編集部コラム

意外と、やってる“つもり”だけになっていませんか? スマホやPCのバックアップ

 「バックアップは大事です。皆さん、バックアップしてますか?」――と聞かれれば、多くの方は「やってるよ、当たり前でしょ」と思われるでしょう。しかし、実際にはやっている“つもり”だけ、になってしまっているケースもあるように思われます。

 OSが必要最低限といえるデータを自動でクラウドにバックアップするようになって、昔からバックアップを意識している方でも、家族の使うスマートフォンやPCまで面倒を見なくなったり、新しく使い始めた人にバックアップについて細かく教えなくなったりしてはいないでしょうか。

 また、スマートフォンやPCがクラッシュすることも少なくなっており、自動バックアップが充実していることもあって、「データが消えて大変だった」という話を聞くことも少なくなりました。それ自体はいいことなのですが、喉元すぎれば熱さを忘れるというヤツで、「バックアップは大切だ」と心に刻む機会もまた、少なくなりつつあるように感じます。

 昨年、私は病気で手術をすることになり、その際に身辺整理的なことを少し考えた中で、自分のためだけでない「家族に残すデータのバックアップ」を考える機会がありました(その際のことは、テレワークグッズ・ミニレビューの記事に書いていました)。

 その後、周囲にデータのバックアップについて聞いてみると「言われてみれば、OSの機能にお任せしているだけかも」と言われたり、「忙しくて後回しにしたまま何年か経っている」と苦笑されたりと、「分かっちゃいるけど、やってない」という声も、結構ありました。

 また、フリーランスや中小規模の企業の方からは「最適なバックアップ方法が分からない」という声も多く聞かれました。「クラウドに全部預ければOK」で話が終わる方もいるけれど、カメラマンやデザイナーなど大容量のデータを扱う業種では、そうも行きません。クラウドストレージやNASを使うとして組織に合うベストなシステムは何か、いくつバックアップを取れば安心していいか、おそらく二度と使わないと思う古いデータをどう扱うべきか、さらにはランサムウェア対策として何が効果的かなど、さまざまな悩みのポイントがあります。

 INTERNET Watchでも、振り返ってみれば、しばらく真正面からバックアップについて取り上げる機会がありませんでした。あらためて、バックアップについて考え直してみましょう、まずは個人の環境から、ということで、清水理史さんに執筆いただいたのが、本日公開した特集です。

 突然スマートフォンやPCが故障したとしても、あわてずに済むようにデータをバックアップできているでしょうか? 2025年も残り少なくなってきていますが、今年のうちに一度、バックアップ体制を見直してみていただくと、いいのではないかなと思います。