自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

第17回

Wi-Fiルーターの「IPアドレス」を忘れたら?

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 前回までにWi-Fiルーターにスマホなど子機を無線接続する設定に必要なSSID暗号化キーについて、どのようなものか詳しく解説した。この2点を設定すれば、オリジナルの接続設定にてWi-Fi接続が可能になる。今回から、この設定を実際に行っていこう。

 設定をするには、まずWi-Fiルーターに接続しておかなければならない。無線接続設定をするのに無線接続をしておくという、なんだか本末転倒っぽい作業になるのだが、スマホの場合、無線で接続するしかないので仕方ない。しかもこのケースでは、設定をWi-Fiルーターに書き込むと無線接続が一時切れる。そのときは新たに設定した情報で再接続をするという手順になる[*1]。この手順が煩雑なので設定をしないで使う人が多いわけだが、ここは頑張って設定を続けよう。

[*1]……実は最も簡単なのは、有線LANポートのあるPCを使い、有線LANケーブルでWi-Fiルーターに接続した状態にて、すべての設定を終わらせてしまう手法だ。これだと、設定を保存し、Wi-Fiルーターをリセットするたびに、接続が切れることはない。もし有線LANポート付きのPCを持っているなら、有線LAN接続での設定がお勧めだ。

Wi-Fiルーターに接続して設定を始めよう

 この連載の第12回でも書いたが、まずはとりあえず初期設定SSIDと暗号化キーにてWi-Fiルーターに接続して、Wi-Fiルーターの設定画面にアクセスする。ウェブブラウザーにて、アドレス欄に「192.168.XXX.1」のようなドットで区切った4つの数字の塊で表現される「IPアドレス」を入力してアクセスする。この機種固有のアクセス用IPアドレスは、必ずマニュアルに書かれているのだが、まれにルーターモードに自動で切り替わり、IPアドレスが初期値から変わったり、自分で設定変更して[*2]忘れるなど、Wi-FiルーターのIPアドレスを見失うこともある。この場合に、IPアドレスを調べる簡単な方法をお教えしておこう。

[*2]……後の回で解説するが、自宅のLAN環境に合わせ、二重ルーターを解消するには、Wi-Fiルーター(この場合アクセスポイントになるが)のIPアドレスを変更することがある。

 スマホの場合、LAN内にある機器のIPアドレスを調べるアプリを使うとよい。「Fing」というアプリが見やすくお勧めだ。無償で利用できる。ただしiOSの方は、AppleがiOS11から配布アプリでMACアドレスの表示を許可しなくなる方針をとっているようなので、デバイスメーカー名などがやや不正確だ。IPアドレスの表示はできるので、利用に問題はない。

 ほか、PC向けの無償ツールも紹介しておく[*3]。ただ、これらツールを使うと、セキュリティソフトがウイルスと間違えてスキャンを検知することもあるので、その際は起動時のみオフにするなど対応してみて欲しい。

[*3]……もしコマンドラインが理解できるなら「arp -a」で一覧できる。Windowsは「Windows PowerShell」、macOSなら「ターミナル」を使う。

 スキャンすると、「192.168.XXX.XXX」のようなIPアドレスと機器名が表示される。スマホ1台しか繋いでいなければ、スマホ以外のもう1台がルーターだ。ルーターとして動作している場合、「192.168.XXX.1」のような末尾が「1」のIPアドレスになる。アクセスポイントの場合、必ずしも末尾「1」ではない。「Fing」なら機器のメーカー名も表示されるので、簡単に判明するはずだ。

Wi-Fiルーターへの接続後に「Fing」でスキャンした例。「192.168.11.1」がルーターのアドレスだ
ブラウザーのアドレスフォームに「192.168.11.1」と入力して、アクセスする

 設定画面へログインするパスワードは必ず初期値から変更しておくようにする。初回アクセス時に変更を促されるモデルもあるので、この場合は指示に従って変更しておく。設定画面へログインするパスワードを複雑なパスワードに変更していれば、ルーターの設定画面に不正ログインされ、設定を書き換えられてしまう乗っ取り被害を防ぐことができる。

 さらにインターネット側からログインする機能があった場合には、この機能を活用しないならオフにしておこう。オンになっていないかチェックをしておくとよい。もし有線LAN接続でルーターの設定をしているなら、無線LAN接続で設定変更ができないようにする機能を使うとより強くなる。

メイン画面から[詳細設定]に移り、[管理]から[システム設定]を表示する
「管理パスワード」を変更する。「Internet側リモートアクセス設定を許可する」の「有効」にチェックが【入っていないこと】を確認しておく

今回の教訓(ポイント)

Wi-FiルーターのIPアドレスを見失ったら、LANをスキャンするアプリを活用しよう
LAN内のIPアドレスを知るツール「Fing」は、トラブル解決にも役立つ。

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。