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公的個人認証申し込み体験レポート~足立区の場合


e-TAXの体験版。実際に申請することはできないが、流れを把握することは可能
 インターネットを通じて、納税やパスポートの申請などの行政手続きを行なうための認証サービス「公的個人認証」が1月29日から始まった。住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)を基盤としており、市区町村の役所では認証を行なうための電子証明書を発行する。証明書発行料は500円(3年間有効)で、3月31日までは無料。

 岐阜県、静岡県、愛知県、三重県で2月2日から開始したオンライン国税申告サービス「e-TAX」では、公的個人認証を利用して接続する。総務省では、社会保険関係の申請・届出、パスポート申請などで順次利用できるようになるとしている。

 なお、住基ネットに接続していない自治体では利用できないほか、長野県などの一部自治体では、住基ネットに接続はしているものの、安全性が確認できないとして公的個人認証の提供を延期している。


必要なものは、住基カードと対応カードリーダ/ライタ

スタッフの住基カード。左側の金属端子が接触・非接触共用型のしるし
 公的個人認証には、電子証明書を格納する住民基本台帳カード(住基カード)が必要だ。住基カードは、ISO 14443 Type Bに準拠したICチップを搭載し、非接触近接通信が可能で、対応するリーダ/ライタを利用することで、カードの内容を読み込んだり、書き込んだりできる。なお、自治体によっては非接触だけでなく接触通信にも対応した共用型も発行。編集部スタッフのカードを発行した足立区では、共用型を発行していた。

 また、住基カードを読み込むカードリーダ/ライタも購入する必要がある。編集部で用意したのは、ビックカメラなどの量販店で販売していた、非接触型対応のリーダ/ライタ「PD2102P」(NTTコミュニケーションズ)。なお、各自治体が所属する公的個人認証サービス都道府県協議会のWebサイトでは、対応リーダ/ライタの一覧表を掲載している。

 なお、リーダ/ライタだけでは、住基カードを読み込むことはできない。電子証明書発行後に役所からもらうCD-ROMにある専用アプリケーションが必要だ。アプリケーションを利用することで、さまざまなファイルに電子署名を行なうことができるようになる。


NTTコミュニケーションズの「PD2102P」。USBで接続する。ビックカメラでは18,000円で販売していた 住基カードを読み込ませるところ。カードと通信が始まるとリーダ/ライタのLEDがオレンジ色にともる

専用アプリで、カード内の個人情報にアクセス アプリへのログイン時には登録したパスワードを入力。このパスワードはアプリを利用して変更することも可能だ

個人情報、本当に大丈夫?

 その後、足立区の担当者から電話をいただき、翌日には無事電子証明書の発行ができた。なお、住基カードには顔写真ありのものとなしのものがあり、写真ありの場合はその場で電子証明書の発行が完了する。写真なしの場合、運転免許証やパスポートなどでの本人確認が必要で、「約2週間ほど時間がかかる」(足立区役所)という。

 申し込みを通じて感じたことは、区役所職員のスキルが足りないことだ。こちらが待たされている間、区の職員4~5人が集まって、“あーでもない、こーでもない”と頭を抱えている状況だった。個人情報を扱う部署でこの状況は、「本当に大丈夫なんだろうか」と利用者も不安を抱いてしまうと思われる。

 住基ネットの安全性に対しては賛否両論あるが、扱う人間の教育もシステムの安全性同様重要となる。いくらシステムが強固でも、情報を扱う人間の運用方法がセキュリティホールとなる可能性もあるからだ。まだ利用者は非常に少ないと思われるが、今後は情報を扱うスタッフのスキル向上を期待したい。


関連情報

URL
  公的個人認証サービス都道府県協議会
  http://www.jpki.go.jp/
  国税電子申告・納税システム(e-Tax)
  http://www.e-tax.nta.go.jp/

公的個人認証サービススタート~一部で電子証明書が発行できない不具合も(2004/01/29)
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東京都、住基カードを利用した電子証明書を都民向けに29日提供開始(2004/01/23)


( 鷹木 創 )
2004/02/02 19:10

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