも取り上げ、今年はインテルのアンドリュー・グローブ社長とマイクロソフトのビル・ゲイツ会長が講演して話題となったが、上記のような経済予測も含めたリサーチも出して、世界経済を見守っているフォーラムとも言える。
 5月21日付けの世界経済フォーラムのプレスリリースでも、日本は実質的な経済力では2位だが、競争力ランキングでは14位にあるという調査報告を示している。また5月21日にこの発表が、World LinkPublishing社によってデータ開示(出版)されてもいるようだ。
 その97年度発表では、まず世界的な総合的競争力で、日本は96年よりは競争力は上がってはいるものの、シンガポールや台湾は言に及ばず、チリにも負けて14位に落ちている。市場規模の成長率も96年の半分以下に落ちているのも気掛かりだ。
 その他、色々な項目での競争力ランキングが新聞紙上で示されているが、特に注意すべきは技術力の分野で、アイルランドやオーストラリアよりも下位の8位になっていることだ。シンガポールや米国が1位、2位というのは最近の成長率から見ても明かだが、それなりの技術立国として君臨しているつもりの日本も、明らかにジリ貧になりつつあることを示しており、インターネット関連技術でも強く感じていることなのだが、21世紀が不安になるデータと思われる。



余談その1:PCWatch記事参照)
 日経産業新聞8面には、日本DECがペンティアムIIを搭載したデスクトップPC「Celebris GL-2 6266ST」を発表した記事が掲載された。
 米DEC米IntelがPentiumシリーズで特許侵害の係争をしている最中(PCWatch記事参照)に、チャッカリ新製品を出してしまうとは、太平洋はまだまだ広いようで...

余談その2:internetWatch記事参照)
 日経新聞17面には、広告会社の第一企画のバナー広告意識調査で、「あった方が良い」とする回答が75%に達したという記事が掲載されている。
 広告を出す側の調査なので、ジャンクメール(=SPAM)会社の調査と同様(5月9日のNEWSWatch参照)、鵜呑みには出来ないが、それにしても高い支持率と言える。しかし、日本のインターネット・ユーザーは米国の膨大な広告ジャンクメール攻勢には曝されておらず、まだまだ平和な中に居る証拠とも言えようか。



INTERNET Watch


(C)1996 Impress Corporation. All Rights Reserved.

internet-watch-info@impress.co.jp