スパム発信地はアジア太平洋地域と南米が増加、シマンテック報告


 シマンテックは、11月のスパム動向をまとめた月例レポートを発表した。スパムメールの2009年の動向および2010年以降の予測を説明しているほか、アジアや南米から発信されるスパムメールが増加していると指摘している。

 メールトラフィック全体に占めるスパムの比率は、2009年は平均87.4%だった。スパムの割合は5月末が最高で95%を記録。また、スパムの発信地域は、引き続きアジア太平洋地域と南米に推移する傾向にあるという。11月現在、スパム全体のうちアジア太平洋地域から発信されたスパムの比率は26%、南米は25%だった。

 シマンテックでは、「2010年もスパマーは活発に活動する」と見ており、理由として、ボットに感染したPCからのスパム配信をはじめ、WebメールやSMTP認証を悪用するなど、「配信経路はますます複雑化する」と説明。スパマーは、アンチスパムフィルタをかいくぐるためにURLの短縮化や、フリーのWebホスティングサーバーを使用するという。

 クリスマス商戦に便乗したスパムについても説明している。「スパマーは、ホリデーシーズンにプレゼントをオンラインで購入するユーザーをターゲットにし、ブランド品の時計や財布の販売を騙った件名を使う」とのこと。有名企業からの取り引きメールを装う例も多い。シマンテックでは、「通常、こういった件名ではフィッシング詐欺でよく目にするが、ユーザーを偽のオンラインドラッグストアにリダイレクトするメールも確認された」としている。

 このほか、スパムメールの平均サイズが変化したことを挙げている。以前は、スパム全体のうち2kbから5kbのメールが71%、5kbから10kbが19%だった。11月には、2kbから5kbのメッセージが20%増加し、5kbから10kbが18%減少したという。この変化は、「添付スパムの減少と一致する」とのことで、スパマーはマルウェアを添付したメールを送りつける方法から、メール本文のURLをクリックさせる方法に移行していることを示している。


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(野津 誠)

2009/12/18 18:50