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【使いこなし編】第187回
Synology「BeeStation」のシステム設定をチェックし、IPアドレスを固定する
2024年3月14日 06:00
Synologyのパーソナルクラウド「BeeStation」の活用を第185回から実践している。今回は、本格的に使い始める前に、システム設定画面で設定の確認と変更を行う。
Beestationは、大きな製品カテゴリーとしては「NAS」だが、自宅のLAN内だけでなく、インターネット経由(つまり自宅外から)でも利用できることが特徴だ。これにより、自分や家族専用のクラウドストレージのような役割を持たせることができる。初期投資(3万6000円前後)は必要だが、4TBで月額無料の「自宅クラウド」を利用できる。どのような機能を持っているかの詳細は、第185回を参照してほしい。
前回行った初期セットアップでも使ったBeeStationのセットアップポータルに、あらためてアクセスしよう。スマホでアクセスしてもいいが、セットアップと違ってシステム設定の画面はスマホに最適化されていないので、今回は見やすいようにPC(Mac)のウェブブラウザーの画面で解説する。当然スマホでも同じように操作は可能だ。
システムの更新をチェックし、自動更新をオンにしておく
まずは、システムの更新をチェックしたうえで、自動更新をオンに設定しておこう。
機能の追加などだけでなく、脆弱性が見つかったときにも更新プログラムが提供されるはずなので、すみやかに自動更新が行われるようにしておきたい。安全に使うために、できる設定は全て行っておこう。
メール通知がオンになっていることを確認しておく
続いて、[詳細設定]タブの[通知設定]タブを表示し、ここの[電子メール]がオンになっていることを確認しておく。この設定がオンなら、さまざまな異常やセキュリティ関連のメールが、Synologyアカウントのメールとして通知される。
ちなみに、BeeStationの電源をオフにしたいときは、本体の電源ボタンを押すのでなく、右上のアカウントアイコンからメニューを表示させ、[電源]の[シャットダウン]を選ぶことで行う。本体の電源ボタンを使う場合は長押しすれば、同様にシャットダウンの処理が行える。
IPアドレスを固定すると少し安定性がアップ
最後に、IPアドレスを固定する方法を紹介する。IPアドレスとは? という人もいると思うので簡単に説明すると、以下に紹介する「192.168.1.1」のような数字が、自宅LAN内の機器1つずつに割り当てられており、これがIPアドレス(IPv4アドレス)だ。通常、Wi-FiルーターのDHCPサーバーと呼ばれる機能により機器ごとに割り振られ、同じ機器でも、割り振られるIPアドレスは定期的に変動する。
めったにないことだが、この変動がおきたときに、ちょうどBeeStationにアクセスしていると、セッションが切断(=利用が中断)されてしまうことがある。あらかじめIPアドレスを固定していれば、これを避けて、いつでも安定してアクセスできる。
要するに、低頻度で起こる問題を回避するための設定で、BeeStationだけでなく、Wi-Fiルーターの設定も少々いじる必要がある。難しいなと感じる人は設定しなくてもいいのだが、興味のある人は挑戦してみてほしい。
IPアドレスを固定するメリットや、Wi-Fiルーター側の設定の詳しい方法は、本連載の第38回〜第41回で解説しているので、こちらを参照してほしい。
以降では、「192.169.1.X」のLANで、BeeStationのIPアドレスを「192.169.1.15」に設定する手順を見ていこう。
第39回でも書いているが、筆者宅のLAN構成ルールは以下のようになっていて、「192.168.1.10」~で固定用途のIPアドレスを設定している。このようなルールを自宅用に作っておくと便利だ。
「192.168.1.1」←コレがWi-Fiルーター(デフォルトゲートウエイ)
「192.168.1.2」←使えるプライベートアドレス始まり
【固定用】この間はWi-Fiアクセスポイント系の固定IPアドレスで使う
「192.168.1.10」
【固定用】この間はNASとかビデオなど固定IPアドレス機器用
「192.168.1.15」←設定するBeeStationの固定IPアドレス
「192.168.1.99」まで固定用
「192.168.1.100」←ここから★DHCPで自動割り振り開始する設定
※BeeStation設定後に自動で割り振られていたのは「192.168.1.114」
[※1]……実際のLANでのIPアドレスは、DHCPサーバーの配布したIPアドレスと重複しないように十分に気をつけるようにする。重複するとLAN上でうまく動作しなくなる。ややこしいのは、設定時は調子がよくても、DHCPがIPアドレスを割り振るタイミングで、重複したときだけアクセス不能になる。トラブルの原因が分かりにくいので注意しよう
[※2]……このページの最下部にある[初期値リセット]ボタンをクリックすることで、工場出荷時の状態にリセットできる。動作がおかしくなったときの、最終手段に使おう。リセットするとデータも失われるので、あらかじめバックアップしておく必要がある
PDFマニュアルを利用できる
おまけとして、PDFの日本語取扱説明書のダウンロード方法を紹介しておこう。セットアップポータルの右上のアカウントアイコンからメニューを表示させ、[アカウント管理]を選んでSynologyアカウントのページにアクセスする。
ここで、[デバイス]内のBeeStationを選んで進めると、ダウンロードセンターにアクセスできる。ここの[ドキュメント]タブでダウンロード可能だ。ここのダウンロードセンターは、後ほどPCを活用するときにソフトをダウンロードするときにも使う。
なお、利用していてエラーなどの問題が起きたときには[詳細設定]タブ内の[Synologyテクニカルサポート]タブから問い合わせを入れるとよい。ここから実際には、Synologyアカウントの[サポート]タブにアクセスする。全てここから解決法を提示してもらえる。なお、質問は日本語で書いて問題ない。
次回からは、スマホアプリでBeeStationを実際に活用していこう。