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「インターネット白書2006」で見るインターネットの現在(2)

ADSLからFTTHへの乗り換えが進行、動画配信サービスへの関心も高い

 インターネットの利用実態について統計データをとりまとめた「インターネット白書2006」(監修:財団法人インターネット協会、発行:インプレス R&D、定価:7,140円)が6月15日に発売された。今回は白書の中から、通信回線の利用動向についてとりあげる。


FTTHでNTT東西がシェアを拡大、ADSLではYahoo! BBのシェアが減少

契約しているFTTH事業者
 個人ユーザーの通信回線の利用動向については、アクセスメディアインターナショナルが2006年4月に実施したWebアンケート調査をもとに分析している。この調査では、自宅からインターネットに接続している13歳以上の男女を対象にして、Webによるアンケートを実施。有効回答数は1,705サンプルとなっている。

 自宅で主に利用しているインターネット接続回線の割合は、ADSL(xDSL)が55.2%と最も高く、以下はFTTHが28.3%、CATVが11.7%、ダイアルアップ接続が4.3%、その他が0.5%。回答者を住居形態別に分類すると、FTTHでは集合住宅の割合が54.4%と高く、CATVでは一戸建ての割合が76.0%と高いという違いが見られる。

 回線の選択理由(複数回答)については、ADSLでは「常時接続の中で価格が安かったから」が59.2%と最も多い。一方、FTTHでは「常時接続の中で高速だったから」が52.5%と最も多く、2つのサービスの特性が表われた結果となっている。また、FTTHでは「マンションに入居していたときにすでに入っていたから」(14.3%)、CATVでは「放送/映像サービスも利用できるから」(12.0%)という回答も多い。

 FTTHの契約事業者の割合は、NTT東日本が37.3%、NTT西日本が25.5%で、NTT東西のBフレッツが多数を占めている。その他の事業者は、USEN(Gyao光)が8.5%、ケイ・オプティコム(eoメガエア、eo光ネット)が8.3%、KDDI(KDDI光プラス)が4.6%、東京電力(TEPCOひかり)が4.4%など。2005年の調査では、NTT東日本は33.4%、NTT西日本は20.8%となっており、NTT東西がこの1年間で割合を拡大する一方で、他の事業者の割合が減少している。

 ADSLの契約事業者の割合は、ソフトバンクBB(Yahoo! BB)が34.2%と最も高く、以下はNTT東日本(フレッツ・ADSL)が21.3%、NTT西日本(フレッツ・ADSL)が14.2%、アッカ・ネットワークスが10.7%、イー・アクセスが8.7%など。2005年の調査ではYahoo! BBの割合が40.4%を占めていたが、この1年間で2位以下との差が詰まってきている。契約しているADSLの速度については、「8Mbps以下」(23.1%)と「12Mbps以下」(23.1%)が同率で多数となっている。

 CATVの契約事業者の割合は、J:COM Broadband各社(ジュピターテレコム)が26.5%と最も多く、以下はZAQ加盟各社(関西マルチメディア)の11.0%、iTSCOM.net(イッツ・コミュニケーションズ)の5.5%、CCNet(中部ケーブルネットワーク)の3.5%など。また、CATVは地域密着型で事業者が分散しているため、「その他」が39.0%を占める。契約している通信速度については「8Mbps以下」が16.0%と多いが、「わからない」という回答が32.0%を占めている点がCATVの特徴となっている。


回線品質や料金についてはFTTHの満足度が高い

回線品質・スピードについての満足度

接続回線の乗り換え意向
 回線品質とスピードについての満足度は、回答者全体では「満足」が18.6%、「やや満足」が41.2%、「どちらともいえない」が17.8%、「やや不満」が16.3%、「不満」が6.1%で、「満足」「やや満足」を合わせて約6割が好意的に評価している。回線別では、FTTHユーザーが「満足」は29.9%、「やや満足」は43.4%となり、全体に比べて満足度が高い。

