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建設重機の超遠隔操作にIOWN APNとローカル5Gを初めて活用し、200kmの映像伝達で約100msの低遅延。西松建設とNTT東日本

「現場実装に大きく前進」との評価

実験施設「N-フィールド」

 西松建設株式会社とNTT東日本株式会社は、建設重機の超遠隔操作に次世代通信技術IOWNのAPN(オール・フォトニクス・ネットワーク)とローカル5Gを国内で初めて適用し、後次的に2拠点間の距離200kmとした場合において、映像伝送の遅延を約100msecに抑えることに成功したと発表した。これは遠隔操作が十分に可能な速度であり、現場実装に大きく前進したとしている。なお、本件は、建設重機の超遠隔操作にIOWN APNとローカル5Gを活用した初の事例となる。

システム構成全体像

 本実証は、西松建設が開発を進めている山岳トンネル無人化・自動化施工システム「Tunnel RemOS」(トンネルモリス)の拠点間通信の実証として行われた。拠点間の通信に「低消費電力」「大容量・高品質」「低遅延」を特徴とするIOWN APNを適用し、現場における無線通信に「大容量」「高品質」を特徴とするローカル5Gを利用。東京都-栃木県間を想定して2拠点間の距離200kmとした疑似構成にて遅延測定を実施し、映像・制御信号の遅延約100msecを達成した。

 両社は8月に、西松建設の実験施設「N-フィールド」(栃木県那須塩原市)とNTT中央研修センタ(東京都調布市)をIOWN APNで接続し、実際の遠隔操作環境を構築して検証を実施。「低遅延」「高精細」「多数接続」を備えるTunnel RemOSによる建設重機の超遠隔操作技術の確立をめざすとしている。