ニフティがクラウド事業に参入、第1弾はIaaS
コントロールパネルの画面イメージ |
ニフティ株式会社は1月26日、自社のサービス基盤を活用したクラウドサービス「ニフティクラウド」を発表した。クラウド事業を大きな成長が見込める分野に位置付け、これまで培ってきたネットワークサービスの運営ノウハウをもとに、同事業に参入する。提供は27日より開始される。
ニフティクラウドは、同社が提供するクラウドサービスの総称。当初は、インフラ基盤を提供するIaaS(Infrastructure as a Service)から始め、その後はPaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)へと展開する予定という。
特長は、「オンデマンド」「従量制」「仮想化技術の運用ノウハウ」の3つ。「オンデマンド」では、ユーザーの利用状況にあわせてクラウドサービスを提供。サーバーの準備にかかる時間は約5分と短く、すでにニフティクラウドを申し込み済みのユーザーは、24時間365日いつでも、利用したいタイミングでサーバーを起動できる。また、サービス提供のピークにあわせ、柔軟かつリアルタイムにサーバー構成を組み替えられる点もメリットとのこと。サーバー台数やメモリの増設は、直感的に操作可能な、クラウドサービス専用のコントロールパネルから行える。
価格は1時間12.6円からの「従量制」を採用し、1時間単位で利用可能。また、サーバーが停止状態でも1時間5.25円から利用できるプランが設定されており、待機サーバーとしての利用が可能になっている。さらに、月額払いの定額制プランも用意し、ユーザーの必要にあわせて、最適なプランを選択できるようにした。
「仮想化技術の運用ノウハウ」については、自社が蓄積した運用ノウハウを最大限に生かすという。ニフティでは約2年前から、サーバー仮想化技術を用いて@niftyのサービスを運営し、現在では160の@niftyサービスが、厳重なセキュリティ対策が施され、堅牢なファシリティ設備を備えるデータセンターにおいて、クラウド環境で運用されている。同社では、こうした実績のある仮想化運営ノウハウをユーザーに提供することで、差別化を図りたい考えである。
サーバータイプは、規模に応じた4種類を用意した。料金は、仮想CPU(1GHz相当)×1、512MBメモリの「Mini」で、7875円/月もしくは12.6円/時間。仮想CPU(3GHz相当)×1、1GBメモリの「Small」で、1万3335円/月もしくは23.1円/時間。仮想CPU(3GHz相当)×2、2GBメモリの「Medium」で、2万5410/月もしくは44.1円/時間。仮想CPU(3GHz相当)×4、4GBメモリの「Large」では、4万8300円/月もしくは84円/時間。全タイプ共通で、インターネット側データ転送量1GBあたり15.75円の、ネットワーク転送料金も必要となる。
OSはCentOS 5.3(32ビット/64ビット)を、ストレージは標準で30GBを利用でき、コントロールパネル機能と、自動的なフェイルオーバー機能が無償で提供される。また、サーバータイプは、ユーザーの希望により随時変更可能なほか、ストレージは100GB単位で追加可能とのこと。このほか、固定IPサービス、ドメイン名登録、DNS管理など、有償のオプション機能も用意されている。
なおニフティでは、2010年4月までにサーバータイプを10種類に拡大するほか、Red Hat 5.x(32ビット/64ビット)、Windows Server 2008 R2(Standard/Enterprise、64ビットのみ)を2010年4月に導入する予定。オプション機能についても、順次拡充が予定されている。
関連情報
(石井 一志)
2010/1/26 17:18
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