インターネットの利用実態について統計データをとりまとめた「インターネット白書2008」(監修:財団法人インターネット協会、発行:インプレスR&D、定価:7,140円)が6月19日に発売された。INTERNET Watchでは、その内容の一部を4回にわたって紹介する。今回は、セキュリティやフィルタリング、「青少年ネット規制法案」についてとりあげる。
調査では、自宅でネットを利用する13歳以上を対象に、NTTレゾナントが運営する「gooリサーチ」のモニターから条件抽出を行ない、4月23日から28日の期間でオンラインアンケートを実施した。有効回答数5078サンプルから、2007年3月のRDD調査で把握している性別や年齢階層別、自宅PCからの1週間あたりのインターネット利用時間別の構成比に可能な限り整合するように2000サンプルを抽出して分析した。
● フィルタリング利用は7.6%
有害情報への接触状況については、「目にしたことはない」の29.5%を除けば、約7割が有害情報への接触経験を持っている。具体的には、「わいせつ物」52.1%が最も多く、2007年の48.4%からやや増加している。次に、「ウイルス」37.9%、「誹謗・中傷」30.8%などが多かった。
セキュリティ対策については、「ウイルス対策ソフトを利用している」64.9%、「心当たりのない相手からのメールには反応しない」59.0%、「迷惑メールは振り分け設定などをして開かない」46.5%などが上位だった。「特になし」は10.3%であり、約9割のユーザーは何かしらの対策を講じていることがわかる。
フィルタリングサービスについては、全体だと「利用している」は7.6%にとどまった。子供の有無別に見ると、「同居している小中学生の子供がいる」人で、11.5%と最も多かった。利用状況を性年代別に見ると、「男性10代」11.9%、「女性40代」11.9%、「男性40代」11.5%が上位であり、子供とその親の層に比較的多く利用されていることがわかる。
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有害情報へ接触情報
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フィルタリングサービスの利用率
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● 「青少年ネット規制法案」の認知度は7割
ネット上の有害情報から青少年を守ることを目的とした、いわゆる「青少年ネット規制法安」については、「名前は聞いたことがある」42.5%、「どういうものかだいだい知っている」22.4%、「内容までよく知っている/説明できる」4.4%を含めると認知度は約7割。「まったく知らない」は30.9%だった。
青少年ネット規制法案を「まったく知らない」とする回答を除いた認知度を性年代別に見ると、女性よりも男性で高く、また、上の年代になるほど、認知度も高くなる傾向が見られた。「男性60代以上」の82.8%がトップだった。一方、「内容までよく知っている/説明できる」で最も多かった層は、当事者である「男性10代」11.4%だった。
このほか、子供の有無別で見ると、「同居している子供がいる」は71.8%、「同居している子供はいない」は66.5%となり、やはり子供がいる層の方が認知度は高かった。なお、今回の調査データは青少年ネット規制法が可決・成立する前のものであること留意されたい。
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青少年ネット規制法案の認知度
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青少年ネット規制法案の認知度(子供有無別)
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.impressrd.jp/news/080611/hakusyo_08
インターネット白書2008
http://direct.ips.co.jp/book/Template/Goods/go_BookstempGR.cfm?GM_ID=2582&SPM_ID=1&CM_ID=004000K90&PM_No=1251&PM_Class=N&HN_NO=00400
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( 野津 誠 )
2008/06/27 11:18
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