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【使いこなし編】第276回

LINEのトーク履歴を消さずに引き継ぐ! iPhoneをバックアップから復元する前の事前準備

 前回からはスマートフォンのデータをPCへバックアップする手法を実践している。まずはiPhoneのデータWindows PCにバックアップする手法として、Windowsに「Appleデバイス」アプリをインストールしてバックアップするまでの手順を紹介した。

 今回は、端末を復元する前に準備しておきたいことを見ていこう。前回も解説したが、バックアップから復元する作業中に、iPhoneは初期化されてしまう。その後、新しいiPhoneを購入したときと同様にアクティベーションと初期セットアップから開始され、バックアップしたデータが書き込まれて復元されるため、ほぼ機種変更時と同じ作業になる。そのため、利用中のサービスで機種変更時の案内がある場合、その引き継ぎ手順を確認して準備しておこう。

 今回は、次の3つの操作をする。

  1. 「探す」機能を一時的にオフにする
  2. LINEのトーク履歴をバックアップする
  3. Googleマップのタイムラインをバックアップする

 1つ目の「探す」機能をオフにするのは、後述するように、同じ端末でデータを復元するために必要になる。

 2つ目のLINEのトーク履歴、3つ目のGoogleマップのタイムラインは、クラウドにデータが保存されず、「Appleデバイス」アプリでもデータがバックアップされないため、別途バックアップしておく。この2つのアプリに限らず、ゲームなど1つの端末でのみ使うことを強制しているアプリなどには、クラウドにデータが保存されず、別途バックアップが必要なものがある。そうしたアプリの中でも、LINEとGoogleマップは特に使っている人が多いと思われるので、ここで取り上げる。

 なお、LINEに関しては、後述するように別途有料サブスクリプションを契約することで、クラウドでデータがバックアップできる。

 また、XやInstagramなどのSNSでは、クラウドにデータが保存されているので、スマートフォンからのバックアップは必要ない。

 今回はバックアップからの復元を同一端末で行っているが[*1]、機種変更などで別の端末に変更する場合も、「探す」機能を一時的にオフにすること以外は同じ操作が必要になるので、参考にしてほしい。

[*1]……バックアップと復元は作業の都合上テスト用で古めのiOS 15.8.6の同一端末にて行っている。今回の事前設定などの画面は、最新のiOS 26.3.1にしている。基本的にバックアップと復元の動作は同じ手順だ。

「探す」機能を一時的にオフにする

 まず同一端末への復元を実行する前には、「探す」機能は一時的にオフにしておく必要がある。オンのまま初期化すると、盗難を防止するためのアクティベーションロックがかかる仕組みになっており、この状態では「Appleデバイス」アプリからの復元はできない。

 この「探す」機能をオフにする前には、[盗難デバイスの保護]がオフかどうか確認する。これがオンのままだと、「探す」機能をオフにできないからだ。もちろん復元後に使い始める時には、再度「探す」機能と[盗難デバイスの保護]をオンに戻して盗難に備えておこう。

先に設定の[FaceIDとパスコード]で、[盗難デバイスの保護]を確認する。オンになっていると[探す]がオフにできない。設定で[FaceIDとパスコード]をタップ。パスコード入力をする
[盗難デバイスの保護]がオン場合にはタップ
[盗難デバイスの保護]をオフにする
設定の一番上部にあるアカウントをタップし、アカウント設定画面に入り、[探す]をタップ
[iPhone探す]が「オン」の場合タップ
[iPhone探す]をオフに切り替える。この後、アカウントのパスワード入力画面で入力するとオフになる

LINEのトーク履歴をバックアップする

 LINEなどの端末を限定して利用するメッセンジャーアプリでは、チャット(トーク)のバックアップが必要になる。FacebookやInstagram、Xのチャット(DM)機能は、バックアップする必要はない。

 LINEでは、同一端末での復元であれば、ここで紹介するバックアップは不要で、再ログインせずに、以前と同じようにそのまま使い始めることができる。異なる端末では、再ログインとバックアップが必要だ。とはいえ、トラブルや機種変更に備えてバックアップは設定しておくといいだろう。別端末の場合、引き継ぎ前の端末とサブ端末ではLINEはログアウトされ利用できなくなる。

