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【使いこなし編】第219回

Acronis「True Image」でバックアップしたiPhone/Androidスマホのデータを復元する

Synology「BeeStation」を使ったバックアップと復元を実践

 本連載では、Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を、第185回から実践している。本製品はNASの一種だが、インターネット経由で外部からも簡単にアクセスできるのが特徴で、「パーソナルクラウド」の呼び名は、その特徴にちなんでいる。

 前回、BeeStationにAcronisのバックアップアプリ「True Image」を使って、スマートフォン(iOS/Androidに対応)のデータをバックアップした。今回はこれを復元してみよう。

今回はTrue Imageを活用して、BeeStationにバックアップをしたスマホのデータをみよう

スマホの「Acronis Mobile」で設定すれば自動バックアップ可能

 復元の実践を始める前に、スマートフォンのバックアップに関する補足を少ししておこう。

 前回実践したバックアップの設定を行うと、BeeStationが動作中、かつPCでTrue Imageを起動中の状態なら、スマートフォンからの操作でいつでもバックアップできる。これは前回説明した通りなのだが、スマートフォンアプリ「Acronis Mobile」で、自動バックアップをするように設定することも可能だ。

これはAcronis Mobileの画面。[設定]タブで[連続バックアップ]をオンにしておけば、自動でバックアップされる
Androidでは自動バックアップが完了した際に通知がある。iOSでは通知されないようだ

 また、True Imageには複数のスマートフォンやタブレットのバックアップを登録することもできる。家族分のスマートフォンを何台でも登録してバックアップ可能だ。

True ImageにiPhoneに加えてAndroidのスマホのバックアップを登録してみている。「Usatama」はiPhone、「Pixel 9 Pro XL」はAndroidのバックアップ名だ

バックアップからの復元もAcronis Mobileから行う

 さて、バックアップからの復元だが、写真や動画などのファイル単位になるので、いつでも気軽に実行できる。「Acronis Mobile」を起動して、[参照]タブから書き戻したいファイルを選択して復元するだけだ。

 バックアップできる対象は、写真と動画、連絡先、カレンダーがiOS/Androidで共通。そして、iOSでは「リマインダー」、Androidでは「メッセージ」も対象となる。iOSとAndroidで共通のデータは、両OSをまたいだ復元も可能だ。

 留意事項としてカレンダーは、AndroidのGoogleカレンダーとiOSのカレンダーアプリで、相互にデータをやり取り(同期)できるようになっているので、取り込んでも問題ない。GoogleカレンダーとiCloudのカレンダーで登録しているカレンダーごとに復元することになる。連絡先は登録人物単位で復元できる。

 写真と動画に関しては、特に心配することはない。もっとも、BeeStationユーザーなら「BeePhotos」と「BeeFiles」を使って写真や動画をBeeStationに保存しているので、True Imageも使って二重バックアップまでする必要性はそこまでないと思うが、もしも他に容量に余裕があるストレージを持っているなら、BeeStation以外にもTrue Imageを使ってバックアップしておくと、より心強い。

復元は「Acronis Mobile」アプリの[参照]タブから行う。iOSのアプリで上で同じOSのバックアップ「Usatama」を選択
バックアップに使っているPCを選ぶと……
バックアップされた日時で選択できる。最新版を選んでみる
バックアップされた項目が選択できる.。Androidアプリで写真とビデオは[ギャラリー]になる
[写真]を見てみよう。このように保存されている写真が表示される。[復元]をタップする
日付ごとに選択ができるようになる。1カットのみを選択したい場合[復元]をタップせず1カット表示させて復元する
iOS版アプリでAndroidのバックアップを開いてみたところ。Android版にはある「メッセージ」の項目が見えない
Android版アプリでiOSのバックアップを開いてみたところ。「リマインダー」は見えるが互換性がない旨の注意が表示される

 True Imageは、公式サイトで試用版のダウンロードやサブスクリプションの購入が可能なほか、Amazon.co.jpでも購入できるが、最近になってAmazonで取り扱っている商品の種類が増えた。永続ライセンスのパッケージ版は「Acronis True Image 2025」が登場しており、1年分のサブスクリプションのパッケージ版もある。また、それぞれのオンラインコード版も購入できるようになっている。

 サブスクリプションのパッケージには「エッセンシャル」と「アドバンス」の2種類があり、違いはクラウドストレージの有無だ。本連載で実践している内容は、全て「エッセンシャル」で実現できる。

True Image エッセンシャル 1年版のパッケージ。箱の中にはライセンスナンバー用紙が入っているだけなのだが、いつものショップで好みの決済方法で購入できるメリットがある

今回の教訓(ポイント)

True Imageのスマホでの復元は「Acronis Mobile」アプリから行える
異なるスマホ間での復元も可能。iOSとAndroid間でも問題はない

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。