自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第200回

Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」のファイルをメールで共有する

「BeeStation」で「BeeFiles」のファイル共有を活用してみる。今回で連載は200回になった。いつも読んでくれてありがとうございます

 本連載では、Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を第185回から実践している。これまで、写真管理アプリ「BeePhotos」、ファイル管理アプリ「BeeFiles」を使ってきた。今回は、BeeFilesの「共有リンク」機能を紹介する。

 BeeStationはNASの一種だが、自宅に設置したBeeStationにインターネット経由で外から簡単にアクセスできることが、大きな特徴だ。共有リンクを使えば、クラウドストレージのファイルを共有するような感覚で、友達などにBeeStation内のファイルを共有できる。

Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」を活用中。PC作業でも便利に活用できる

共有リンクにパスワードや期限も設定できる

 第194回で、BeePhotosを使って写真を共有する方法を実践した。BeeFilesの共有リンク機能も、システムはBeePhotosとまったく同じだ。

 共有リンクを有効化させて、URLをメールなどで相手に送り、ウェブブラウザーでアクセスしてもらうのが、大まかな流れとなる。ファイルまたはフォルダに対して共有リンクを有効化し、URLを相手に伝えてリアクセスしてもらう。リンクにパスワードや期限を設定できる点も、BeePhotosの場合と同じだ。

 以下に、共有リンクのURLをメールで知らせて、相手にフォルダ内にある複数のファイルを共有する、という手順を見てみよう。複数のファイルをメールに添付する場合は、ZIPなどで圧縮することになるが、この方法なら圧縮せず、フォルダのまま相手に見せることができる。

 ファイルの操作に関してはPCで使うことが多いと思うので、ウェブブラウザー版のBeeFilesを使って手順を紹介する。セットアップポータルにサインインして、BeeFilesを起動してから操作してほしい。

ウェブブラウザーでBeeFilesを起動したら[マイファイル]を開く。準備として、ここにフォルダを作成し、共有したいファイルを1つのフォルダにまとめておこう。ファイルのアップロードは[+追加]から行える。準備ができたら、フォルダを右クリックして[共有リンクを有効化]を選ぶ
共有リンクがオンになる。続けて、パスワードと期限を設定するために[リンク保護]をクリックする
[パスワードを要求する]にチェックを入れると、パスワード保護ができる。いつまでも共有リンクが有効になっているのはリスクになるので、必ず[有効期限]も設定しておこう。[OK]で次に進む
これでパスワード保護がかかった。[リンクをコピー]をクリックしてURLをクリップボードにコピーしたら、[×]で閉じる

 コピーしたリンクをメールで通知する。メールのリンクに関しては、あらかじめこういう用件で共有のためのURLを送る旨を知らせておいた方が無用な心配をかけずに済む(「なりすまし」やフィッシング詐欺ではないか、との疑われるのを予防できる)。これも、BeePhotosの場合と同じだ。

共有したPDFなどのファイルはその場でプレビューもできる

 共有したファイルは、アイコンでPDFや各種Office文書などの区別がつくので、相手も判別しやすい。なお、PDFや主要なOffice文書は、共有相手がアクセスしたBeeFilesの画面上でそのまま閲覧もできる。編集まではできないだが、それでもかなり便利に使えるはずだ。

コピーしたリンクをメールなどで相手に送る
相手が共有リンクのURLにアクセスすると、パスワード入力画面が表示される。あらかじめ伝えておこう
この時点で、暗号化された通信(https://~)で接続しているので安全だ
フォルダを共有すると、このようにフォルダ内の複数のファイルが閲覧できるようになり、PDFや各種オフィスファイルの区別もつく。ファイルをまとめてダウンロードするため、[全てダウンロード]のアイコンをクリックしてみよう
フォルダ内の全ファイルがZIP圧縮され、ダウンロードされる
ファイルをプレビューしているところ。内容を見たいだけなら、ダウンロードは不要だ

 なお、細かいことだが、共有リンクのURLでは暗号化された通信(SSL)ではない「http://~」となっているが、サーバーと接続すると、きちんと暗号化された通信となることを、URLが「https://~」になることから確認できる。

 Googleドライブなどのファイル共有とほぼ似た使い勝手で、パスワード保護もできるので安全性も高い。相手にファイルを送信する必要がある時に、積極的に使ってみてほしい。メールには添付するのをはばかられる大容量のファイルも、問題なくやりとりできる。

今回の教訓(ポイント)

PCのブラウザーを使い「BeeFiles」でフォルダやファイルのリンクを使った共有ができる
メールでファイル添付をやめて、リンクでファイルを提供するのがオススメ

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。