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Cloudflare、約5億円の支払いを命じられた著作権侵害訴訟の判決を受け「CDNは中立的なサービス」と声明
KADOKAWAら原告4社もコメントを発表
2025年11月19日 19:15
11月19日、Cloudflareに対して日本の出版社4社が提起していた著作権侵害訴訟において、東京地方裁判所は、Cloudflareに損害賠償責任を認める判決を言い渡した。これに対して、Cloudflareは同日に声明を発表。CDNは中立的なサービスであり、今回の判決は世界的に問題のある先例となる、などと主張した。
この訴訟は、2022年2月に、株式会社KADOKAWA、株式会社講談社、株式会社集英社、株式会社小学館の4社が提起したもの。Cloudflareは海賊版サイトに対して同社のCDNサービスを提供しており、訴訟提起時のKADOKAWAの発表では「2018年以降、複数の悪質海賊版サイトが違法に蔵置している侵害コンテンツの公衆送信の停止、キャッシュの削除、契約更新の停止を求めてまいりましたが、同社からは、必要な措置を取ったとの回答があったものの、具体的な措置についての説明がないまま、今に至っております」とされていた。
判決では、4社が被った損害の一部として請求されていた、約5億円の支払いが命じられている。
Cloudflareが報道機関向けに発表した声明では、同社の提供するCDNは中立的なパススルー・サービスであり、技術的媒介者に対する本判決は、世界的に問題のある先例となる、また、透明性、公平性、適正手続を揺るがすとした。そのうえで、Cloudflareは引き続き海賊版対策への協力を惜しまないと述べている。
原告4社の共同プレスリリースでは、多くのCDN事業者は顧客の本人確認や、違法コンテンツの削除などの対策を講じているが、Cloudflareは十分な対策を行っていないと、政府の検討会報告書(総務省2022年9月発表「インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会現状とりまとめ」)をもとに指摘している。そのうえで、「今回の判決が、CDN サービスの悪用防止に向けた一歩となることを期待しております」とコメントしている。