 回線料金についての満足度は、回答者全体では「満足」が10.0%、「やや満足」が27.7%、「どちらともいえない」が28.6%、「やや不満」が24.8%、「不満」が8.9%。回線別に見ると、「満足」と回答したユーザーは、FTTHでは13.3%、ADSLでは7.1%、CATVでは12.0%で、ADSLの満足度がやや低い。一方、最も低い評価の「不満」と回答したユーザーは、FTTHで7.7%、ADSLで8.0%、CATVで12.5%となり、他に比べてCATVでは料金に不満を持つユーザーが多い結果となった。

 接続回線の乗り換え意向については、「3カ月以内~1年以内に換える予定」が7.1%、「時期は決めていないが換える予定」が18.9%、「換えるか換えないかは現在検討中」が20.4%、「換えることは考えていない」が37.9%など。具体的な時期まで決めている乗り換え予定者のうち、68.9%はFTTHに乗り換えるとしている。


ISP選択の決め手は「料金の安さ」が圧倒的

ISP選択の際に比較検討した事項
 契約しているISP(複数回答)は、「Yahoo! BB」が21.0%と最も多く、以降は「@nifty」が12.4%、「OCN」が12.1%、「ぷらら」が9.7%、「DION」が9.7%など。契約しているISP数は「1社のみ」という回答が84.5%と大多数を占め、「複数のISPと契約している」という回答は13.6%となっている。

 FTTHユーザーが利用しているISPは、「OCN」が16.1%、「@nifty」が15.0%、「ぷらら」が12.9%、「USEN」が7.4%、「DION」が5.3%など。ADSLユーザーが利用しているISPでは、「Yahoo! BB」が34.8%と圧倒的に高く、「OCN」が10.9%、「DION」が9.1%、「ぷらら」が7.5%、「@nifty」が7.1%などと続く。

 ISPの選択の際に比較検討した事項(複数回答)については、「料金の安さ」が54.3%と圧倒的に多い。「ADSL/xDSL対応」(19.3%)、「つながりやすさ」(17.5%)、「サポートの良さ」(16.8%)といった事項よりも、ISP選択の条件としては「料金の安さ」が決め手になっていると推測している。一方で、ISPの評価できる付加価値サービス(複数回答)については、「ウイルスチェック」(29.3%)、「IP電話サービス」(23.8%)、「Webメール」(15.8%)といったサービスへのの評価が高い。


IP電話の利用率は43.2%、動画配信サービスは今後の利用意向が高い

IP電話の非利用理由
 IP電話サービスの利用率は43.2%で、FTTHユーザーでは43.0%、ADSLユーザーでは51.9%がIP電話を利用している。一方、CATVユーザーでは、IP電話の利用率は16.7%と低い。IP電話サービスについては、ISPや通信会社が提供しているサービスを利用しているユーザーが39.4%で、P2P電話ソフト「Skype」の利用率は6.1%となった。

 現在IP電話を利用していないユーザーに対して、今後IP電話を利用する予定があるかを尋ねた設問では、「3カ月以内~1年以内に利用する予定」が4.8%、「時期はわからないが利用する予定」が18.0%で、利用意向は約2割にとどまった。IP電話を利用する予定がない理由(複数回答)については、「固定電話はあまり使わないから」が47.2%で最も多かった。

 動画配信サービス(IPTVまたはVODサービス)については、「すでに契約して利用している」が5.1%、「試験サービスを利用している」が3.5%で、現時点での利用率はまだ1割にも満たない。ただし、今後の動画配信サービスの利用意向については、「3カ月以内~1年以内に利用したい」は2.0%と低いが、「時期はわからないが利用したい」は58.6%で、動画配信サービスへの関心は高いことを示す結果となっている。


関連情報

URL
  「インターネット白書2006」概要(インプレスR&D)
  http://www.impressrd.jp/hakusho/internet2006
  「インターネット白書2006」販売ページ(impress Direct)
  http://direct.ips.co.jp/book/hakusho2006/

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( 三柳英樹 )
2006/06/20 18:40

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