自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

第41回

Wi-FiアクセスポイントでIPアドレスを固定して使うには?

 ここまでの3回に渡って、自宅LANの中をスッキリ見渡せるようにする手法をお教えしている。前回は、LAN内のルーターにIPアドレス配布するルールを設定した。これにより、スマホなどで自動的に配布されるIPアドレスと、Wi-Fiアクセスポイントなど固定して使う機器でIPアドレスが重複することがなくなった。この設定ができたら、IPアドレスを固定して使う機器の設定をしよう。

そろそろ、Wi-Fiアクセスポイントが湯たんぽ代わりにイイ季節になってきたみたい。Wi-FiアクセスポイントはIPアドレスを固定して使うと便利だ

 どのような機器をIPアドレスを固定して使うと便利かについての詳しくは、「第38回」を参照してもらいたいが、主なモノはルーター機能をオフにしたWi-FiアクセスポイントやNASだろう。LANに接続するほぼすべての機器でIPアドレスを固定することが可能だが、自宅LAN以外のネットワークに持っていって接続するパソコンやスマホなどを固定すると、自宅LAN以外で接続が面倒なことになるので、自動割り振り(DHCPサーバーを参照する)の設定にしておくのが基本だ。

 IPアドレスを固定して使うには、固定化したい機器側で設定する。ネットワークの設定にて自動割り振りから固定[*1]に切り替えて、各機器の設定したいIPアドレスを直接記入することで固定化することができる。注意点は設定するIPアドレスの数値はLAN内で唯一にして重複を確実に避けることだ。そのため固定に設定したIPアドレスはメモをとっておくか、再設定の際には「Fing」などのアプリでIPアドレスを検索し、重複のないように注意して欲しい(この手法も第38回で触れている)。

[*1]……固定することを「静的」と書かれることもある。ネットワーク用語で、動きのあり時間で切り替わったりするものを「動的(Dynamic)」、動かずに固定されたものを「静的(Static)」と呼ぶことがある。ただし、通ぶって女性初心者に教えるときに「せいてきあいぴーあどれすに……」などと言うと、思いっきり変な人だとマークされるので十分に注意。その時は「スタティックな」とか言って通ぶるのがオススメ。

 機器によっては、デフォルトゲートウェイとサブネットマスク、DNSサーバー(こちらはルーターのIPアドレス「192.168.1.1」など)を記入することもある。デフォルトゲートウェイは、ルーターIPアドレスを記入する(ここでの例は「192.168.1.1」)。サブネットマスクは、たいてい「255.255.255.0」に設定しているはず。IPアドレスに続ける表記では「(設定するIPアドレス)/24」と記入すれば良い。DNSサーバーは通常未記入で構わない。設定しないと動作しない場合には、プライマリにルーターのIPアドレスを記入すれば大丈夫だ。

 では、ルーター機能をオフにしたWi-FiアクセスポイントのIPアドレスを固定してみる。設定は通常、設定画面にブラウザーでアクセスして行う。

アプリの「Fing」を使ってLAN内をスキャンしたところ。「192.168.1.110」にWi-Fiアクセスポイントがある。このIPアドレスは、時々更新され変更されることがある
バッファロー製品の場合、設定画面の[詳細設定]から[LAN]の[LAN]を表示させる。[DHCPサーバーからIPアドレスを自動取得]が選択されているばず
[手動設定]に切り替えて、固定範囲内のIPアドレスを記入する。元に「192.168.11.X」が記入されているので、間違えないよう自宅LANのネットワークアドレスのIPアドレスに書き換える。デフォルトゲートウェイは、ルーターIPアドレスを記入。「設定」ボタンで反映させる
再度「Fing」で右上のリロードアイコンをタップし再スキャンしてみる。「192.168.1.2」にWi-Fiアクセスポイントが設定された。このIPアドレスは変わることがない
TP-Link製の場合には、「設定」タブ[*2]の[ネットワーク]から[LAN]を表示させて設定する。[アドレスタイプ]で[静的IP]を選び[LAN IP]にIPアドレスを記入する。

[*2]……Wi-Fiアクセスポイントに切り替えた場合に表示されるようになる。ルーターモードでは「詳細設定」タブになっている

 一度IPアドレスを手動にて固定したWi-FiアクセスポイントのIPアドレスは動くことはなくなり、常に同じIPアドレスをブラウザーに入力すれば設定画面にたどり着く。機器ごとにブックマークをしておけば、さらに便利になる。Wi-Fiアクセスポイントを再設定することは滅多にないが、他にも活用する機器が多くなると、このワザが便利なことを実感するはず。ぜひチャレンジしてみて欲しい。

今回の教訓(ポイント)

IPアドレスを固定するには機器側に手動入力して設定する。ダブらないように注意
Wi-FiアクセスポイントのIPアドレスを固定しておくと、再設定時にとてもラク。

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。