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【使いこなし編】第215回
Synology「BeeStation」に「Acronis True Image」でバックアップしたWindows 11システムを使って、トラブル発生時にPCを復元する
2024年10月31日 06:00
本連載では、Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を、第185回から実践している。本製品はNASの一種だが、インターネット経由で外部からも簡単にアクセスして、クラウドサービスのようにも利用できるのが特徴で、「パーソナルクラウド」の呼び名は、その特徴にちなんでいる。
PCのバックアップとして、第212回からはMacのバックアップルーツ「Time Machine」の利用を実践し、前回はWindows 11環境でのバックアップ方法を紹介した(標準搭載の「Windows バックアップ」はOneDriveの利用が前提のなるめ、サードパーティーの「Acronis True Image」というバックアップツール使った)True Imageは30日間の試用が可能なので試用版を使って実践してみている。今回はこのTrue Imageのバックアップを使い、同じWindows PCにシステムを復元してみよう。
[コンピューター全体]の復元で全てを元に戻す
復元は、起動している状態のWindowsでTrue Imageから行う。もちろん同一LAN内で、前回バックアップをしたBeeStationを動作させておく。この方法では、バックアップしたWindows PCと、全く同じWindows PCに復元する必要があり、別のPCには適用できない(買い替え時に簡単にシステムをコピーするような用途には使えない)ことに注意してほしい。
ディスクやパーテーション、ファイル単位での復元も可能だが、今回はシステム全体を復元する[コンピューター全体]を選択する。Windows Updateの適用や、新しいソフトやドライバーをインストールした影響でシステムに不具合が起きたりしたときに、この方法で、以前のシステムに戻すことができる。なので、システム全体に影響を及ぼすかもしれない作業をする前に手動でバックアップを実行しておくといい。
なお、この[コンピューター全体]を復元する方法では、ドキュメントなど全て元に戻って(つまり、バックアップ後の作業内容は消えて)しまう点には注意が必要だ。直前のドキュメントはフォルダ単位で別にバックアップを取っておいたり、別の方法でBeeStationに保存したりしておくよいだろう。
復元を始めると、いったん再起動されて、True Image独自のシステムで起動する。そこで作業経過が表示され、完了すると自動的に再起動し、復元したWindowsが起動する。
簡単に復元できる安心感が大きい
PCを使っていて「原因が分からないけど最近調子が悪い」というトラブルに悩まされた経験のある人は少なくないだろう。このバックアップがあれば、何かあったときにトラブル前のシステムを簡単に復旧できるので、安心感が大きい。
筆者のように仕事でさまざまなソフトウェアをインストールすることが多い人は、トラブルに遭遇する可能性がおのずと高まる。また、家族やチームメンバーのPCなど、複数台のPCを管理している人は、トラブル発生時の復旧作業が大変になってしまう。こうした人には特に、簡単にシステムを復元できるバックアップをおすすめしたい。
今回の教訓(ポイント)
Acronis True ImageでWindows 11のシステムを復元できる
トラブルからの復旧用に心強いバックアップになる