ニフティは、ポータルサイト「@nifty」にて、期間限定のキャンペーンサイト「どうも、マイニチワ!(以下、マイニチワ)」を開設している。2008年12月22日から2009年3月21日までの期間中、オリジナルキャラクター「マイニチワワ」が、さまざまなことに挑戦する動画を毎日1本ずつ公開中だ。
今回のキャンペーンは、2007年にニフティが実施した「@nifty」のブランディングキャンペーン「Y or N」に続くものとなる。マイニチワの企画意図について、ニフティの赤澤範英氏(経営補佐室 広報・宣伝チーム 担当部長)、瀬津勇人氏(経営補佐室 クリエイティブディレクター)に話を伺った。
● ニフティの毎日チャレンジする姿勢をマイニチワワが体現
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どうも、マイニチワ!
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マイニチワでは、タレントの田代さやかさんがチワワの着ぐるみで登場し、ニフティで営業や受付をしたり、路上で弾き語りをするなど、さまざまなことに挑戦する2分弱の動画コンテンツ「きょうのマイニチワワ」を毎日更新している。
また、サイトの背景や思いを動画で説明するコーナー「マイニチワのこころ」、ニフティのブログサービス「ココログ」を利用した「マイニチワワの日記」、ニフティの動画共有サービス「@niftyビデオ共有」を利用した「きょうのマイニチワワ」のアーカイブ、ブログパーツやスクリーンセーバーなどを用意する。携帯電話向けのサイトも併設している。
――マイニチワの企画意図をお聞かせください。
赤澤氏:2007年に「Y or N」を実施し、次の宣伝企画を2008年2月ごろから考えました。当初は、ニフティのサービスをまとめて紹介するサイトなどを考えて社内で説明して、この企画で共感を得られるか、インパクトがあるかなどいろいろ検討しましたが、結局、企画は3回くらいボツにしました。
マイニチワに決まるまで、「ニフティの歴史とは?」「ニフティのDNAとは?」など、多くのことを議論しました。そんなとき社長に、「それを対外的に伝えるのは難しいだろう」と言われ、難しいことでも一目でわかるような企画にしようと思い、試行錯誤して今回に至りました。ポータルサイトとして、毎日頑張ることがテーマになっています。
瀬津氏:ニフティは、23年の歴史の中で、コンテンツを自分たちで作っていくことにも積極的でした。メディアとして自分たちが発信していくことを「損してもやる」意識はあったので、その部分をもう一度思い起こすため、@niftyのトップページなども、自分たちで掲載内容を編集することを2008年に始めました。
例えば、ニュースサイトの情報や、CGM系のサービスでユーザーが作成したコンテンツをそのまま出すだけではなく、季節や時間帯に応じたコンテンツを編集して出すようにしています。それを2008年の夏ごろに始めて、軌道に乗り始めたのが同年秋口あたり。その施策が安定してきたときに、今回の企画が立ち上がりました。
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マイニチワワ
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――キャラクターのデザインが特徴的ですね。
瀬津氏:今のイラストのチワワになるまで、4~5回は変更しています。図鑑にあるようなチワワにすると豆柴のように見えてしまうので、頭や目を大きめにして、デフォルメしました。
――着ぐるみも若干リアルにしているようですが。
瀬津氏:動画もイラストのチワワを使ったアニメーションを考えていましたが、着ぐるみのほうが面白いとのアイデアが出ました。中に入る人も最初はお笑い芸人を考えていたのですが、アイドルが面白いということになり、6人くらい候補を挙げた中で、田代さんの演技力やアドリブの評価が高く、お願いすることになりました。
――チャレンジする内容はどのように決めているのですか。
瀬津氏:基本的には、何かにチャレンジするところを見てもらいたいと思っています。ニフティの毎日チャレンジする姿勢を、マイニチワワが代わりに体現するイメージです。
――ニフティのWebサービスとの連携もしていますね。
瀬津氏:「ココログ」や「@niftyビデオ共有」以外に、最初はもっといろいろなサービスをつなげることもプランとしてはあったのですが、無理に連携しても無理矢理な感じになり、あまりスマートじゃないので、あくまでコンテンツの面白さを優先に考えました。
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マイニチワワを囲んで、(左から)ニフティ経営補佐室 広報・宣伝チーム 担当部長の赤澤範英氏、同広報・宣伝チームの遠藤砂智子氏、クリエイティブディレクターの瀬津勇人氏、サービスビジネス事業部システム開発部の金井崇晃氏
