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【使いこなし編】第212回
Macの「Time Machine」でSynology「BeeStation」を使って、快適な無線バックアップを実現!
2024年10月3日 06:00
本連載では、Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を、第185回から実践している。本製品はNASの一種だが、インターネット経由で外部からも簡単にアクセスできるのが特徴で、「パーソナルクラウド」の呼び名は、その特徴にちなんでいる。
今回は、macOSに付属するバックアップツール「Time Machine」をBeeStationで使ってみよう。Time Machineは日常での自動バックアップに使えるのはもちろんだが、Macを買い換えた時のデータバックアップおよび移行にも利用できる。初期セットアップで、Time Machineのデータから復元できるのだ。
無線によるバックアップをぜひ試してほしい!
Time Machineは、Macに接続した外付けのHDDなどのストレージにバックアップを取るのが一般的な使い方どなるが、BeeStationを使うと自宅のWi-Fi経由でバックアップされるので、外付けストレージを接続する必要がなく、オススメできる[※]。
[※]……現在は販売されていないが、かつてはTime Machine用のストレージとして「Time Capsule」と呼ばれるアップル製のストレージ内蔵Wi-Fiルーターが販売されていて、今回のBeeStationでTime Machineを使うのとほぼ同じような使い勝手が得られた。無線でシステムを含めた自動バックアップができるので、とても便利だ。Macを使っているなら、ぜひBeeStationでTime Machineを活用してみてほしい
データだけのバックアップなら、以前の回で実践した「BeeStation for Desktop」による同期がバックアップになるので、特にTime Machineを使う必要はない。ただTime MachineではMacのシステムやアプリなどを含めてバックアップされるので、突然Macが故障した際などに、復旧作業が簡単になるメリットがある。
一方で、Time Machineのファイルは、「BeeFiles」でアップロードしたファイルと違って、外出時にスマホからアクセスすることはできないため、BeeStationの「インターネット経由でデータにアクセスできる」という特徴は生きない。利用スタイルに応じて使い分けると良いだろう。
MacからTime Machineの設定をする
Time Machineの設定と利用は、BeeStationと同一のLANに接続している状態で行う必要がある。BeeStationの設定画面を表示させて[詳細設定]を選び、[ローカルアクセス]タブで[ローカルアカウント]と[SMB Service]の双方がオンになっていることを確認しておく。この設定は連載の207回で行っている。
Time Machineは、macOSには標準で付属していて、システム設定などから呼び出して使用する。設定が必要なのは初回のみで、後は自宅LANに接続していれば、自動でバックアップが行われる。
Time Machineのネットワークディスクアクセス時にも、BeeStationの設定画面で[詳細設定]の[ローカルアクセス]タブで設定したローカルアカウントを入力する。
バックアップの詳細設定では、暗号化とディスク使用容量の制限が設定できる。暗号化はもしもBeeStationが盗難にあった場合を考えて暗号化設定をしておくと良いだろう。[バックアップの暗号化]でパスワードを設定しておくだけだ。
[ディスク使用率の制限]は、設定した容量内で足りなくなると以前のバックアップが順に削除されていくようになる。Macの内蔵ストレージの容量より少し多めの容量に設定しておけばいいだろう。長い期間のバックアップを残しておきたければ容量を多く取るといいが、その分BeeStationで使える容量が減るので注意したい。
設定の[完了]をクリックすると、1分ほどカウントダウンした後にバックアップが開始される。
初回はけっこう時間がかかるので、しばし放置しておこう(MacBookでは、AC電源を接続しておくことを忘れずに)。次回はもう少しTime Machineの続きを実践してみよう。