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広告ブロッカーはページを改変するから著作権侵害の疑い? ドイツ最高裁が衝撃的判決、高裁での再審理へ

 ウェブブラウザーの広告ブロッカーが著作権侵害に当たる可能性を示唆する判決がドイツで下され、波紋を呼んでいる。

 これはドイツの出版社Axel Springerが広告ブロッカー「Adblock Plus」の配信元を訴えていた裁判によるもの。同社は10年以上にわたって広告ブロッカーを排除すべく法廷闘争を行ってきたが、不正競争防止法に基づく訴えでは敗訴が確定。そこで論点を著作権へと切り替え、ウェブサイトの表示を変更する広告ブロッカーは著作権法違反であるとして再度訴えを起こしていた。地裁、高裁ともにこの訴えは退けられていたが、控訴の結果、最高裁判所がまさかの差し戻しを命じ、高裁での再審理が決定した。

 あくまでも差し戻しというだけで判決が確定したわけではないが、ウェブブラウザー「Firefox」を擁するMozillaは、広告ブロックに限らずプライバシー保護、アクセシビリティ向上、セキュリティ向上を目的とした他の拡張機能にも適用されうる可能性があると強く懸念を表明。「ドイツが中国に次いで広告ブロッカーを禁止する2番目の法域にならないことを心から願っています」とコメントしている。