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「ノートン 360 バージョン 3.0」のパッケージ
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シマンテックは6日、個人向け総合セキュリティソフト「ノートン 360 バージョン 3.0」を発表した。
ノートン 360は、ウイルスやスパイウェアからPCを保護する「PCセキュリティ」、個人情報を保護する「IDプロテクション」、ファイルをオンラインストレージなどに自動保存する「バックアップ」、PCを最適化する「PCチューンナップ」の4機能で構成されるセキュリティソフト。
最新版となるバージョン 3.0では、2008年9月発売の「ノートン・インターネットセキュリティ 2009」に実装しているパフォーマンスとセキュリティ改善のための全機能を搭載。さらに、他のノートン製品にはない独自機能として、Webサイトの安全度を判定するサービス「ノートン セーフウェブ」を新たに搭載している。
米Symantecコンシューマ事業部門グループプロダクトマネージャを務めるジェフ・カイル氏に、「ノートン 360 バージョン3.0」のセールスポイントを聞いた。
● 2000万ユーザーから怪しいサイトのURLを収集
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米Symantecコンシューマ事業部門グループプロダクトマネージャを務めるジェフ・カイル氏
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――まずは、目玉機能の一つである「ノートン セーフウェブ」についてお聞きします。同様のサービスは、すでにマカフィーやトレンドマイクロなどが先行していますが、これらのサービスとの違いはどこにあるのでしょうか。
カイル氏:ご存じのように、他社でもサイトをクローリングしてWebサイトの安全度を評価するサービスを提供しています。他社と同様、「ノートン セーフウェブ」でも検索結果にサイトの評価を示し、ユーザーがサイト閲覧前に危険性を見分けられるようにする“予防策”を提供しています。
シマンテック独自の取り組みとしてはまず、2000万人以上のノートン製品利用者で構成される「Norton Community Watch」のデータを活用している点が挙げられます。「Norton Community Watch」は、ユーザーのPCに関するセキュリティ情報を自動的にシマンテックに転送する仕組みで、製品のインストール時に参加するかどうかを選べるものです。
「Norton Community Watch」から自動送信されるのは主に危険性のあるサイトのURLで、「ノートン セーフウェブ」はこの情報をもとにどのようなサイトが危険であるかというフラグを立てています。
さらに、米buySAFE社や米MarkMonitor社といった第三者評価機関から、安全で人気のあるサイトのリストを送ってもらい、クローリングするサイトの優先度を決めているのです。主にbuySAFEではEコマースサイトの安全度、MarkMonitorでは偽造品や海賊版の販売の有無といった情報を扱っています。
クローリングの優先度は、世界全体だけでなく特定の地域や市場も考慮しているため、世界規模でみればそれほど人気のない日本語サイトについても、危険なものについてはプライオリティが上がる仕組みになっています。
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「Google」「Yahoo!」「Live Search」の検索結果で表示されたサイトの安全度を判定することで、ユーザーが危険なサイトを見分けられるようにする「ノートン セーフウェブ」
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「ノートン セーフウェブ」では、サイトの安全性に関する詳細レポートも確認できる
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● 検索エンジン経由で不正サイトに誘導される事例が増加
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「ノートン セーフウェブ」のサイト評価手法の概要(3月6日の製品発表会の資料より)
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――どのくらいの頻度でサイトをクローリングするのでしょうか。
カイル氏:「ノートン セーフウェブ」では、独自の「エイジングアルゴリズム」により、いったん評価を下したサイトでも、コンテンツが更新されたかどうかを何度もチェックしています。これにより、「危険」と判断されたサイトでも対策が施されれば「安全」となり、一方で「安全」なサイトでもセキュリティの脅威が発生すれば「危険」と評価が変わる仕組みです。
「エイジングアルゴリズム」は、人気のあるサイトのリスト、サイトの評価と評価履歴、脅威の密度などの情報をもとに、サイトのクローリング頻度を決めています。例えば、かつて「危険」だったサイトが改善されて「安全」となり、その後は人気が横ばいという状況があるとします。その場合、我々は「問題ない」と判断して、クローリングの頻度を減らすのです。一方、かつて「安全」だった特定のドメインにマルウェアがあるとなれば、これらのサイトをクローリングする頻度を上げるとともに、評価を「危険」に変えるのです。
――「ノートン セーフウェブ」を利用することで、検索結果ページの表示が遅くなることはないのでしょうか。
カイル氏:複数の層でプロテクションをかけるということは、どうしても少しは影響が出るのは事実ですが、パフォーマンスへの影響を最小限にとどめています。正直なところ、私が使った限りでは影響に気付かない程度です。
――Web経由の脅威が急増しているという話はよく耳にしますが、検索エンジン経由で悪意のあるサイトに誘導される事例はどのくらい増えているのでしょうか。
カイル氏:シマンテックが2007年までの20年間に作成した定義ファイルは120万件でしたが、2008年だけで180万件にも上ります。定義ファイルが急増した要因としては、Webベースの脅威が挙げられますが、こうした状況にあって検索エンジン経由の脅威も確実に増え始めています。
