自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

第5回

スマホ通信の高速化には自宅の光回線も「ギガ」にする必要性?

 前回は、Wi-Fiではルーターの親機側だけでなく、スマホやパソコンといった子機側での対応も必須と書いた。相互に接続して利用するのだから当たり前の話なのだが、まずはWi-Fiルーターをアップグレードして、おいおいタイミングを見て子機側を新しくしていくのが順当だろう。その前に、自宅のインターネット回線にも少し気を配って欲しい。

 新たにギガスピードの光回線を契約したのであれば特に気にする必要はないが、VDSLを使ったマンションタイプやADSL、古いCATV回線などでは、高速なWi-Fiルーターを導入しても生かし切れないこともある。この場合には11nもしくは、11acでもMIMO非対応モデルなど廉価なWi-Fiルーターでぜんぜん構わない。一軒家であれば、インターネット回線のアップグレードから考えたほうがいい。

 すでにギガスピード光回線であれば、Wi-Fiルーターの回線出入口側にあたる「WAN」ポートを含め、ギガビット(1000BASE-T)ポートが装備されているかどうかもチェックして欲しい。廉価モデルでは、メガビットの100Mbps(100BASE-TX)ポートだったりすることがある。これでは速度は出ない。そもそも11ac+MIMOの製品を選べば、ギガビットポートなので心配はない。まれに普及機で100Mbpsポートの製品もあるので、一応確認しておこう。

Wi-FiルーターのWANとLANの有線ポート。1つある青いポートがWAN側、4つ並んでいる黒いポートがLAN側

 ギガビットのWAN/LANポートを使う際の注意点なのだが、LANケーブル(UTPケーブルと言うことも)はギガビット対応にしておく必要がある。ぱっと見た目には判別しにくい(形状は同じ)ので、ケーブルやパッケージに印刷された「カテゴリ」を確認する。「Cat3」は10Mbpsの10BASE-T、「Cat5」は100Mbpsの100BASE-TXまでなので、これらは見つけたら即ゴミ箱行きだ。機器を交換するときに、古いWi-Fiルーターやモデムからケーブルを流用しがちだが、これはよく確認して欲しい。

 「Cat5e」もしくは「Cat6」が選択すべきギガビット向けになる。買うなら「Cat6」がよいだろう。より上位の「Cat6a」「Cat6e」「Cat7」も売られているが、これらはややオーバースペック。使うことに問題はないが、高価になる。将来、速度が上がっても長く使えるメリットはあるが、現状で出る速度に関係はない。ちなみに「6a」と「6e」はほぼ同じ。

接続に使うLANケーブルは必ず「Cat5e」もしくは「Cat6」を使う。「Cat5」は紛らわしいので捨ててしまおう

 もう1つ、インターネット回線としてNTT系列のフレッツ回線を使っていて、Wi-Fiルーターを少し長く使いたいなら、「IPv6 IPoE」接続(ネイティブ方式。IPv6 PPPoEではない方)に対応していることを確認しておくとベスト。IPv6 IPoEは、「光コラボ」系の「v6プラス」や「DS-Lite」での接続に使われる。IPv6への移行は今後進むと思われるが、IPv6に対応するYouTubeの視聴などがより快適になる(現状、IPv4よりもIPv6のほうが空いているから)。フレッツ回線への接続をレンタルルーターで行うならそこまでこだわる必要はないが、回線接続もWi-Fiルーターでまかないたいなら、将来的にIPv6への対応は必要になるので長く使えるだろう。

 一方、フレッツ以外のIPv6接続は、IPv6に対応していれば、繋げるだけで接続される。こちらはとにかく「IPv6対応」と書かれていればOK。このIPv6の話題は、また回を改めて解説したい。今はとりあえず購入時にIPv6対応を確認しておけばよい。

パッケージに書かれた「IPv6対応」。この機種だと。「IPv6 PPPoE」には対応せず、「IPv6 IPoE」に対応している

今回の教訓(ポイント)

「回線側はすべてギガビットに対応させる。IPv6対応も確認しておくとベスト」
Wi-Fiルーターの有線ポートはギガビット対応を確認。LANケーブルは必ず「Cat5e」もしくは「Cat6」を使う。WAN接続が遅くなるとすべてが台無しになる。

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。