 なお、LYPプレミアム(旧Yahoo!プレミアム)という有料サブスクリプションを契約すると、写真と動画を含めた完全なバックアップまで可能になり、iPhoneとAndroid間での移行にも対応する。トークデータの完全移行が必要な場合は検討してもいいだろう。

 iPhoneでの無料の標準バックアップではiCloud Driveを使ってバックアップを行う。写真と動画はバックアップされず、バックアップはテキストのみとなるので、iCloudの容量はさほど消費しない。LINEに限らず、iCloud Driveを使いバックアップするアプリでは同じ手順になる。まずはiCloud Driveをオンにしておく。

先にiCloud Driveをオンにしておく。設定の一番上部にあるアカウントをタップし、アカウント設定画面に入り、[iCloud]をタップ
[Drive]をタップ
[このiPhoneを同期]をオンにする。自宅にWi-Fiがある場合には、さらに[モバイルデータ]をタップ
[モバイルデータ通信]をオフにしておくと、Wi-Fi接続時のみiCloud Driveにバックアップされる

 あとは、LINEの設定からバックアップを設定しておく。一度設定すれば後は自動で定期的にバックアップされるようになる。

LINEのホーム画面で右上の設定をタップ
下にスクロールし[トークのバックアップ]をタップ。「プレミアム」の表示があるがプレミアム契約でなくても利用できる
[PINコードを作成して今すぐバックアップ]をタップ。プレミアム契約を勧める画面が表示されるが[閉じる]で進める
PINコードを決めて入力する。復元時に入力が必要になる
バックアップ中。完了すると続けて引き継ぎするか決める画面になるが[閉じる]で完了させる
このような設定になる。バックアップは自動で行われるが、任意のタイミングで[今すぐバックアップ]をタップしても実行できる

 このバックアップがあれば、トークはテキストとスタンプに限るが、失われることはない。このバックアップが無い状態で新たにログインすると、トーク画面には何も表示されなくなる。

 ちなみに、元端末で表示させるQRコードが読み取れる機種変更のケースでは、「かんたん引き継ぎQRコード」を利用することで、直近14日間のトークをバックアップ無しでも引き継ぐことができる。それより前のトークはバックアップが必要だ。

Googleマップのタイムラインをバックアップする

 Googleマップのタイムラインを活用している場合には、これをGoogleアカウントにバックアップする設定をしておく。Googleマップのタイムラインは、自分の日々動いた場所をトレースして残してくれる機能だ。このログは、端末側に保存されていて、明示的にバックアップしておかないと、端末を初期化したり機種変の作業をすると無くなってしまう。

 なお、保存済みの場所やリスト、検索履歴はバックアップの必要なく、クラウドに保存されている。ほかに、多要素認証で「Google Authenticater(認証システム)」アプリを使っているなら、ほぼ同じ方法なので、アカウントのクラウドにバックアップを作成しておくようにしてほしい。

Googleマップのタイムラインは、右上のアカウントアイコンからアクセスする
[タイムライン]をタップ
タイムラインでは、このように特定日の行動履歴を見ることができる。右上のクラウドアイコンをタップ
[有効にします]をタップ
このようにバックアップがオンになればOK。後はバックアップが定期的に自動で行われる。下にバックアップ結果が表示される
新しい端末では、バックアップの「…」から[インポート]を選んで読みこむ。他のスマートフォンからのバックアップを読み込むこともできる
右上のクラウドアイコンが画面のような表示になっていれば自動バックアップされている
過去の旅行ルートや訪れたポイントを見返すことができ、履歴が貯まっていくととても便利

 ほかにも、ゲームや金融系アプリなどで事前に機種変更の対応が必要な場合があるので、残したい場合には注意して調べておいてほしい。アプリの使い方やFAQに、機種変更の対応が書かれているはずだ。

 iPhoneを初期化してもいいように準備ができたら、次回いよいよWindowsの「Appleデバイス」アプリを使って復元してみる。

今回の教訓(ポイント)

復元するときにデータを引き継ぐための事前準備が必要なアプリがある
異なる端末の復元は機種変更と同じ状態になるので注意

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。