もちろん、検索エンジン側でも危険なサイトへの評価を行っていますが、シマンテックとしては検索エンジン側の対策をコントロールすることはできません。そのため、シマンテックとしては、自分たちで精度の高い評価を行い、ユーザーに伝えていくことが重要だと考えています。
● バックアップ機能の柔軟性を強化
――「ノートン 360 バージョン 3.0」では、バックアップ機能が柔軟になったと説明していますが、具体的には何が可能になったのでしょうか。
カイル氏:これは私のお気に入りでもあるのですが、複数のバックアップ設定が可能になりました。私の例で言えば、どこからでもアクセスしたい写真ファイルはオンラインストレージ、容量が大きな動画ファイルは外付けHDDに保存するといったように、使い分けています。バージョン 2.0ではバックアップ先を1つしか選択できませんでした。
バックアップ機能を向上させるものとしては、Windowsのエクスプローラに追加された「ノートン・バックアップドライブ」があります。このドライブをバックアップ先に選んだファイルは「待ち状態」になり、PCがアイドル状態になると自動的にバックアップされる仕組みです。
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バックアップ先の設定画面。重要なファイルは外付けHDD、画像ファイルはオンラインストレージなど、ファイルに応じて異なる保存場所を選べるようになった
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バックアップしたいファイルを登録しておき、PCがアイドル状態に移行した際にバックアップを行う「バックアップドライブ」も新たに搭載した
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Windowsを起動した際に自動的に起動するプログラムを管理することで、PC起動時間の短縮を図る「起動マネージャ」
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――パフォーマンスを改善する機能としては、Windowsを起動した際に自動的に起動するプログラムを管理することで、PC起動時間の短縮を図る「起動マネージャ」を新たに搭載しました。
カイル氏:「起動マネージャ」と同じことができるツールはこれまでもありましたが、それらと比べて大きな改善があると自負しています。
まずは、(常駐プログラムが)起動時間に与える影響を表示する点です。それに加えて、(常駐プログラムの)オン・オフだけでなく、起動を延期する機能も実装しています。
使い方としては、「QuickTime」や「Adobe Reader」、インスタントメッセンジャーなど起動時間を遅くする要素となりうるプログラムについては、PCが起動してから10分後に起動させるといった設定が可能です。
● 上級者でも“全部お任せ”で使える点は快適
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「上級者でも“全部お任せ”は快適」と語るカイル氏
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「信頼済み」ファイルのスキャンを省略することで、スキャン時間の短縮を図る「ノートン インサイト」これは、「ノートン・インターネットセキュリティ 2009」の新機能でもある
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――「ノートン 360 バージョン 3.0」では、セキュリティ機能とパフォーマンスを改善する「ノートン・インターネットセキュリティ 2009」の全機能が搭載されています。今後両製品では、これらの機能を統一していくのでしょうか。
カイル氏:今の段階ではっきりと「統一します」とは断言できませんが、最新かつ最高の保護を提供するという考え方は、「ノートン・インターネットセキュリティ」でも「ノートン 360」でも同じです。個別の機能が利用可能になるタイミングにズレがあり、ケースバイケースで決断することになるかもしれませんが、基本的には両製品に対して同じ機能を提供しようと考えています。
――現時点で「ノートン セーフウェブ」は「ノートン 360」のみに提供されていますが、今後は「ノートン・インターネットセキュリティ 2009」でも利用できるようになるということでしょうか。
カイル氏:「ノートン インターネットセキュリティ 2009」への搭載も検討していますが、この場で時期についてはお伝えできません。
――「ノートン・インターネットセキュリティ」か「ノートン 360」のどちらを選べばよいか迷うユーザーもいるのではないでしょうか。
カイル氏:1つの製品で、セキュリティ、個人情報保護、バックアップ、チューンナップのすべてを任せたいというユーザーには「ノートン 360」が最適です。一方、セキュリティ機能は欲しいけれど、デフォルトの設定をいろいろ変更したり、ファイアウォールを細かく設定したいという、いわゆる上級者には「ノートン・インターネットセキュリティ」が向いていると言えるでしょう。
実は私も以前は「ノートン・インターネットセキュリティ」のユーザーで、1年前までは「ノートン・インターネットセキュリティ」と(バックアップソフトの)「ノートン・ゴースト」を併用していました。「ノートン 360 バージョン 3.0」が出るということで乗り換えたわけですが、実際に使ってみると“全部お任せ”というのはとても快適です。
「やるべきことはわかっている」という上級者でも、忘れてしまったり時間がないというケースは往々にしてあります。「ノートン 360」では、PCがアイドル状態に移行するとタスクを実行するスケジューラー機能があるため、忘れていても自動的にタスクを実行してくれるだけでなく、しかも作業の邪魔をしないというのが最高ですね。
――ありがとうございました。
関連情報
■URL
製品概要
http://www.symantec.com/ja/jp/norton/360
■関連記事
・ 「ノートン 360 バージョン 3.0」発売、サイトの安全性も判定(2009/03/06)
・ 画像で見る「ノートン 360 バージョン 3.0」(2009/03/09)
・ 「何もしなくても保護される」が売り~ノートン 360開発者インタビュー(2008/03/07)
( 増田 覚 )
2009/03/12 12:39
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