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――「Y or N」のように街頭広告も出しているのですか。
赤澤氏:マイニチワでは、ニフティを知らない人にアピールしたいと考えています。品川駅や新宿駅に看板広告を掲出するほか、Web上でも、ブロガー向けの口コミ施策などを実施しました。
――アクセス数はどうですか。
赤澤氏:最初はかなりのアクセス数でした。その後も、ブログなどで紹介され、徐々に伸びてきています。
――ユーザーにメッセージをお願いします。
瀬津氏:ニフティ自体が最近あまり知られていない、忘れ去られていると感じています。知らない人だけでなく、昔は使っていたけど……という声も多いです。そのような人たちには、「ニフティ頑張っているんだ」と知ってもらい、戻ってきてもらえればうれしいです。基本的に、インターネットは日々の生活を楽しく豊かにするものだとニフティは考えています。その部分をマイニチワで上手く伝えていけたらと思います。
● チャレンジは過酷でも、見てる人には楽しんでほしい
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マイ二チワワ役の田代さやかさん
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マイニチワの収録中だったマイニチワワ(田代さやかさん)に撮影の苦労などを伺った。
――最初に今回の企画を聞いたときの感想は?
マイニチワワ:「凄いことをするんだな」という感想で、話を聞いただけでも「大変そう」という印象が強かったです。
――チャレンジ内容は事前に聞いているのですか。
マイニチワワ:簡単な内容は聞いていますが、実際は現場で打ち合わせて撮影を進めています。スタッフが事前に試すことはあまりしないので、ほぼぶっつけ本番です。
――印象に残ったチャレンジは何ですか。
マイニチワワ:まず、雪山でゲレンデの上級者コース、傾斜34度で高さはビルの6階くらいのところを転げ落ちてくるやつですね。あと、スノーモービルに紐で繋がれて、引っ張られるやつとか……。
他にも、(遊園地にあるアトラクションの)コーヒーカップを回せるだけ回したり、タマネギを生で丸ごと食べたり、シュートボクシングのチャンピオンにスパーリングを受けたりなど過酷な内容が多くて、ロケは大変だった思い出が多いです(笑)。
――その中でも特に大変だったチャレンジは?
マイニチワワ:バンジージャンプですね。最初にマイニチワの企画を聞いたときも、バンジージャンプのことしか頭にありませんでした。バンジージャンプだけはしない!と思って、スタッフ全員が飛んだら私もすると言ったら、本当に全員が飛んでしまい……。当日は昼に撮り始めたのですが、なかなか決心が付かず、終わるころには暗くなっていました。
――ユーザーに注目してほしいチャレンジは?
マイニチワワ:私の周りの反応では、一番最初に動画が公開された「ゴムぱっちん」(口に長いゴム紐を咥えて、引っ張ってもらい、伸びたところで手を離す)がリアルで面白かったそうです。シュートボクシングも好評でした。動画アーカイブの再生回数を見ても、体を張った内容がウケるようです。
――マイニチワワは大変なことをしていてもコミカルに見えますね。
マイニチワワ:リアルに大変そうだと見た人も嫌な思いをするかもしれないので、見ている人には楽しんでほしいです。
――個人的に挑戦したい内容はありますか。
マイニチワワ:マッサージとか、癒される系ですね(笑)。
――最後にメッセージをお願いします。
マイニチワワ:スタントでもいいんじゃないかと思うようなところも自分でチャレンジするところがマイニチワワのすごいところです。良い体験をさせていただいています。
――ありがとうございました。
ニフティで受付にチャレンジする「受付篇」の収録風景。田代さやかさん本人は身長154cmと小柄。収録は、90日分の動画の撮影を3回に分けて行う。1回の撮影に3~4日使い、約30本ずつ撮るという。受付篇は2分程度の動画だが、何パターンか撮影するため、実際は約30分の収録だった。
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関連情報
■URL
どうも、マイニチワ!
http://www.nifty.com/mainichiwa/
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( 野津 誠 )
2009/03/04 18:27
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