自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!
第37回
二重になったWi-Fiルーターをオフにするには?
2018年10月1日 06:05
前回までで、Wi-Fi接続している家庭LAN内でルーターが二重に動いているかをチェックする方法をお教えした。もし結果が二重ルーターで、これを1つに統一したければ、あとから追加したWi-Fiルーターで動作しているルーターをオフにして、アクセスポイントとして動作させればよい。今回は、そのオフにする具体的な方法を実践する。
二重で動作しているルーターは、どちらをオフにしても構わないのだが、回線接続機器のルーターを切ると、回線接続業者の提供するサービスが利用できなくなることがある。代表的なのが、NTT東西の提供する「ひかり電話」系のサービスだ。NTT東西ではレンタルの回線接続機器を「ホームゲートウェイ(HGW)」と呼んでいるが、ひかり電話の接続には、基本的にHGWでルーターが動作していることが前提になっている[*1]。この場合、止めてしまうと電話が使えなくなる。
[*1]……ルーターがひかり電話対応であれば、自前の機器に変更することも可能。例えば、ヤマハのルーター「NVR510」が対応している。
ほかにも、回線トラブル時のサポートを受けるには回線接続業者の機器であることが前提だとか、曲がりなりにも回線業者の指定したルーターであるので、それなりに高速で長期間安定して動作する、セキュリティのアップデート提供も迅速なはず、などといった理由もあり、基本的には回線接続業者のルーターを生かすように考えたほうが無難だ。
購入したWi-Fiルーターのルーター部分をオフにするデメリットとして考えられることは、そのルーターの持つ、ルーターが関わる機能が使えなくなることだ。何が使えなくなるかは機種によるが、例えば外部からアクセスできる共有ディスクのような使い方をしたり、帯域を絞ったりする機能などが利用できなくなることが多い。どうしても、Wi-Fiルーターに付いている機能が使いたい場合には、こちらを生かすようにしよう。この具体的な方法はまた、後ほど機会があれば解説する。
Wi-Fiルーターのルーターをオフにする作業は、本体のスイッチによる切り替えか、設定画面によって切り替える。「アクセスポイント」や「ブリッジ」というモードに切り替えればよい。
このモードの切り替えで、Wi-Fiルーターの設定画面にアクセスするためのIPアドレスが変わるので、Wi-Fiに再接続後に、前回まででも使っているアプリの「Fing」の[デバイス]タブを表示させてIPアドレスをチェックすると良いだろう。
TP-Linkのケース
TP-Link「Archer C3150」では、設定画面にアクセスして行う。アプリの「Tether」ではモード切替はできないので注意。TP-Linkのルーターでは、初期インターネット接続設定で前段に家庭内LANのルーターを発見すると、自動的に同一セグメントのLANでルーターモードに設定される仕組みになっているようだ。一見するとルーターが動作していないようにも見えてしまうが、「192.168.0.1」のルーターを経由し動作している。「ブリッジ」モードに切り替えることで、経由することは無くなる。
バッファローのケース
バッファローでは、最近の機種はすべて本体スイッチによってモードを切り替える。「WXR-1750DHP2」では、2つのスイッチがあり、上を「MANUAL」[*2]にし下を「AP(アクセスポイント)」にすればOKだ。ほかに単に「ROUTER」と「AP」を単純に切り替えるスイッチが1つだけあるモデルもある。
アクセスポイントにすると前面の「ROUTER」のランプが消える。
[*2]……自動設定の「AUTO」にするという考え方もあるが、ここでは確実に思い通りの設定にするため「MANUAL」にする。
基本的にこの作業だけで問題無く動作するが、なぜかLAN側IPアドレスが手動設定になっていたので、念のため[DHCPサーバーからIPアドレスを自動設定]に切り替えておくと良いだろう。
ルーターを1つオフにしたあとは、再度、前回の手法を使って二重ルーターが解消されていることを確認しておけば万全だ。
今回の教訓(ポイント)
Wi-Fiルーターのルーターをオフにするには、「アクセスポイント」や「ブリッジ」モードに切り替える
切り替え後は「Fing」を使って設定画面にアクセスするIPアドレスを探すと良い。
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