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第3回

Wi-Fi速度アップのキモ、複数アンテナを駆使する「MIMO」とは?

 「11ac」かつ「MIMO」対応のWi-Fiルーターを選ぶのがお勧めというところまでが、前回の解説だったが、ここでちょっと耳慣れない「MIMO」(「マイモ」と読む)という機能が出てきた。

 このMIMOは、11acの通信に加えて、複数アンテナを使って通信効率を上げようという機能だ。2つのアンテナは2ストリームと呼ばれ「2×2」と表記される。ストリーム数が増えると高速になり、機器の価格も上がる。11acの1ストリームだけだと433Mbpsで、MIMOの2×2(2ストリーム) で倍の866Mbps、3×3(3ストリーム)で1300Mbps、4×4(4ストリーム)で1733Mbpsと速くなっていく。製品ではあまりないが8×8で3467Mbps、さらにこれらは帯域を倍にしてほぼ倍の速度になり、最高速で6.9Gbpsにもなる。ちなみにMIMO自体は11acだけでなく、11nでも使われている。この中で、現在よく使われるのが2×2もしくは3×3。このあたりの速度がギガビットに近いので、一般家庭のインターネット接続にちょうど使いやすい。

第3回:Wi-Fi速度アップのキモ、複数アンテナを駆使する「MIMO」とは? 11acのMIMOを使った通信速度。2×2もしくは3×3あたりが狙い目
11acのMIMOを使った通信速度。2×2もしくは3×3あたりが狙い目

 実際にWi-Fiルーターを選ぶ際には、この80MHz帯域にてMIMO 3×3を目安にするとよい。これ以上はLAN内の通信速度を上げるには役立つが、インターネット接続にはややオーバースペックだ。ただし今後、LAN内にNASを設置して、自宅内でストレージとして使うというシーンでは、速ければ速いほうが快適度が上がる。ヘビーユーザーなら、予算の許す限り高速のモデルにしておきたい。

 このMIMO対応のアンテナは、外に出ているモデルと出ていないモデルがある。外にアンテナが出ていると少々イカツイが、通信の性能を考えるとアンテナは外に突き出していたほうが有利。スタイリッシュなモデルを選びたくなるところだが、性能重視なら外部アンテナ装備モデルとなる。

第3回:Wi-Fi速度アップのキモ、複数アンテナを駆使する「MIMO」とは? アンテナが外に出ていないモデルもあるが、MIMO対応だと複数アンテナが装備されていることが多い
アンテナが外に出ていないモデルもあるが、MIMO対応だと複数アンテナが装備されていることが多い

 また、MIMOで使う複数アンテナにて、スマホを使っている方向に電波を向ける「ビームフォーミング」という機能を持つモデルも多い。これは速度が直接上がるワケではないが、電波が強くなるので快適度が上がる。外部アンテナと併せ、狭い部屋内ではあまり関係ないが、一軒家で利用するなら影響は大きいので着目して欲しい。

今回の教訓(ポイント)

「MIMOは『3×3(3ストリーム)』モデルのバランスが良い」
複数アンテナを効率よく使うMIMOは11acを快適に使う上で必須。2×2もしくは3×3モデルを選択する

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。