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名刺交換した相手と共通の話題を人工知能が収集・配信、名刺管理アプリ「Wantedly People」に新機能

ターゲティング広告「Ads」も提供開始

 ウォンテッドリー株式会社は19日、名刺管理アプリ「Wantedly People」において、登録した名刺の企業や業界に関する話題を提供する新機能「Update(話題)」と、企業向けのターゲティング広告「Ads」の提供を開始した。

 ウォンテッドリー株式会社代表取締役CEOの仲暁子氏は、「終身雇用が崩壊し、今後は転職を繰り返す社会になる」とし、Wantedly Peopleについて「築いた人脈を持ち歩いて、次の組織へ移っていけるインフラとして開発した」と述べた。

 その特徴として、10枚の名刺を同時に取り込んで人工知能がリアルタイムで解析し、つながりを生成する点を挙げた。2016年11月のリリースから8カ月間で、ユーザー数は100万を突破したという。2017年2月には海外での提供を開始し、244カ国50言語の名刺に対応。4月にはスマートフォンで取り込んだ名刺データを閲覧・編集できるPC版をリリースしている。

ウォンテッドリー株式会社代表取締役CEOの仲暁子氏

 しかし、名刺交換のあと、実際に連絡を取るユーザーは約4分の1にとどまっている。仲氏が「単なる物理的名刺の束を、つながりデータに変え、生きた人脈に変えることを可能にする」と述べた新機能は、企業の名刺を保有するユーザーに、その企業や業界に関するニュースを自動で収集して提供するものとなる。

 これにより「ビジネスの出会いを出会いだけで終わらせず、次につなげる。自分と相手の共通の話題をニュースとして届け、相手の詳しい情報を知って次のビジネスにつなげる」とした。

 ウォンテッドリー株式会社新規事業戦略室の逆瀬川光人氏は、「相手を知り、相手の会社を知り、属する業界を把握することが、ビジネスでは重要になってくる」とした上で、「名刺交換の場では、相手先の会社のストーリーやビジョン、最近のニュースを聞くことは難しい」と述べた。

ウォンテッドリー株式会社新規事業戦略室の逆瀬川光人氏

 そしてUpdateにより、読み込んだ名刺の企業についてのニュースや、社長インタビュー記事などを人工知能が収集し、「相手とのビジネスに生かせる機能として提供していく」とした。さらに、ユーザー自身が興味のある話題や、自社の情報についても、人工知能により収集・配信される。

 また、「これから会う人とのためにある」機能として、世の中の話題について、提携した20媒体以上のニュースを手動で編集部がピックアップして配信するという。

 名刺情報によるターゲティング広告であるAdsについては、Update内に配信されるという。広告のフォーマットは、企業のブランドや商品のストーリーを伝えるのに適切な3パターンを用意しているとのことだ。

 「Story Ads」は、ウォンテッドリー社内の専門クリエイティブチームが監修するアニメーションメインのインフォグラフィック広告をスマートフォンに最適化した良質なコンテンツとして配信する。スマートフォンをタップすると画面が動き出し、「広告や商品へのエンゲージメントが操作を通じて高まる」仕組みとなる。

 「Article Ads」は、同じくウォンテッドリー社内のライティングチームにより、一から企画・取材を行った記事を提供するもの。

 また、動画広告である「Video Ads」も、自社制作を行うが、企業側からの動画の持ち込みなどに対しても「臨機応変に受け付ける」とのことだ。