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【使いこなし編】第204回
Synology「BeeStation」と、Windows PCを同期させて便利に使うワザ
2024年7月25日 06:00
本連載では、Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を、第185回から実践している。本製品はNASの一種だが、インターネット経由で外部からも簡単にアクセスできるのが特徴で、「パーソナルクラウド」の呼び名は、その特徴にちなんでいる。
第201回からPC用アプリ「BeeStation for Desktop」を使ってPCのストレージと同期させた使い方を紹介し、前回はPCの任意のフォルダをBeeStationと同期させたが、今回はその続きで、Windows 11環境でOneDriveと同時に使うケースを想定した、便利なワザを紹介しよう。
作業で使うファイルなどはOneDriveでなくBeeStationに同期する
まずは、Windows環境でエクスプローラーを起動してみてほしい。ショートカットキーを使う場合は[Windows]+[E]キーを押す。
マイクロソフトのクラウドドライブサービスである「OneDrive」は、最新のWindows 11ではより密接になり、初期状態でドキュメントフォルダーがOneDriveと同期されるようになった(OneDriveの同期について、詳細はPC Watchのこちらの記事も参照)。
少し前までは、マイクロソフトアカウントでログインしても、初期セットアップ時に[このPCにのみファイルを保存する]という項目さえ選んでおけば、エクスプローラー左ペインのクイックアクセスにある[ドキュメント]でローカルにディスクに保存できたのだが、現在ではそれもできなくなっている。クイックアクセスの[ドキュメント]はOneDriveに保存されることになるので注意しておこう。
OneDriveは、無料で使える容量は5GBが上限となっている。クイックアクセスに表示される「ドキュメント」に次々とファイル保存していると、容量不足で警告が表示されてしまい、容量上限アップのために有料サブスクリプション契約を強めにうながしてくる。
とはいえ、OneDrive自体はオンにしておくと、アプリによっては設定の同期に使うこともあり、複数のWindowsを使ったり、PCを交換する際などにも便利だ。そのまま使いながら、普段の作業で使うファイルはBeeStationに同期するようにして、OneDrive側の容量は合計5GB以内に収めるように使うといい。
各種作業用のフォルダーはBeeDriveと同期しているフォルダー内に作り、どうしてもOneDriveである必要があるものだけ、OneDriveで扱うようにしよう。なお、OneDriveはタスクバーのインジケーター部に表示されていて、「ファイルが同期されています」と表示されていればアカウントとリンクされている。
前提の情報として、Windows 11では以下のファイル保存場所が指定されていることを確認しておきたい。エクスプローラーにあるクイックアクセスの「ドキュメント」は、この2種類がOneDriveの「同期とバックアップ」の設定状況によって切り替わっている。自分のWindowsでクイックアクセスがどちらになっているのかは把握しておこう。
Windowsのローカルドキュメントフォルダー(これまで使われていたローカルフォルダー)
C:¥Users¥(ユーザー名)¥Documents
OneDriveが同期に使うドキュメントフォルダー(こちらが現在デフォルト)
C:¥Users¥(ユーザー名)¥OneDrive¥ドキュメント
実際のフォルダーを直接表示させたい場合には、「C:¥Users¥(ユーザー名)」の部分は、「%userprofile%」として、「%userprofile%¥Documents」「%userprofile%¥OneDrive¥ドキュメント」をそれぞれエクスプローラーのアドレスにコピペで入れると簡単だ。これらが実体のフォルダーとなる。
一方、BeeStation for DesktopではBeeStationと同期する(BeeFiles用の)フォルダーとして、「C:¥Users¥(ユーザー名)¥BeeStation」つまり「%userprofile%¥BeeStation」を使っている。これはインストールした際にエクスプローラーに「デバイス」として表示されるようになっている。この表示状態のままで使用感に問題がなければ、何もせずにこのまま使い分ければいいだけだ。
BeeStationもクイックアクセスにピン留めして使う
クイックアクセスに表示させることにこだわるなら、BeeStationと同期するフォルダーのアイコンを右クリックして、メニューから[クイックアクセスにピン留めする]を選択しよう。クイックアクセスに固定され、選びやすくなる。下層の特定のフォルダーだけをピン留めすることも可能だ。
前回実践したように特定のフォルダーを同期させている場合も同様の操作でピン留めできる。ただし、同期させるフォルダーは「%userprofile%¥Documents」以外に作った方がいい。何かの手違いでOneDriveのドキュメントと同期されてしまう[※]ことを防止するためだ。ここでは、わかりやすくユーザーフォルダーのルートに作業フォルダーを作ってみる。もちろん、別の作業用ドライブなどで設定しても構わない。
先と同じ要領で「%userprofile%」をエクスプローラーのアドレスにコピペで入力し[Enter]キーを押すと、各ユーザーの作業フォルダーに移動できる。ここに好きな名前で作業フォルダーを作り、これを前回の手順を参考に同期フォルダーと設定しよう。ここでは「BeeWorkWin」としてみた。これをクイックアクセスにピン留めする。
[※]……いったんOneDriveとのリンクを切った状態から、再度同期をオンにすると、「%userprofile%¥Documents」フォルダー内も同期される。先日もWindowsのアップデートで強制的にリンクがオンに変更され、ちょっとした騒ぎになった。今後もMicrosoft 365のサブスクリプションに加入するつもりがないなら、「%userprofile%¥Documents」以外を作業フォルダーにして使っておけば、このようなトラブルに巻き込まれずに済むし、ウイルスなどの攻撃も受けにくくなる
移行操作は好みでいいが、OneDriveのドキュメントフォルダーをクイックアクセスから削除しておくと間違って使うことがなくなる。クイックアクセスのアイコン位置は、ドラッグ&ドロップで変更可能なので、わかりやすい位置に変更しておこう。
クイックアクセスに登録しておくことで、アプリからファイルを開く操作をしたダイアログでもアクセスしやすくなる。
アイコンをカスタマイズする
最後にオマケの設定をしてみよう。ドキュメントフォルダーのアイコンが以前と異なるのが気になる人は、アイコンを変更してみてほしい。
クイックアクセスに登録したBeeStationのフォルダーを右クリックし、[プロパティ]ー[カスタマイズ]タブで[フォルダーアイコン]の[アイコンの変更]をクリックする。ここでドキュメントフォルダーと同じアイコン(%SystemRoot%¥System32¥SHELL32.dll)を選ぶ。もし変更後にアイコンがうまく変更されない場合、いったんクイックアクセスから削除して再登録してみてほしい。
この設定で、Windows上でOneDriveは最小限で同期させつつ、日々の作業で作成するファイルやバックアップはプライベートクラウドのBeeStationと同期させながら、4TBの容量を気がねなく使うことができる。もちろんこれまで実践したように、リンクを使ったファイルの公開も使うことができるので、フル活用してほしい。
今回の教訓(ポイント)
Windows 11ではエクスプローラーのクイックアクセス登録で使いやすくなる
システムのDocumentsフォルダーとは別のフォルダーで作業すると安全