自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
第41回
Wi-FiアクセスポイントでIPアドレスを固定して使うには?
2018年11月5日 06:05
ここまでの3回に渡って、自宅LANの中をスッキリ見渡せるようにする手法をお教えしている。前回は、LAN内のルーターにIPアドレス配布するルールを設定した。これにより、スマホなどで自動的に配布されるIPアドレスと、Wi-Fiアクセスポイントなど固定して使う機器でIPアドレスが重複することがなくなった。この設定ができたら、IPアドレスを固定して使う機器の設定をしよう。
どのような機器をIPアドレスを固定して使うと便利かについての詳しくは、「第38回」を参照してもらいたいが、主なモノはルーター機能をオフにしたWi-FiアクセスポイントやNASだろう。LANに接続するほぼすべての機器でIPアドレスを固定することが可能だが、自宅LAN以外のネットワークに持っていって接続するパソコンやスマホなどを固定すると、自宅LAN以外で接続が面倒なことになるので、自動割り振り(DHCPサーバーを参照する)の設定にしておくのが基本だ。
IPアドレスを固定して使うには、固定化したい機器側で設定する。ネットワークの設定にて自動割り振りから固定[*1]に切り替えて、各機器の設定したいIPアドレスを直接記入することで固定化することができる。注意点は設定するIPアドレスの数値はLAN内で唯一にして重複を確実に避けることだ。そのため固定に設定したIPアドレスはメモをとっておくか、再設定の際には「Fing」などのアプリでIPアドレスを検索し、重複のないように注意して欲しい(この手法も第38回で触れている)。
[*1]……固定することを「静的」と書かれることもある。ネットワーク用語で、動きのあり時間で切り替わったりするものを「動的(Dynamic)」、動かずに固定されたものを「静的(Static)」と呼ぶことがある。ただし、通ぶって女性初心者に教えるときに「せいてきあいぴーあどれすに……」などと言うと、思いっきり変な人だとマークされるので十分に注意。その時は「スタティックな」とか言って通ぶるのがオススメ。
機器によっては、デフォルトゲートウェイとサブネットマスク、DNSサーバー(こちらはルーターのIPアドレス「192.168.1.1」など)を記入することもある。デフォルトゲートウェイは、ルーターIPアドレスを記入する(ここでの例は「192.168.1.1」)。サブネットマスクは、たいてい「255.255.255.0」に設定しているはず。IPアドレスに続ける表記では「(設定するIPアドレス)/24」と記入すれば良い。DNSサーバーは通常未記入で構わない。設定しないと動作しない場合には、プライマリにルーターのIPアドレスを記入すれば大丈夫だ。
では、ルーター機能をオフにしたWi-FiアクセスポイントのIPアドレスを固定してみる。設定は通常、設定画面にブラウザーでアクセスして行う。
[*2]……Wi-Fiアクセスポイントに切り替えた場合に表示されるようになる。ルーターモードでは「詳細設定」タブになっている
一度IPアドレスを手動にて固定したWi-FiアクセスポイントのIPアドレスは動くことはなくなり、常に同じIPアドレスをブラウザーに入力すれば設定画面にたどり着く。機器ごとにブックマークをしておけば、さらに便利になる。Wi-Fiアクセスポイントを再設定することは滅多にないが、他にも活用する機器が多くなると、このワザが便利なことを実感するはず。ぜひチャレンジしてみて欲しい。
今回の教訓(ポイント)
  IPアドレスを固定するには機器側に手動入力して設定する。ダブらないように注意  
 Wi-FiアクセスポイントのIPアドレスを固定しておくと、再設定時にとてもラク。 
「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧
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