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「Second Life」のクリエイターが集まり、スキルアップできる場所

クリエイター向けのSIMを運営するデジソニックに聞く

マナティーリゾートアイランド
 EC事業などを行なうデジソニックは、3Dバーチャルワールド「Second Life」にて、国内外のクリエイターが集まるSIM(島)「マナティーリゾートアイランド」を7月に開設した。同SIMには、クリエイターのための居住区や作品を展示するためのスペースを用意。9月14日よりクリエイターの募集も開始した。

 また、企業のプロモーション用施設には、WOWOWのアニメ「シグルイ」や、ロシアのパペットアニメ「チェブラーシカ」のコンテンツを設置している。マナティーリゾートアイランドの狙いや、Second Lifeにおけるクリエイターの現状ついて、デジソニックの明石康弘代表取締役社長と、IT事業部の小田倉誠マネージャーに話をうかがった。


クリエイター同士が切磋琢磨できる空間

デジソニックの明石社長
 マナティーリゾートアイランドでは、クリエイター向けの居住区としてプロのデザイナーや企業の利用を想定したコテージと、一般ユーザー向けのコテージを用意する。数は43軒で、家賃はキャンペーン中につき無料。デジソニックのサイトからメールで応募する。キャンペーン終了期間は未定だが、入居者が満了になり次第締め切られる。

 基本的には誰でも入居できるが、Second Lifeで3DCGが制作できるなど、ある程度のスキルは必要。「明確に何ができる人という基準は設けていないが、最低限、アバターやオブジェクトの制作・更新ができる人に限らせてもらっている」(明石社長)とのこと。入居の申し込みをしてから、デジソニックの審査(2~3週間)を受け、通過すれば住人になれるという流れだ。

 住人は、自らの作品を展示・販売したり、他のクリエイターと交流を図る。街の通りに面した場所にプロのクリエイター向けのコテージがあり、その奥にアマチュアクリエイター向けのコテージがある。例えば、オブジェクトの制作で何かわかならいことがあれば、詳しいユーザーに聞きに行けるなど、クリエイター同士が切磋琢磨してスキルアップできるうような空間を目指したという。

 クリエイターが主体になって、SIM内に新しい建物を作ることもできる。例えば、バーなどの施設を作り、ユーザーがボランティアとして運営することが可能だ。「企業SIMでは、豪華な施設が用意されていても誰もいない。マナティーリゾートアイランドでは、施設を運営するユーザーが迎えてくれ、そこでクリエイター同士のコミュニケーションが生まれる。コミュニケーションの中から新しい企画が挙がって、クリエイター主体で進めてもらうこともできる」(小田倉マネージャー)。


リゾートアイランドを意識した街並み オレンジとグリーンの屋根の家にクリエイターが住む

企業、クリエイター、ユーザーのサイクル

IT事業部の小田倉マネージャー
 マナティーリゾートアイランドでは、コンテンツホルダーやプロのクリエイターの誘致を進めている。「企業に関しては、対面的に話を進めて、既に何社かの参加も予定している。個人のクリエイターに関しては、Second Life上で探していこうと思っている。具体的には、クリエイターが集まっているコミュニティなどに弊社スタッフのアバターが入り、マナティーリゾートアイランドに来てもらえるよう話している」(明石社長)。

 クリエイターが作品を展示しても、見る客がいなければつまらない。そのための施策が、企業のプロモーション用施設だ。WOWOWの時代劇アニメ「シグルイ」のブースでは、作品の設定資料集展示を行なったり、劇中の道場を再現した建物やアバターが着用するオリジナルTシャツと日本刀を配布。「チェブラーシカ」のブースではモバイルサイトと連動したイベントのほか、ゲームやギャラリーを設置。Tシャツ、バッグといったアイテムも配布している。

 プロモーション用施設は3カ所あり、動画配信が可能。展示作品の予告編などが視聴できる。「映像配信に関しては試験的に行なっているところ。将来的にはマナティーリゾートアイランドでしか見られない作品を提供したい」(小田倉マネージャー)という。このほか、オブジェクトの制作・展示、パーティーなどに使える多目的ホールも用意。さらに、アーティストのライブ施設なども設置したい考えで、エンターテイメントコンテンツを拡充し、集客を図る。

 マナティーリゾートアイランドは、クリエイターが企業に自分を売り込む場所としても利用できる。「例えば、自分の作ったアバター用Tシャツが企業に採用されたら、プロのクリエイターとしてデビューすることもあり得る」(小田倉マネージャー)。また、Second Lifeでのプロモーションを考える企業には、マナティーリゾートアイランドのクリエイターを紹介し、同SIMに出店してもらう。小田倉マネージャーは、「企業とクリエイターの橋渡しをしていきたい」と話す。


シグルイのブース チェブラーシカのブース

クリエイターに強いSIMを目指す

 明石社長は、マナティーリゾートアイランドで、「Second Lifeにおける衣・食・住を提供したい」と話す。衣はアバターのアイテムを指し、それをユーザーに提供すること。食はリンデンンドルを指し、キャンプで稼ぐ場所を用意する。住は、クリエイターが集まって住める場所を用意する。

 このほか、デジソニックが運営するCD・DVDのECサイト「ソニックマート」と連動したサービスも検討。Second LifeからECサイトへの誘導を図る。同社では、初年度に30~40の企業の誘致を目指すほか、、43軒のクリエイター居住区は年内でいっぱいにしたい考え。さらに、SIMを増やした上で、付加価値のある有償サービスも検討する。

 デジソニックがクリエイター向けのSIMを構築した理由の1つとして、Second Lifeにおけるクリエイター同士の活発なコミュニケーションがあるようだ。「Second Lifeでは、クリエイターのスキルの限界を補い合えるような人のつながりが出来ている。何かわからないことがあれば、隣に住んでいる人に聞いて、聞かれた人も逆にわからないことを聞ける環境があることがすばらしい」(小田倉マネージャー)。

 また、小田倉マネージャーは、「現在は、Second Life内で実力のあるクリエイターがバラバラに過ごしている状態。マナティーリゾートアイランドがクリエイターに強いSIMだと広まれば、有能なクリエイターが集まってくる可能性もあるし、さらに、そういう人たちに学びたいというクリエイターも集まってきて、企業からの公式の依頼を皆で作れる場になる。そこがこのSIMの強みでもある」と説明した。

 明石社長は、クリエイターにおけるSecond Lifeの魅力について、「今まで見せられなかったものが見せられる場所」だと話す。「例えば、それほど有名でない家具のデザイナーが自分の作品をネットで紹介するとき、今までは画像を載せるくらいだったが、Second Lifeでは立体で空気感も含めて表現できる」。マナティーリゾートアイランドから人気のクリエイターも生み出したい考えで、今後はコンテストなどを実施していきたいと語った。


SIMの環境デザインは名古屋市立大学大学院芸術工学研究科の三上訓顯教授 ビーチの向こうに落ちる夕日。この景観も特徴 ウィンドサーフィンやパラシュートなどの遊べるオブジェクトも設置

シグルイのブース内 チェブラーシカのブース内 ブースで無料配布しているTシャツとバッグ

関連情報

URL
  マナティーリゾートアイランド
  http://www.digisonic.co.jp/secondlife/
  テレポート用URL
  http://slurl.com/secondlife/sonicmart/100/133/25

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「Second Lifeの魅力は『たまごっち』のようなもの」シャ乱Qはたけ氏(2007/09/06)


( 野津 誠 )
2007/09/14 15:02

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