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2026年は「デジタル化のギアを一段上げる年」に、JEITAが新年賀詞交歓会
2026年1月8日 12:25

デジタル産業の業界団体である一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、2026年1月7日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで、2026年新年賀詞交歓会を開催。IT・エレクトロニクス産業の関係者など約700人が参加した。
AIは「特別な技術から当たり前の存在」へ
挨拶したJEITAの漆間啓会長(三菱電機社長CEO)は、「2025年は、AIをはじめとするデジタル技術が、社会や暮らしの隅々にまで浸透し、『特別な技術』から、『当たり前の存在』へと、大きく位置づけを変えた1年であった。誰もがAIを自然に使いこなし、AIとともに価値を生み出すという未来が、現実のものとして近づいていることを、多くの人が実感したのではないか」と語ったほか、大きな話題を集めた大阪・関西万博についても言及。「デジタル技術が描く未来社会の姿を国内外に発信した。技術そのものの先進性だけでなく、技術によって社会課題をいかに解決し、どのような価値を創出していくのかという、明確なメッセージを発信できた。2025年は、デジタル産業の社会的価値と責任が、これまで以上に問われ、期待された1年であった」と総括した。
その上で、2026年については、「JEITA会長として、午年(うまどし)に象徴される躍動感を追い風に、デジタル化のギアを、さらに一段上げて、加速させる年にしたい」と宣言。「日本は、潜在成長率の低迷や、生産性向上といった構造的な課題に直面している。これらの課題を乗り越える鍵は、デジタル技術の力を社会全体で活かしきることにある。求められているのは、個別の取り組みにとどまらない、社会全体のデジタルトランスフォーメーションであり、私たちデジタル産業は、その変革を支える基盤であり、中核を担う存在にほかならない。力を合わせ、持続可能で豊かな未来社会への道筋をともに描き、ともに実行していきたい。2026年は、午年にふさわしく、力強く第一歩を踏み出し、その歩みを確かなものとする1年にしたい」と語った。
自由主義経済の潮目が変わる、経済安保に向けた強靱なサプライチェーン構築へ
来賓として登壇した経済産業大臣の赤澤亮正氏は、「米中をはじめとして、各国のあからさまな自国優先と、大規模な経済政策が展開されている。地政学的問題が、世界および日本の経済に深刻な影響を与えかねない状況にあり、自由主義経済の潮目が変わりつつある。負の影響を極力なくすことが喫緊の課題である。官民が力をあわせて取り組む必要があり、経済産業省も、覚悟を決めて、必要な産業政策を積極的に推進する」と切り出した。
また、「AIやデータセンターの活用に伴い、電力需要が拡大しており、エネルギー供給が、経済成長の制約にならないようにする必要がある。高市内閣の成長戦略の肝である危機管理投資、成長投資の方針に積極的に取り組む。強い経済を実現するために、エネルギーやGX、AI、半導体、量子、バイオ、航空宇宙などの戦略分野を中心に、大胆な設備投資や研究開発の促進など、総合的な支援措置策を早急に検討する。また、対外経済政策では、米国とは関税対応などで調整を進めていくと同時に、有志国と連携した自由貿易と、法の支配の取り組みによるハイブリッドな通商戦略を展開する。半導体分野では、他国の交渉が難航するなか、日本は、米国の特別なパートナーに認められ、最恵国待遇を得ることができている。経済安全保障分野では、特定の国に過度に依存することのない強靱なサプライチェーンを構築に取り組む」と述べた。
さらに、「経済産業省では、AI・半導体政策を強力に推進し、2030年度までに10兆円以上の公的支援を行うAI・半導体産業基盤強化フレームを策定している。これが、経済安全保障を進める上でのモデルケースになっている。AI・半導体政策の要となるRapidusは、2nm世代半導体の試作成功や、世界初の600mmパネルを使用した後工程に成功するなど、順調に進捗している。また、情報処理促進法に基づき、2025年11月には次世代半導体製造事業者としてRapidusを選定した。情報処理推進機構を通じて、出資を行い、プロジェクトの成功に向けて全力で取り組む」と語った。
最後に、「私のモットーは『力を合わせて世界を変えよう!』である。経済産業大臣として、午年にちなみ、馬車馬のように働き、全身全霊で職務に取り組む」としながら、「私の上司(高市首相)が、『働いて×5』で流行語大賞を受賞した。あまり知られていないが、私も『トランプ関税』で10位以内に入っている。私は、年末年始の期間、手術のために入院をし、年明けに高市首相にご迷惑をおかけしたことについて連絡をした。すると、『仕事はリモートでもできるから大丈夫』と言われた。このとき、馬車馬のように働く午年の流れは止められないと痛切に感じた」とし、会場を大きく沸かせた。
10万人が集ったCEATECを次なるビジネスの起点に
乾杯の音頭をとったJEITAの新野隆筆頭副会長(NEC会長)は、「デジタル化のギアをさらに一段上げ、加速させる年にする」というJEITA・漆間会長の発言を受け、「ギアを上げるための具体的なアクションのひとつが、CEATECである。CEATECは、単なる展示会ではなく、社会実装に向けた挑戦を発信し、共創を生み出すことができる。JEITA主催の中核的な事業でもある。2025年のCEATECには、総理大臣から園児まで、約10万人が来場した。この場から、次のビジネス、次の連携を生み出してほしい。社会全体のデジタルトランスフォーメーションを、JEITA会員が一丸となって、前に進めよう」と呼びかけ、「2026年は、午年にふさわしく、力強く、エネルギーに満ちた1年にしたい」と締めくくった。
