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“地図アプリ”はあまり使ってもらえない……「Yahoo!地図」アプリ提供終了、「Yahoo! MAP」として生まれ変わる

「Yahoo! MAP」アプリのアイコン。従来の「Yahoo!地図」アプリの単なる地図のイメージから、人の行動(おでかけ)を地図でサポートするといった印象のデザインに変わった

 ヤフー株式会社(Yahoo! JAPAN)は24日、無料で提供しているAndroid/iOS向け地図アプリ「Yahoo!地図」を全面刷新した。単なる“地図アプリ”としての位置付けを見直し、名称を「Yahoo! MAP」に変更。“決まった場所への行き方を調べるアプリ”にとどまらず、“現在位置を起点に、行きたい場所を選べるアプリ”に生まれ変わったとしている。

 Yahoo! JAPANによると、平均的なスマートフォンユーザーにおける地図アプリの使用頻度は意外に少なく、1カ月に数回程度との調査結果もあるという。これはYahoo!地図でも同様で、同アプリは3月末時点で1300万ダウンロードを突破しているが、アクティブなユーザーはそれほど多くないとみられ、日常的に頻繁に使われるメッセンジャー/SNSアプリやニュースアプリなどと比べ大きく差を着けられているのが現状だとしている。

 これは、地図アプリは一般的に、すでに目的地が決まっているユーザーが使用する類のアプリであるためだとYahoo! JAPANでは分析。だとすれば、目的地がまだ決まっていないユーザーに対しても、これから目的地を決めるのに役立つ機能・情報を提供することで、日常的に使用してもらえるアプリになれるのではないかとして、Yahoo!地図提供開始以来の大幅刷新をすることになったという。

 具体的には、メインとなる「地図」画面の下部には「カフェ」「コンビニ」「ラーメン」「ファストフード」「銀行ATM」などのジャンルアイコンを大きく表示。それらをタップすることで、地図で表示しているエリア周辺の該当スポットを簡単にチェックできるようにした。各店舗の場所が地図上にプロットされるだけでなく、店舗あるいは料理などの写真もカルーセル表示される。参照される情報は、地域情報サービス「Yahoo!ロコ」に登録されている約600万店以上の店舗・施設の情報。ジャンルアイコンは「グルメ」「買い物」「施設」「おでかけ」の4カテゴリーで、計38ジャンル用意している。

「Yahoo! MAP」の地図画面
ジャンルアイコンによる周辺検索の表示例
施設詳細画面
ジャンルアイコンを上に引き出すと、4カテゴリー/計38ジャンルの一覧が表示される

 さらに地図画面に加えて、各地のタウン情報などを提供するコンテンツ画面を新設。メインの地図画面から「おでかけ」アイコンをタップすることで即座に参照できるようにした。「Yahoo!ライフマガジン」が制作する特集記事や、コンテンツプロバイダーが配信する各地のスポット情報に関する記事が、ユーザーの設定したエリア(都道府県単位)に応じて閲覧できる。

 こうした刷新後の同アプリの方向性を鑑み、“地図”ではなく、旅行の“ガイドマップ”のようなイメージで訴求するために、名称もYahoo! MAPに変更したとしている。Yahoo! JAPANでは、どこかの街に訪れてまだ行先が決まってないときや週末の外出の計画を練る際など、行きたい場所を探す段階から、Yahoo! MAPアプリを活用してほしいとしている。

「おでかけ」コンテンツ画面
「Yahoo!ライフマガジン」の特集・連載記事の例

 なお、Yahoo!地図アプリの既存ユーザーは、アップデートによりYahoo! MAPアプリに切り替わる(ただし、Android 4.2未満はサポート終了)。Yahoo!地図アプリの主要機能は引き続き提供しており、「雨雲レーダー」「混雑レーダー」も従来通り参照可能。また、Android版では、地磁気から位置を特定する「屋内測位」にも対応する。

「雨雲レーダー」
「混雑レーダー」

 目的地までの経路をナビゲーションする「道案内」機能も引き続き提供するが、より見やすく、分かりやすく改良した。地図を読むのが苦手なユーザーを考慮し、ルート沿いの必要最低限なランドマークだけを表示するよう省略するとともに、それらのランドマークも有名なコンビニエンスストアやファミリーレストランなどのロゴアイコンを使用。また、角を曲がる際の案内をバルーン表示する際の文言も、例えば「××メートル先を右に曲がる」ではなく、「ファミリーマートの角を右に曲がる」といった分かりやすい表現を採用。地下鉄の出口の表示も分かりやすくしているという。

「道案内」(ナビゲーション)中の画面
地下鉄出口の表示例