英政府、SNSに児童保護のための通報ボタン設置を求める


CEOPのWebサイトでも、各ページに「CLICK CEOP」ボタンを設置している(右上)

 インターネット上での児童保護を行う英国警察外部機関であるChild Exploitation and Online Protection(CEOP)は9日、英国内のソーシャルネットワークサイトに対して、子供のユーザーが警察関連機関に助けを求めることができるワンクリックボタンの設置を強く要請した。

 このボタンは「CLICK CEOP」というもので、2006年に発表された。現在、英国内の「MSN Live Messenger」や「AOL BEBO」など数百サイトで採用されている。しかし、すべてのサイトに設置されているわけではない。

 このボタンをクリックすると、警察の外部機関であるCEOPの特別チームだけでなく、ネットいじめ対策、児童ポルノ対策なども行うInternet Watch Foundation、Childline、Beatbullying、GetSafeOnlineに対して、直接通報したり、アドバイスや指導を求めることができる。

 CEOPの警察官による特別チームは現在、毎月500件以上の通報を受けている。そのうち1日4件は、子供が緊急を要する危険にさらされている状況にあるという。

 ワンクリックボタン設置の必要性について、CEOP代表責任者であるJim Gamble氏は、「このボタンは犯罪者に対する抑止力であり、ユーザーに対して、ソーシャルネットワークプロバイダーのところに行くのか、それともCEOPでさまざまなアドバイスや助けを求めるのかという選択肢を提供する。違法な活動が行われていて、我々のところに来ればすぐさま行動を起こせるというのに、いったい誰がわざわざサービスプロバイダーに話したいと思うだろうか」とコメント。プロバイダーの対応に疑問を投げかけ、ソーシャルネットワークプロバイダーへの早急な対処を要請している。


関連情報

(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/3/10 11:35