イベントレポート

CEATEC 2024

経営トップがCEATECに続々来場、JEITA 津賀会長と自工会 片山会長のツーショットも

CEATECとJapan Mobility Showをそれぞれ視察

JEITAの津賀一宏会長(左)と、自工会の片山正則会長(右)

 CEATEC 2024の開催初日には、会場を視察する電機大手の経営トップたちの姿が見られた。

パナソニック ホールディングス 楠見雄規グループCEO「最新の取り組みを知ってもらうには最もいい機会」

パナソニックブースで取材に応じてくれたパナソニック ホールディングスの楠見雄規グループCEO

 パナソニック ホールディングスの楠見雄規グループCEOは、同社ブースで取材に応じ、「もともとCEATECは、家電の展示が多かったが、いまでは、AIやエネルギー、サーキュラーエコノミーなどの展示が増えており、最新の取り組みを日本の多くのお客様に知ってもらうには最もいい機会になる。日本のみなさんにパナソニックグループの活動がどちらに向いて進んでいるかを知ってもらうという意味も大きい」とした。

 また、Japan Mobility Show Bizweek 2024との併催については、「モビリティ分野には、電池が多く使われ、使い終わった電池を再利用することが期待されている。サーキュラーエコノミーにつながる提案ができる。両方の展示会を見ることで、そうしたうねりが来てていることを実感してもらえるだろう」と述べた。

 CEATEC 2024では、AIに関連する展示を行った出展者が半分以上を占めているが、これについては「パナソニックグループにおけるこれまでのAIの活用は、画像認識が中心だったが、社内では生成AIの活用を進めている。CEATECでは、信頼性の高いResponsible AIを組み合わせて、人と接する場面でのAIの活用を提案したり、これにより人材不足の解決につながるところに貢献したりといったことをみせている。暮らしに寄り添うAIにも期待している。CEATECの会場を見ると、AIの分野での競争と共創が広がると感じた」と語った。

シャープ 沖津雅浩社長兼CEO「一緒にビジネスをやってくれる人たちを増やす機会に」

シャープブースで取材に応じてくれたシャープの沖津雅浩社長兼CEO

 シャープブースで取材に応じてくれたシャープの沖津雅浩社長兼CEOは、「当社では、新たな製品群を展示するとともに、AIや環境にフォーカスした訴求を行った。9月に技術展示イベントである『SHARP Tech-Day'24 “Innovation Showcase”』を開催しており、そこで紹介した技術や製品に加えて、初公開の展示も行っている。Tech-Dayでの来場者は、シャープに関心がある来場者が中心であったが、CEATEC 2024では、より多くの人たちにいまのシャープの技術や製品を訴求できる。シャープが取り組んでいることに共感して、一緒にビジネスをやってくれる人たちを増やす機会にしたい」と述べた。

 ブースでは、SHARP Tech-Dayで話題を集めたEVコンセプトモデルの展示を見送ったが、「Japan Mobility Show Bizweek 2024と併催されたように、家と自動車が結びついた提案がこれから増えていくことになる。シャープもそこを目指している。クルマも家電のひとつとして家のなかでつながり、一緒に購入するという提案も可能になるだろう。シャープがEVを作ることで、ビジネスの幅が大きく広がる」と語った。

 シャープブースで展示を行っているA0サイズのePosterが、CEATEC AWARD 2024の経済産業大臣賞を受賞した。「消費電力が0Wで、表示保持可能な電子ペーパーディスプレイであり、屋外の掲示板やバス停などの大判ポスターをデジタル化するといった用途に適している。受賞はうれしい」と述べた。

JEITA 津賀一宏会長と自工会 片山正則会長が互いのイベントを同行視察「共創をしていくきっかけにしたい」

会場を視察する自工会の片山正則会長(左)と、JEITAの津賀一宏会長(右)
視察のために会場入りするJEITAの津賀一宏会長(左)と、自工会の片山正則会長(右)

 一方、CEATEC 2024の主催者である電子情報技術産業協会(JEITA)の津賀一宏会長(パナソニックホールディングス会長)と、併催しているJapan Mobility Show Bizweek 2024の主催者である日本自動車工業会(自工会)の片山正則会長(いすゞ自動車会長CEO)は、初日午後に会場内を視察。約25分間に渡り、CEATEC 2024が開催されているホール8からホール2、Japan Mobility Show Bizweek 2024が開催されているホール1の順番で回った。途中、パナソニックブースに立ち寄り、ペロブスカイト太陽電池の説明を行ったり、いすゞ自動車のEV路線バス「ERGA EV」に2人で乗り込んだりといったシーンも見られた。

 JEITAの津賀会長は、「CEATECは、技術ではがんばっているが、どのような形でお役立ちをしていくのかが最大の課題になっている。モビリティやクルマとの接点によって、技術の出口やお役立ちのポイントが明確に絞られることになる。我々にとっては、とてもうれしいことである。自動車メーカーとIT・エレトロニクス業界との相性もばっちりである。併催するという機会を作ることができてありがたい」と述べた。

 また、自工会の片山会長は、「昨年、Japan Mobility Showを開催した。これまでは2年に1回の開催だったが、今年はプロセスイヤーとして、来年のショーイヤーに向けた内容にし、CEATECと併催する形をとった。これから共創をしていくきっかけにしたい」と語った。

パナソニックブースでペロブスカイト太陽電池を前に話をする2人
EVバスに乗車するシーンも