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JPドメイン名が常に安心して使えるために〜JPRSの中期ビジョン


 日本レジストリサービス(JPRS)が6日、JPドメイン名のレジストリとしてのこれまでの取り組みや今後の事業方針をとりまとめた報告書「JPドメイン名レジストリレポート」をWebサイトで公開した。このレポートは、先だって公表された同社の財務状況資料とあわせ、「開かれたレジストリに向けた取り組みの第1歩」なのだという。レポートの内容やその公開意図について、JPRSの堀田博文取締役に話を聞いた。


汎用JPドメイン名の値下げで“経済性”の改善に着手

JPRSの堀田博文取締役
 JPドメイン名レジストリレポートは、来年以降は1年ごとにとりまとめる予定だが、今回は初めての公開となったため、JPRSの設立から3年間にわたる取り組みが紹介されている。2001年2月に汎用JPドメイン名の登録開始したことに始まる同社のレジストリ事業をふりかえりながら、堀田取締役は3年間をこう総括する。

 「JPRSは設立時より、“信頼性”“安定性”“利便性”“経済性”を4本柱として示してきたが、常に(経済性以外の)3本にしか取り組んでいないとよく言われる。JPレジストリの移管にあたって、JPNICから申し送り事項として我々に示された課題が多く、それらの解決に3年間ひた走ってきたというのが正直なところだ。今振り返ると、そこで示された課題はひと通りクリアできたのではないかと思う。残る経済性にも、やっと着手できるようになった。」

 そこで、レポートでは今後3年間を見据えた「中期ビジョン」の中で、経済性を改善する取り組みとして、汎用JPドメイン名の登録料改定が明記された。指定事業者への卸売り価格について、新規登録料を2004年第4四半期に、登録更新料を2005年後半に値下げするという。ただし、価格改定は汎用JPドメイン名だけであり、co.jpなどの属性型や地域型ドメイン名の価格改定については中期ビジョンでは触れられていない。

 「属性型は1組織1ドメイン名という制約があるため、最近の登録状況を見ると汎用JPドメイン名のほうが新規登録数が多い。また、ユーザーの要求がどこに向いているかという点も考慮した。属性型は企業の登録が多い一方で、汎用は個人の登録も多い。また、企業でも複数登録する場合が多く、値下げに対する要求が強いのが汎用JPドメイン名だった。まずは、こちらを値下げすることが世の中への還元として近道と判断した。」

 「属性型についても、まだ報告書には書ける段階ではないが、価格改定は検討項目の中に入っている。ただし、属性型は資格審査などのコストがかかり、価格以外の制度上の課題も多い。また、『高くてもいい』というわけではないが、少なくとも『あまり変なドメインにはしないでくれ!』『co.jpならば、co.jpの価値をきちんと保ってくれ!』という要求は強い。ほかの要素を切ってまで、価格を下げることはできないドメインだと考えている。」


信頼性や安定性の改善に絶対的なゴールはない

 今回のレポートでは上記のように、「これまで何も書けなかった」という経済性に関する取り組みとして価格改定がはっきりと示された点が大きいが、もちろん、JPRSが注力するのはこれだけではない。「4本の柱がすべて改善されるように取り組んでいく」としており、レポートでは残る柱についてもビジョンが示されている。

 「信頼性や安定性については絶対的なゴールはない。セキュリティや危機管理において、状況に応じて基準を見直しながら常に取り組む課題と考えている。まずは信頼性だが、最近では個人情報漏洩事件の影響もあり、情報セキュリティや個人情報保護は一般の人の関心も高い。いっそう強化していく。また、WHOISによる情報公開と、社会的な個人情報保護の流れをどう兼ね合わせていくか? その議論も諮問委員会で進めてきた。インターネット上でWHOISのような情報公開が必要であるという認識には変わりないが、その方法が従来通りでいいのか、もう一度見直さなければならない。2005年4月の個人情報保護法の施行までに、手を打たなければならなこともあり、目下取り組んでいる最中だ。ドメイン名登録者の情報としてインターネット上でどういう情報が必要なのかということは、gTLDについてはICANNでも議論されている。個人情報保護法への対応だけではなく、その後も続く課題だ。」

 「安定性では、なんとしてもJP DNSの安定性を図ることだ。JP DNSではこれまで、トラブルや攻撃によるダウンは幸いにして発生しなかった。IP Anycastや地理的分散でかなり強固になってきているという認識もあるが、例えばサーバー配置の最適化など、まだまだ課題はある。インターネットのトポロジがここ何年かの間で大きく変わってきている中で、今のサーバーの配置が適切なものであるのかどうか、中期的に見直さなければいけない。サーバーの配置自体がDNSのパフォーマンスや堅牢性に結び付いてくる。」

 「利便性についての今後の課題としては、例えばJP DNSの更新頻度が挙げられる。現在は1日1回となっているが、インターネットにおけるドメイン名の使われ方も変わってきている。Webとメールだけではない、いろいろな新しいサービスの中でドメイン名が活用されていくことを考えた場合に、DNSのオペレーションは今のままでいいのかどうか? また、携帯インターネットも日本語ドメイン名の鍵を握る分野と考えており、注力したい。さらにドメイン名が活用できればインターネットがもっと幸せになるという領域が必ずあると思っている。それを開拓していきたい。」


JPは常に安心して使えるドメイン名

 堀田取締役は、JPドメイン名の置かれた状況について、「他のドメイン名と競合状態にある。最たるものは.comだが、特に個人では.ccや.tvを使っている方も多い。もちろん、それぞれの意味合いやそこに見出す価値はいろいろあっていいと思う」と述べた上で、「その中で競合していくにあたって、JPドメイン名はどこに価値を見出してもらえるか」が重要になるという。「それはひと言でいえば、常に安心して使える魅力あるドメイン名ということになるのではないか」。

 今回レポートをとりまとめて公開するに至った背景には、JPRSのサービスや取り組みについて情報を広く公開することで、JPドメイン名の利用者との情報交換を活性化したいとの思いがあるという。堀田取締役は、「レポートで示した中期ビジョンについては、登録者や指定事業者を含めて意見をいただいて、より魅力あるJPドメインにしていきたい」と述べている。


関連情報

URL
  「JPドメイン名レジストリレポート」公開のお知らせ
  http://jprs.jp/info/notice/20040706-registry-report.html

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( 永沢 茂 )
2004/07/09 18:48

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