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【使いこなし編】第275回
簡単操作でiPhoneのデータをまるごとバックアップ、Windows「Appleデバイス」アプリの使い方
2026年3月5日 06:00
今回からは、スマートフォンのデータをPCへバックアップする手法を見ていこう。スマートフォン本体のバックアップにおいては、iPhoneではAppleの「iCloud」、AndroidではGoogleの「Googleドライブ」といったクラウドサービスを使うのが最善だ。これらのサービスは、設定からバックアップをオンにしてネットワークに接続していれば、特別なことを考えなくても自動的にバックアップがとれる。
しかし、どちらのサービスも無料で利用できる容量には制限がある。今回から、クラウドストレージを無料枠で利用し、主なデータをPC(PC内蔵のストレージ)にバックアップする手順を具体的に実践していく。
本連載の第254回から第260回では、スマートフォンにSSDを繋ぎ、バッファロー製のアプリ「写真バックアップ」を使って写真や動画をバックアップする手法を実践した。バックアップ容量の大きな写真や動画を外付けストレージに保存しておき、それ以外のデータはクラウドサービスを活用するという手法だ。PCを使わない手法として便利なので、好みで使い分けてみてほしい。
基本的な考え方は、この「写真バックアップ」を使う手法と同じだ。スマートフォン本体で重要な、連絡先、アプリデータ、Wi-Fiや権限などのデバイス設定、通話履歴、SMS/MMSメッセージといったバックアップは、写真などと比べて容量は小さいため、クラウドへのバックアップをそのまま利用しておいた方が便利だ。iPhoneならApple Account(旧Apple ID)、AndroidはGoogleアカウントでログインして復元すれば、ほぼ元の使用時の状態に戻すことができる。機種変更の際にも、クラウドへのバックアップは利用できる。
「Appleデバイス」アプリをPCにインストールする
今回は、iPhoneをWindows PCを使ってバックアップする手法を見ていこう。
iPhone(iPadでも同じ)では、Windowsに「Appleデバイス」アプリを使ってバックアップすることが可能だ[*1]。このアプリでは、iCloudを使わずに、ほとんどのデータをバックアップし、復元もできる。「Appleデバイス」アプリはMicrosoft Storeから入手可能だ。こちらのページにリンクがまとまっているので、参照してほしい。
[*1]……ほぼ同じ手順で「iTunes for Windows」でもバックアップが可能だ。ただし、iTunesはCD取り込み機能も持つ古くからある音楽管理用ツールとなっているため、操作はやや煩雑だ。なお、macOSではiTunesというアプリ自体が廃止されており、複数のアプリに機能が分割されている。
このバックアップ方法では、データは暗号化された形で保存されるため、バックアップ内の写真や動画を個別に見たり、抽出したりすることはできない。動作に不具合が出た場合や、端末を修理に出す場合など、初期化が必要になったときにiPhoneに対してバックアップしたデータ全体を復元できる。
バックアップを実行する
「Appleデバイス」アプリを起動すると、以下の画面が表示される。
画面の指示に従って、iPhoneとWindows PCをケーブルで接続すると認識して、写真とビデオのアクセス許可と、デバイスを信賴するかの画面が表示される。「Appleデバイス」アプリで[信賴]を選択し、端末でも[信賴]をタップしパスコードで認証すると、接続したiPhoneが画面に表示される。
画面の左側にある[音楽]や[映画]などは、すべてPC側から転送するための機能で、iPhone内の写真などをここから閲覧したり、ダウンロードしたりできるわけではない。
設定では、[iPhone内のすべてのデータをこのコンピュータにバックアップ]をトグルで選択しておく。そして、その下の[ローカルバックアップを暗号化]をチェックしておく。これにチェックを入れておかないと、アクティビティやヘルスケア、キーチェーン(「パスワード」アプリ)のデータがバックアップされない。これらのデータは重要なので必ずチェックしておこう。
チェックをオンにすると、パスワードの設定画面になるので、パスワードを設定して覚えて(メモなどに控えて)おく。これは復元時に入力が必要になる。
[ローカルバックアップを暗号化]にチェックを入れたら、右下の[適用]をクリック後に[今すぐバックアップ]をクリックすれば、バックアップが開始される。
「Backup」フォルダーを外部ストレージに移動する
バックアップデータは、「C:¥Users¥(ユーザー名)¥Apple¥MobileSync¥Backup」に保存されるのだが、フォルダーはランダムな文字列になっていて、ユーザー側で変更することはできない。
Backupフォルダーは、それなりの容量があるため、外付けドライブなどに移動しておきたいと考えることもあるだろう。フォルダー単位で外付けドライブにコピーした後で、Backupフォルダーを削除し(Backupフォルダーは消すと「Appleデバイス」アプリ起動時に自動作成される)、iPhoneにバックアップしたデータを復元する際に、元の場所に戻してから「Appleデバイス」アプリを起動するという操作を行ってみたが、問題なくバックアップとして再認識した。
ただし、これは公式にサポートされた手法ではないので、自己責任のもとに実行してもらいたい。
一部のデータはバックアップの対象外
なお、「Appleデバイス」アプリを使ったバックアップでは、一部バックアップされないデータもあるので、注意が必要だ。
iTunes StoreとApp Storeから入手したコンテンツ(音楽やアプリなど)、Apple BooksにダウンロードしたPDF、PCから同期して読み込んだ音楽や写真などのコンテンツ、iCloudにすでに同期および保存されているデータ(iCloud写真、iMessageとSMS、MMSメッセージなど)、Face IDとTouch IDの設定、Apple Pay関連、メールのデータ、オフラインマップといったデータが、バックアップ対象にならないとされている。
言い換えると、それ以外のデータはすべてバックアップされていることとなる。
バックアップは、ここまでに実践した手順のように、Windowsの「Appleデバイス」アプリで簡単に実行できるが、復元はまだ試さないようにしてほしい。復元後は、iPhoneを購入したときと同様にアクティベーションと初期セットアップから開始される。つまり、端末は一度完全に初期化され、そこに復元データが書き戻されるという手順になる。Face IDとTouch IDの設定、Apple Pay関連は、新端末として登録しなおす必要がある。
このほかにも、アプリや設定などで初期化されてしまうものも多いので、先にある程度の対策をしておく必要がある。手元に前の機種がない状態での機種変更時とほぼ同じことなのだが、次回はそのあたりを補足しながら、復元作業を実践してみよう。
今回の教訓(ポイント)
iPhoneは、Windowsの「Appleデバイス」アプリでバックアップできる
USBケーブルで接続してまるごとバックアップが可能















