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【使いこなし編】第255回

iPhoneの写真を外付けSSDへ簡単にバックアップ! 「写真バックアップ」アプリの使い方

 前回から、スマートフォンの写真や動画の外部ストレージへのバックアップを実践し始めたところだ。容量を圧迫する写真や動画をクラウドにバックアップしていると毎月費用がかかり、データが増えるほど月額もかさむようになってしまうが、外部ストレージを使うようにすることで、毎月の出費をおさえられる。

 前回は、iPhoneやAndroidスマートフォンの設定を変更し、写真や動画をクラウドに同期しないようにした。今回は、USB Type-Cポートを搭載したiPhoneを対象にして、外部ストレージへのバックアップを実践する。Lightning搭載のiPhoneやAndroidに関しては、次回以降に実践していく。

USB Type-Cポート搭載iPhoneにSSDを接続してバックアップする。SSDはバッファローの1TB SSDの「SSD-PMS1.0U3-BA」
MagSafeに吸着して一体として使うことができる。ケースを付けていても大丈夫

動画の直接保存も可能な外付けSSDを選択

 今回使用する外部ストレージは、バッファローの外付けSSD「SSD-PMS1.0U3-BA」(容量1TB)だ。磁石によってMagSafeに対応したiPhoneの背面に固定して利用できる。4K動画を直接外部ストレージに保存する「ProRes」に対応していることも特徴だ。

 スマートフォンに接続する外部ストレージとしては、SSDのほか、USBメモリ、カードリーダーとメモリーカード(microSDカード)などもある。これらの中でもSSDは、データ伝送が速いことが利点となる。この「SSD-PMS1.0U3-BA」は、書き込み1000MB/s以上、読み出し1050MB/s以上という高速読み書きに対応している。USBメモリだと、速いモデルでも500MB/s程度にとどまる。大容量のモデルを選びやすいのも、SSDのメリットだ。

 なお、SSDもUSBメモリもメモリーカードも、NAND型フラッシュメモリという記憶素子にデータを記録していて、このNAND型フラッシュメモリは、長期間のデータ保存には向いていないとされる。とはいえ、ここでいう長期間とは10年ぐらいの単位の話だ。日常のバックアップはSSDで問題ない。ただ、ある程度まとまったら外付けHDDなどにデータを移すようにするのが望ましい。

 つまり、今回実践するバックアップは、これで未来永劫なにもしなくて大丈夫というわけではない、と考えてほしい。具体的に、どのような方法でさらにデータを移すかは、今後の連載で紹介する。

 バックアップには、同じバッファロー製のアプリ「写真バックアップ」を使う。このアプリはUSB Type-Cポート搭載iPhoneで利用できる。

「写真バックアップ」の初回操作をはじめよう

 では、実際のバックアップを始めよう。操作手順は、ここで見ていると長く感じられるかもしれないが、画面の指示に沿って操作するだけなので簡単だ。注意点としては、写真へのアクセスは必ず[フルアクセスを許可]を設定することと、接続したストレージを選択することを間違えないことの2点。これだけ注意すれば、問題なくバックアップできるはずだ。

SSDを接続する。認識されると「ファイル」アプリに表示される
(横道その1)「ファイル」アプリでSSDをロングタップし、[消去]を選択するとフォーマットできる。誤ってフォーマットしないように注意
(横道その2)ロングタップして[情報を見る]で詳細な情報を確認。exFAT形式でフォーマットされていることが分かる
「写真バックアップ」を起動して、作業を始めよう。WEBトラッキングの許可画面とアンケートが表示される。これについては、好みの設定や回答で構わない
[はじめる]をタップ
[次へ]をタップする
写真へのアクセスは[フルアクセスを許可]を設定しておく
USBポートにストレージを接続するよう促される。すでに接続していても、この画面は表示される
USBポートにSSDが接続されていて、インジケータが点灯していることを確認して[次へ]をタップする

 ここから、「ファイル」アプリのドライブ選択画面になるので、接続しているSSDを選択する。ファイルは「BUFFALO/PhotoBackup/Data_(ナンバリング)」というフォルダーが自動的に作られてバックアップされるので、ドライブを指定するだけで問題ない。

この後の操作解説が表示される。[USBストレージを選択する]をタップ
「ファイル」アプリと同じ画面が表示される。接続したストレージをタップ
ストレージのルート(大元のフォルダー)が表示される。ここに保存するので[開く]をタップ
[写真とビデオ]をチェックする。[iCloudダウンロード]は今回は設定しない

 [iCloudダウンロード]を使うと、iPhone本体になくiCloudに保存されている写真もバックアップの対象になるが、今回はiCloudの写真バックアップをオフにしているので、オンには設定しないことにする。もし、iCloudにバックアップしている写真がある場合は、この機能をオンにして、外付けストレージにバックアップしてiCloudから削除することもできる。

 利用状況によるが、iCloud上に大量の写真と動画を保存しているケースには、それに応じた容量のドライブを用意し、iPhoneのバッテリーも十分残っている状態で開始するようにしよう。

(横道その3)[iCloudダウンロード]を表示させ、[バックアップ対象にする]をオンにすると、iPhone本体になくiCloudにある写真もドライブにバックアップするようになる
バックアップの準備が完了した。ここでいったん保留することもできる。続ける場合[バックアップをはじめる]をタップ
通知は許可しておくと便利だ
バックアップが始まった。実行中はしばし待とう
あともう少しで完了する
バックアップが完了した。

 次回は、このバックアップしたファイルをチェックしてみよう。

今回の教訓(ポイント)

「写真バックアップ」アプリでiPhoneから外部ストレージへのバックアップが簡単
ただし、USB Type-C対応モデルに限る

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。