場所や時間に合ったグルメ情報紹介など、ライフログ関連展示


嗜好や行動履歴をもとに飲食店を提示

 「NTT R&Dフォーラム2010」では、ユーザーの行動履歴を蓄積して各種サービスへの活用を図るライフログ関連の展示が行なわれている。

 グルメレコメンドサービスの展示では、ユーザーの嗜好や行動履歴を活用して、場所や時間帯、平日・休日に合わせた飲食店情報をユーザーに提示する取り組みを紹介。この取り組みでは、カカクコムの「食べログ」から提供を受けた飲食店情報をベースに、口コミに含まれる「スイーツ」「老舗」「甘め」「逸品」といったフレーズを要素として取り込んでいる。

 ユーザーの嗜好に合わせた飲食店情報の提示にあたっては、過去に閲覧した飲食店情報もデータベース化。また、行動パターンの分析により、移動中の場合には目的地と到着時間を推測して、目的地周辺の飲食店情報を提示するモードも用意するという。このほか、位置情報機能を使って自分と同行する友人や同僚を判定して、共通する飲食店情報を提示することもできる。


左側は蓄積した情報をもとに、ユーザーの概念強度を示したもの友人と嗜好が共通する飲食店も提示可能という

 ライフログ関連ではまた、スケジュール情報やメールの送受信履歴などを活用して、過去の出来事を振り返ったり、自分と同僚・上司の間でのコミュニケーション頻度を表示できる「ライフログビューワ」も展示されている。スケジュール関連では、GPS情報を利用して、登録したスケジュールと実際の行動状況を確認できる。

 コミュニケーション頻度の表示では、スケジュールやメールの送受信履歴をもとに、どの時期に誰と頻繁にやり取りしていたかをカレンダー上に色分けして表示できる。こうした情報表示により、自分では意識していなかった過去の重要な出来事や相手を発見できるほか、職場内外のコミュニケーション活発化や作業効率の効率化を図れるとしている。

 このほか、位置情報取得機能や加速度センサーを持った携帯電話を利用して、日常生活の歩行や行動範囲を蓄積する取り組みも紹介。この取り組みでは、健康増進に対する意識向上や生活習慣病の対策に加え、リハビリ中の患者と主治医が日常生活の活動の中で回復状況を把握できるといった利用シーンを想定している。


ライフログビューワ。緑の濃淡で同僚などとのコミュニケーション度合いが確認できる歩行や行動範囲、歩行速度を記録して歩行を可視化。健康関連やリハビリ用途などを想定

マルチリモコンで行動履歴を蓄積する「リモコンセントリクス」


iPod touchにインストールされたテレビ用リモコンアプリ

 展示コーナーでは、こうしたライフログサービスへの活用も視野に、行動履歴を蓄積する機能を持ったライフログリモコン「リモコンセントリクス」を紹介。「リモコンセントリクス」は、専用リモコンやアプリケーションをインストールしたスマートフォンなどを使って、テレビやエアコン、扇風機などの家電機器を、1つのリモコンから操作できるというもの。

 今回の展示では、照明機器の中に無線LANアクセスポイントを内蔵。無線LAN搭載のスマートフォンやiPod touchから各機器への操作指示を出すと、無線LANアクセスポイント側で情報を赤外線に変換して各機器を操作する。

 iPod touchにインストールされたテレビ操作用のアプリケーションでは、テレビに付属するリモコンのデザインを模したユーザーインターフェイスを再現。製品付属のリモコンと同じ使い勝手で利用できるとした。「リモコンセントリクス」では、マルチリモコンとしての利用とともに、操作履歴を収集・解析することで利用者に合わせたコンテンツのリコメンドなど、ライフログサービスへの活用も図るという。


こちらは専用リモコンの外観リモコンセントリクス概要

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(村松 健至)

2010/2/24 13:07