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ここが違う、2009年版セキュリティソフト[シマンテック編]

PCに負荷を与えない「ゼロインパクト」で“軽さ”を実感

 PCへの負荷を与えない「ゼロインパクト」を目指して設計したというセキュリティ対策ソフト「ノートン・インターネットセキュリティ 2009」(以下ノートン2009)。ノートン2005で大きく機能強化した際にマシンへの負荷も大きくなったことから、その後負荷軽減が図られたものの、依然として「ノートン=重い」というイメージを持っているユーザーもいるようだ。大幅なパフォーマンス向上を目指したというノートン2009はどう変わったのか。同社コンシューマ事業部門リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャを務める風間彩氏に、ノートン2009の強化点を伺った。


ファイルの格付けで定期的なスキャン速度が大幅削減

シマンテックでコンシューマ事業部門リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャを務める風間彩氏
――ノートン2009では大幅なパフォーマンスの改善が図られているそうですが、“軽さ”を強化するために着手したポイントは。

風間氏:まず、ウイルススキャンエンジンからユーザーインターフェイスまでの300カ所以上を見直しました。パフォーマンスの改善に携わったスタッフだけでも約800人に上るなど、かなり力を入れています。

 また、ノートン2009からは独自のインストーラーを採用したことで、1分以内のインストールが可能となっています。メモリ使用量も7MB未満と、前バージョンから8分の1に削減するなどのパフォーマンス改善を図りました。

――機能面では、スキャンの対象をリスクのあるプログラムのみに絞り込むことで、スキャン速度を向上させる「ノートン インサイト」を新たに搭載しましたが、リスクの有無はどのように判定しているのでしょうか。

風間氏:世界で約2000万人のノートン製品ユーザーからのフィードバックをもとにして、信頼のあるファイルとそうではないファイルを分類しています。例えば、1000万人以上が使っているマイクロソフトのWordは「信頼済み」と判定し、スキャンを省略します。

 それに加えて、SONARテクノロジーのふるまい分析でファイルの信頼レベルを格付けするほか、弊社が保有するホワイトリストに登録されているファイルなども参照し、スキャンすべきファイルとそうではないファイルを分類しているのです。


「ノートン インサイト」の概要 「ノートン インサイト」では、世界約2000万人のユーザーからのフィードバックのほか、SONARやホワイトリストの情報も参照している

CPU使用率を出すのは自信の表れ

PC全体のCPU使用率に加えて、ノートン2009のCPU使用率も表示する
――「ノートン インサイト」によってどのくらいスキャン速度が短縮されるのでしょうか。

風間氏:初回スキャン時にはすべてのファイルをスキャンしますが、2回目以降のスキャンでは平均65%以上のファイルが「信頼済み」と判定され、これらがスキャン対象外となります。従来は、危険ではない65%のファイルも毎回スキャンしていましたが、余計なスキャンを省略することで定期的なスキャンの速度が大幅に削減されることになります。なお、「信頼済み」と判定されたファイルも、タイムスタンプが更新された場合などに、再度スキャン対象となります。

 スキャン時間やメモリ使用量など数字に表れない部分でも、PCがアイドル状態時にスキャンや定義ファイルの更新を行う「スマートスケジューラ」を提供しているため、ユーザーは“軽さ”を実感できると思います。

 また、PCが全画面モードに切り替わった場合に、重要度の低いセキュリティ警告画面や更新を保留する「サイレントモード」を新たに搭載しました。「サイレントモード」は、主にオンラインゲームや動画再生時、プレゼンテーションなどの作業を中断したり、スピードを落とさないようにすることが狙いです。

 実際に「PCへの負担が少ない」ことを示すために、ノートン2009のメイン操作画面では、PC全体のCPU使用率に加えて、ノートン2009のCPU使用率を表示しています。これは、“軽さ”への自信の表れとも言えるでしょう。


ウイルス定義ファイルの更新頻度を5~15分で1回に

新しい脅威の件数の推移。2007年下半期を2006年上半期と比べると、10倍に増えている
――ノートン2009では“軽さ”に加えて、“強さ”の強化もセールスポイントに掲げています。特に、ウイルス定義ファイルの配信頻度については、従来の1日に3回から、5~15分に1回配信する「パルスアップデート」を新機能として実装しました。この狙いはどこにあるのでしょうか。

