ニュース

NTT東日本ら、山形県長井市 と「デジタルツインおよびドローンを活用した地域防災強靭化の相互協力に関する連携協定」を締結

 山形県長井市、NTT東日本株式会社、株式会社NTT e-Drone Technology、NAVER Cloud Corporation、韓国水資源公社(K Water)の5者は8月6日、強靭かつ持続可能な地域防災の実現に向けて、「デジタルツインおよびドローンを活用した地域防災強靭化の相互協力に関する連携協定」を締結すると発表した。

 長井市は、一級河川の最上川が市街地を南北に貫流し、そこから分岐する複数の支流が市内を横断している。2022年の線状降水帯による豪雨災害では、複数の住宅が浸水、近隣自治体でも鉄道の橋が流されるなど、土砂災害を含む大規模な被害が発生し、防災体制の強化が課題となっていたという。

 その一方で、災害が複雑化・多様化するなか、限られた人員で迅速かつ的確に対応するためには、被害の発生を事前に予測し、現場の状況をリアルタイムに把握・共有できる仕組みを構築することで、自治体職員の意思決定を高度化・迅速化していく必要がある。

 こうした背景のもと、同協定では、ドローンの空撮画像から長井市の高精細なデジタルツインを構築し、最先端のデジタル技術を最大限に活用した「強靭かつ持続可能な地域防災」の実現に向けた検討を進めていくという。

 同協定では、以下のような取り組みが行われる。

ドローンを活用した高精細なデジタルツインの構築

 ドローンで空撮した画像データをもとに、高精細なデジタルツインを構築する。デジタルツインとは現実世界の物体や空間をデジタル技術によって双子のように再現・複製することを言い、後述する災害予測やシミュレーションなどに活用できる。

デジタルツインの構築イメージ

水害シミュレーションによる降雨・水害の事前予測・可視化

 デジタルツイン上で水害シミュレーションを行い、被害が予想されるエリアを事前に予測・可視化する。

水害危険エリアの予測・可視化 イメージ

リアルタイムな現場状況の可視化・モニタリング

 長井市を流れる河川の水位状況や氾濫状況など、水位センサーやカメラを組み合わせることで、危険度をリアルタイムに可視化し、モニタリングできるようにする。

市街・河川状況の可視化・モニタリング状況 イメージ

災害対策を担う関係者間の情報共有と意思決定支援

 デジタルツインを活用して得られる情報を活用して、地域の情報を統合的に管理・分析し、自治体の意思決定を支援する機能(地域オペレーション機能)による最適な地域防災の仕組みを検討する。

 5者は、本協定を通じて得られた知見や成果に基づき、長井市全域へ防災オペレーションも含めたデジタルツインの本格的な展開に向けて検討を進めていくとしている。