いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説

クレジットカード番号を教えなくても支払える「PayPal」

サービス名PayPal(ペイパル)
設立日1998年12月
運営会社名PayPal Holdings Inc.(日本の拠点はシンガポールのPayPal Pte. Ltd.)
URLhttps://www.paypal.jp/
登録必要
PayPal

PayPalとは

 以前本コーナーで「Netflix」をご紹介した際(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/trendsv/20150909_720160.html)、支払い方法の1つとして登場していたPayPal。海外の通販サイトなどでもよく見かけるため、どんな決済方法か気になっている方もいらっしゃるでしょう。

 PayPalは、世界最大級のオンライン決済サービスです。アクティブアカウント数は1億以上、利用できるオンラインショップは900万店以上、203の国と地域で利用でき、26通貨に対応しています。このうち、日本からは22通貨が利用できます。1998年12月にスタートし急成長。2002年にインターネットオークションで世界的に有名なeBayが買収して傘下に入りましたが、2015年7月21日に再び分社化し、NASDAQに再上場しています。

20歳以上でクレジットカードがあれば、開設費、年会費、利用手数料は一切無料で利用できます

 PayPalには、個人がショッピングの支払いに利用する「パーソナルアカウント」と、「パーソナルアカウント」のアップグレードで、eBayなどに出品する予定があり、支払いを受け取る可能性がある人向けの「プレミアアカウント」、ECサイトでの販売に使えるビジネス用の「ビジネスアカウント」の3種類のアカウントが用意されています。

 中でも身近なのが「パーソナルアカウント」でしょう。日本では20歳以上が、開設費、年会費、利用手数料は一切無料でアカウント(口座)を開設できます。

カード番号は不要。メールアドレスで支払い

 「プレミアアカウント」の利用には本人確認用書類の提出が必要なのに対して、「パーソナルアカウント」はクレジットカード情報と住所、メールアドレス、パスワードを登録するだけで、すぐにオンライン決済が可能になります。

 しかも、決済時に必要なのは、メールアドレスとパスワードだけ。たとえば、ネットショップの支払いでPayPalを選択すると、メールアドレスとパスワードでログインしたら、送付先の住所を確認するだけです。また、相手のPayPal口座に紐付いたメールアドレスを支払い先として指定することで、相手の振り込み先の口座番号を知らなくても支払うことができます。

 つまり、クレジットカード番号やセキュリティコードといった情報の入力が省けるだけでなく、販売店にクレジットカード番号を伝える必要がないため、漏えいや不正利用といった不安を抱えずに、安心して買い物ができるというわけです。加えて、支払い済みの商品が届かなかった場合の被害金額を全額補償する「バイヤープロテクション(買い手保護プログラム)」も用意されています。この利便性と安心感がPayPalの最大の特徴となっています。

某家電量販店の購入ページ。PayPalのボタンがある
PayPalからの支払いでは、メールアドレスとパスワードでログインするだけ
あらかじめ登録済みの住所が送付先となり、メインに設定しているカードが選択されているのがわかります
パソコン用のPayPalサイトの支払い画面。相手のメールアドレスを使って商品やサービスの支払いをすることもできます

 PayPalは、個人のPayPal口座(アカウント)間でも送金可能な点も大きな魅力ですが、残念ながら日本で開設したPayPalアカウントでは個人間送金サービスは利用できません。また、銀行からPayPal口座への振り込みもできないため、事実上、クレジットカードを安心して使うためのサービスといっていいでしょう。

 もちろんスマートフォンにも対応しています。 iOSおよびAndroid端末用にアプリ「PayPal」が用意されており、支払いや残高確認、取引内容の表示が可能です。

アプリの支払い画面
取引履歴

実店舗の支払いサービスも始まっている

 また、日本ではまだ普及していませんが、実店舗でPayPalを使った支払いが可能な「ペイパルチェックイン支払い」、通称「顔パス支払い」も始まっています。これは、アプリとレジ側が通信することで、事前にこちらの名前や顔写真を伝えられるため、本人だと確認できたら現金やクレジットカードを提示しなくても、PayPalで(キャッシュレスで)支払いができるというもの。買い物をしたい店舗に行った際、アプリでチェックイン操作をし、「PayPalで支払う」というだけでいいようです。顔を見て本人を確認するため、顔パスと呼ばれているのです。

 スマートフォンがクレジットカード代わりになるため、スキミングされるリスクもなくなりますし、クレジットカードを持ち歩く必要もなくなります。2014年7月からはAndroid Wearにも対応したそうです。手首につけたスマートウォッチだけで決済ということも身近になるかもしれません。

 実店舗での利用については、日本ではすでに「おサイフケータイ」が普及しています。こちらはレジに表示された金額を確認したら、小さなリーダーに端末をかざすだけ。現在の使用感でいえば、「おサイフケータイ」のほうが圧倒的に便利です。ただ、PayPalの支払いはオンラインもカバーし、ワールドワイドで利用されています。両方あれば一層便利に使えるはずです。

 なお、日本でPayPalが使えるサイトは、https://www.paypal.jp/jp/clip_cp/で確認できますので、気になる方はチェックしておきましょう。

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。