風間氏:昨今ではマルウェアの発生件数が急増しているだけでなく、ユーザーの金銭を詐取しようとする悪質なマルウェアが急増しています。これに伴いウイルス定義ファイルの量も増えているのですが、5~15分に1回配信することで、ユーザーはより最新の脅威に対抗できるようになります。

――5~15分ごとにウイルス定義ファイルが更新されるのは安心につながりますが、その反面、PCへの負担が大きくなることはないでしょうか。

風間氏:ノートン2009では、セキュリティで優先事項の高いウイルス定義ファイルを適時配信するため、1回の配信時にかかる負担は少なくなっています。これだけの量の定義ファイルを従来のように1日に3回配信するのでは、1回あたりの負担は大きいですが、こまめにウイルス定義ファイルを配信することで、その負担を減らしているのです。


セキュリティが担保されない個人情報保護機能は意味がない

――個人情報保護機能では、競合となるトレンドマイクロが、キー入力を暗号化することでキーロガーによるパスワード盗難を防ぐ機能を新製品に搭載しました。ノートン2009でもサイトに入力する個人情報を管理する「ノートン ID セーフ」を提供していますが、差別化のポイントはどこにあるのでしょうか。

風間氏:Webページに入力するパスワードを暗号化して盗難を防ぐ機能については、2006年に発表した「Norton Confidential(ノートン・コンフィデンシャル)」で対応しています。「ノートン・コンフィデンシャル」では、発見済みもしくは疑わしいフィッシング詐欺サイトをブロックするとともに、ふるまい検知機能によってキーロガーによる個人情報の盗難を防いでいます。これらの機能は、ノートン・インターネットセキュリティ 2009でも利用可能です。

 「ノートン ID セーフ」では、ログイン情報や個人情報を暗号化して管理し、外部への不正送信を監視するとともに、安全であると判定したサイトへの自動ログインや自動フォーム入力が可能となっています。ノートン2009からは、新たにFirefoxおよびInternet Explorerでログインを共有できるようになったほか、Internet Explorerからのログイン情報インポートに対応しました。

――ログイン情報を管理するツールとしてはフリーソフトも公開されていますが、これらとの違いはどこにあるのでしょうか。

風間氏:多くのフリーソフトはあくまでログイン情報の管理に特化しているので、ブラウザを狙った攻撃やフィッシング詐欺サイトなどのセキュリティは担保されません。いくらログイン情報が管理されていても、入力先がフィッシング詐欺サイトであれば意味がないですよね。これに対して「ノートン ID セーフ」では、セキュリティを担保しながら総合的にログイン情報を管理しています。


しょこたんは心強いイメージキャラクター

――最近ではUMPC(ウルトラモバイルPC)市場が盛況ですが、UMPC市場についてはどのようにお考えでしょうか。

風間氏:他社では、光学ドライブを搭載しないUMPC向けに、USBメモリにソフトを入れて販売しています。しかし、最近ではUSBメモリ経由で感染するウイルスが多いことからも、USBメモリでソフトを販売する予定はありません。UMPC市場向けの戦略の検討もしていますが、現時点では具体的に申し上げられることはありません。

――ノートン2009のイメージキャラクターとして中川翔子さんを起用しましたが、反応はいかがですか。

風間氏:もともとは、弊社の社員が中川さんのブログを見ていて、ノートンを使っていただいているのを発見したことでオファーを出したのが始まりでした。中川さん自身がノートンのユーザーだったことから、プロモーションでも、特に弊社から文言を用意するのではなく、ユーザー代表として自分の言葉で語っていただいています。大変心強いイメージキャラクターです。

――ネット上ではこれまで、一部のユーザーから「ノートン=重い」という声も挙がっていました。

風間氏:ノートン2009発売前にベータ版を公開していたのですが、ノートン2008のベータ版と比べて6倍ほどダウンロードされています。セキュリティ対策ソフトのベータ版利用者は一般的にPC上級者が多いと思いますが、そうした方々の口コミをネットで拝見しましたが、かなり手応えを感じました。

 それはともかくとして、無料体験版でもよいのでまずはノートン2009を使っていただければ、「ゼロインパクト」を体感していただけると思います。

――ありがとうございました。


関連情報

URL
  製品概要
  http://www.symantec.com/ja/jp/norton/

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( 増田 覚 )
2008/12/02 11:40

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