自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

第25回

タッチだけでWi-Fi接続させるNFCタグをAndroidスマホで作ってみた

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 前回までで、Wi-Fiルーターへスマホを接続するのに、QRコードを使ったり、iOSのワイヤレス転送機能を使ってみた。もう1つ、タッチするだけで接続できる、NFCタグを活用したWi-Fi接続をAndroidスマホを使って実践してみよう。

NFCタグにAndroidスマホを使ってWi-Fi接続情報を書き込む。キラキラ光るラベルに猫は興味津々

 「NFC」は、交通系ICカードに似た近距離通信規格だ。タッチすることで情報を転送できる。今回は、その情報としてWi-Fiの接続情報を転送する。この接続情報を「NFCタグ」にAndroidスマホで書き込み、それを接続させたいNFC対応スマホで読み取る。似たような機能は、デジカメがスマホへのWi-Fi転送を開始するときにも使われていたりする。

 NFCタグはシールタイプやキーホルダータイプなど、さまざまな形状で売られていて安価なツール。Wi-Fi接続以外にも、SNSのアカウントや住所などを伝えたりいろいろな用途で活用してみると楽しい。今回使った製品は以下のモノだ。

サンワサプライのNFCタグ。500円硬貨より少し大きめサイズのシールになっている。888byte書き込みが可能

 日本での交通系ICカードは「FeliCa」[*1]と呼ばれNFCの一種なのだが、ワールドワイドで普及するNFCとは枝分かれした異なる規格で普及しているため少しだけ異なる。最近ではNFCとFeliCaの両方に対応しているケースもある。とにかく、ここで使うテクニックでは、NFC対応であることが重要。Androidスマホであれば、ほとんどのスマホが対応している。iOS 11では現状で読み取りだけに対応している。

[*1]……「おサイフケータイ」でも同じ規格が使われている。

 まずは、NFCタグにWi-Fiの接続情報を書き込む作業だが、NFCタグさえ用意できれば難しくない。Androidスマホで接続中のWi-FiのSSIDをロングタップして、[NFCに書き込む]を選びNFCタグにタッチするだけだ。このNFCへの書き込みは、Android 5.0以降で利用できる。また、アプリを使ってNFCへの情報書き込みができるものがある。ちなみにNFCタグへの書き込みは何度でもできる。今後、iOS 12では、iPhoneでのNFC書き込みがサポートされるはずだ。その際はあらためて紹介したい。

まず、NFCがオンになっていることを、設定から確認しておく
[設定]内の[Wi-Fi]にて接続中のSSIDをロングタップすると表示されるメニューにて[NFCタグに書き込む]を選択する
Wi-Fiの暗号化キーを入力して、[書き込む]をタップする
NFCタグにスマホをタッチする
書き込み完了の表示がされたら、Wi-Fi接続用のNFCタグは完成

 一度情報が書き込まれたNFCタグは、NFC対応スマホを近づけると自動的に読み込まれる。電源は不要なので、Wi-Fiルーターの横にでも貼り付けておけば誰でも使えるようになる。ゲスト用のSSIDを作って、来客用のWi-Fi接続として利用するのも便利だ。

Wi-Fiにまだ接続していないスマホで、先ほど書き込んだNFCタグにタッチすると、接続するかどうかの通知画面が表示される。[接続]をタップすると接続する
Wi-Fiに繋がったか、確認してみる。タッチするだけで繋がるのでとても便利

今回の教訓(ポイント)

Wi-Fi接続用のNFCタグを作っておくと、タッチするだけで簡単に接続できるようになる
SNSのIDやメールアドレスなど、さまざまなデータ読み込みに活用できる。

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。