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「Googleアシスタント」が日本語に対応、ホームボタンの長押しで直接起動可能に

 グーグル合同会社は29日、Android 6.0以上のスマートフォン向けに、「Googleアシスタント」の日本語対応を開始した。今後、数週間かけて対象端末に展開する。また、将来的にはiOSへの対応も行う。

 Googleアシスタントは、機械学習による自然言語処理技術や画像認識技術を用いた対話型音声アシスタント。すでに2016年12月より、Androidの「Allo」アプリ向けにGoogleアシスタントが提供されており、そこでは日本語での利用も可能となっていた。

 さらに今回、Androidスマートフォンでは、ホームボタンを長押しするか「OK,Google」と呼び掛けることで、Googleアシスタントを直接起動できるようになった。一方、これまでホームボタンの長押しが起動に割り当てられていた「Now On Tap」の機能を利用するには、Googleアシスタントの起動画面で「画面の検索」をタップする動作が必要になる。

 動作環境はAndroid 6.0以上で、1.5GB以上のメモリと720p以上の画面解像度も必要。なお、米国で提供されている機能のうち、「今日のニュースを聞く」など、いくつかは利用できないが、準備できれば随時提供を開始していくという。

Googleアシスタントの起動画面。音声で呼び掛けて対話型アシスタントとやり取りできる
パーソナライズ機能によりユーザーの名前を記憶し、以降は名前で呼び掛けたり、好みを記憶した応答を行う
Googleカレンダーと連携し、予定の確認などが行える
Googleマップによる経路検索も音声で利用可能
自動車を利用した場合の所要時間も確認できる
少し先の旅行でのフライトの予定を表示
旅行先で撮影したGoogleフォトの画像も表示可能
旅行先でのレストランなどの検索も行える
前にやり取りした文脈に沿って、簡単な質問に対する応答も行われる
お店の写真を一覧で表示している
リマインダーの設定も可能
その内容をメールで送信することもできる

 グーグル合同会社製品開発本部長の徳生裕人氏は、「ここ数年間における機械学習や検索技術の進展で、それまで考えられなかったことが可能になった」とし、「かつてのPCがスマートフォンになり、コンピューターの使い方がますます身近で自然になった。その裏のソフトウェアが、これまで以上に重要になる」と述べた。

 そして「機械学習の力を誰もが使え、誰もが恩恵を受けられることが重要なこと」とし、「今後、より役立つものにするために、今後何年もかけて開発を進めていく」とした。

 米Googleスンダル・ピチャイCEOは、5月頭に米国で開催されたイベント「Google I/O 2017」の基調講演で、「モバイルファーストからAIファーストへ」という今後の方針を発表しており、米国ではすでに「Google Home」などのデバイスや車載用の「Android Auto」などでGoogleアシスタントが利用できる。徳生氏は「将来的には日本でも、より多くのユーザーに、あらゆるデバイスで利用可能にしていく」と述べた。

 GoogleではAPIを公開しており、Googleアシスタントの機能を利用したアプリはサードパーティーでも開発できる。米国を中心に、すでにサードパーティーより、こうしたサービスが提供されている。現在ではGoogleが提供するサービスでしか利用はできないが、今後は国内でも対応サービスが増える見通しだ。