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【使いこなし編】第261回

スマホの写真を簡単にバックアップ、テレビにつなげて皆で見られるバッファロー「おもいでばこ」

 スマートフォンで撮った写真や動画を、iCloudやGoogleのクラウドに保存していると、すぐに容量が足りなくなってしまう。そこで、外付けSSDなどの外部ストレージを接続してバックアップする方法を、第254回から実践してきた。前回までは外付けストレージへのバックアップを行ったが、今回からはバッファローの「おもいでばこ」という、スマートフォンの写真・動画のバックアップが簡単にできる製品を使ってみようと思う。

今回から気軽に使えるデジタルフォトアルバム、バッファロー「おもいでばこ」シリーズの「PD-2000」を実践してみる

すべての写真・動画を一元管理し、テレビで見られる

 この「おもいでばこ」シリーズは、「デジタルフォトアルバム」と呼ばれることもあり、写真の保存と閲覧を手軽に行える製品だ。1~4TBのHDDを内蔵していて、スマートフォンの専用アプリ(iOS/Android対応)を使うことで、自宅のWi-Fiを経由して、簡単に写真と動画を取り込むことができる。取り込んだ写真と動画は「おもいでばこ」の中で撮影日の情報をもとに自動で整理される。

 おもいでばこには映像出力が付属していて、テレビに接続すれば、スマートフォンやPCなしで保存している写真を閲覧できる。これが「デジタルフォトアルバム」と呼ばれるゆえんで、スマートフォンなどの操作が苦手でも、本製品のリモコンを使って、簡単に思い出を振り返ることができる。

 また、写真の取り込みはスマートフォンだけでなく、本体のUSBポートやSDカードスロットを使い、デジタルカメラなどからも簡単に行える。家族が使うすべての「写真を撮るデバイス」から、写真を一元管理できるのだ。

「おもいでばこ」はテレビにHDMIケーブルで接続して使う

容量は最大4TB、安価なWi-Fi非搭載モデルもある

 今回実践するのは、おもいでばこシリーズの中でも最新モデルの「PD-2000」で、4K映像出力にも対応している。Wi-Fiは、Wi-Fi 6に対応で、内蔵するHDD容量は1/2/4TBがラインアップされている。やや安価な「PD-2000E」という、Wi-Fi非搭載(有線LANのみ対応)モデルもある。テレビの近くにWi-Fiルーターが設置されているなどして、有線接続が簡単にできるなら、こちらでもいいだろう。ただしHDD容量は1/2TBになり、4TBがない。

 ほかにも、「PD-2000-V」というプレミアムモデルもあり、主に監視カメラに使われる動画記録用途向けに開発されたVideo HDDを採用していて、信頼性が高い。通常モデルは1年保証のところ、このモデルのみ3年保証が付いているのも安心感がある。なお、HDDの容量は1/2TBのラインアップになる。

「おもいでばこ」の前面にはUSB Type-AポートとSDカードスロットがあり、これらを使っても写真を取り込める
背面にはHDMIや有線LAN、バックアップディスクを繋ぐUSB Type-Aポートがある

テレビの近くに置くから、家族でいつもバックアップを意識できる

 数ある写真のバックアップ方法の中でも、おもいでばこは、とにかく手順が簡単で、まとめて全部「おもいでばこ」に保存しておけばラク、というのがコンセプトとなる。テレビの近くに置いておくのが基本となるので、家族全員が忘れずにバックアップすることを意識付けるのにもいいかもしれない。

 テレビで簡単に見られるので、家族みんなで思い出を共有しやすいのもメリットとなる。PCを持っていない人や、持っていても仕事用で家族の写真や動画保存には使えない人や、操作が苦手な人が多い家庭にとって、持ってこいの製品になっている。

撮影日時で自動整理してくれる機能がある
テレビの大画面で写真や動画を楽しむことができる

 スマートフォン本体、あるいはiCloudなどクラウドサービスの容量が圧迫する前に、写真や動画を「おもいでばこ」に転送してしまい、スマートフォンやクラウドからは削除する、というのが基本的な使い方となる。iPhoneユーザーには、LivePhotosやHEIF、HEVC形式の取り込みと再生に対応しているのもありがたい。

 保存した写真をインターネット経由で閲覧したりはできないが、自宅のWi-Fiに接続した状態ならスマートフォンアプリからでも閲覧でき、アルバム単位でスマートフォンにダウンロードすることも可能なので、必要なものだけ保存して持ち歩くようにしてもいい。

専用の「おもいでばこ」アプリが用意されている
「おもいでばこ」アプリで転送したい写真を選択して、Wi-Fi経由でスマートフォンに転送する

「Googleフォト」との連携もできる

 ほかにも、Googleのクラウドサービス「Googleフォト」と連携する機能もあり、必要なカットを選んでGoogleフォトに転送することも可能だ。Googleフォトは15GBまで無料で使えるので、厳選したお気に入りのカットだけをクラウドに保存しておくという使い方もできる。

 このほか、USBメモリなどに必要な写真だけを書き出す機能もあるので、友人と共有したり、プリントサービスを使ったり、といったことも簡単にできる。

バッファロー「おもいでばこ」シリーズは、スマートフォンやデジタルカメラの写真をまとめて保存しておくのに便利

 次回からは、おもいでばこを使った写真のバックアップを実践していこう。セットアップからバックアップ、閲覧だけでなく、おもいでばこ自体のバックアップまで、いろいろなことを実践するつもりだ。

今回の教訓(ポイント)

「おもいでばこ」は、スマホの写真と動画を簡単にバックアップできる
スマホからおもいでばこへのバックアップはWi-Fi経由で行う

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。