自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

第43回

ネット回線が繋がらない! その時の対処法(2) 回線接続トラブルならサポートを

 前回から続けて、自宅回線のトラブル解消例をお送りしている。

 前回、機器のチェック用に紹介したスマートフォンアプリ「Fing」は、ネットワーク内のチェックだけでなく、インターネット上のIPアドレスを指定すれば、回線自体が(正確に言えばその先のサーバーに)繋がっているのかサクっと分かる。

「Fing」アプリの[ネットワーク]タブで、インターネット上のサーバーに向けてPingを実行できる
まず落ちることのないGoogleなどのサーバーのURLやIPアドレスを指定し、[Ping]ボタンをタップする。必要なとき以外は実行しないようにしよう
インターネットの回線接続がダウンしていると、このような表示になる

 しかし、その次の日だ。訪問した宅配業者から「訪問前に電話をしたのですが繋がりませんでしたヨ」と言われてしまった。そう、ウチの固定電話は光電話。ネットに使っている回線と一蓮托生。ルーターが動いていないと電話が使えない。つまり、そこから先のインターネット回線そのものや、そこに接続しているONUやモデムといった機器にトラブルがあるか、ルーターが故障しているかのどちらかだ。

 この時点では、まだルーターのランプ表示にも異変はなかった。ただ、インターネット回線は時々切れてしまっているようで、繋がったり繋がらなかったりする。携帯電話で自宅回線に電話してみると、呼び出し音が鳴らない。明らかに回線に異常があるようだ。

5)回線業者とプロバイダーの「工事/故障情報」ページをチェック
 このように、回線トラブルだと予想が付くケースは、まず契約している回線業者とプロバイダーそれぞれの「工事/故障情報」のウェブページを確認してみることだ。回線トラブル時には自宅回線が使えなくなるので、モバイル回線を使うスマートフォンや携帯電話で、モバイル版のウェブページをチェックするのがベスト。事前にブックマークでもしておくと、慌てずに済む。

NTT東日本の工事情報ページのモバイル版(https://flets.com/mbl/)の例

 回線トラブルは、NTT東西などの回線業者が原因のことも多い一方で、プロバイダーが原因の場合もある。念のため、双方の工事/故障情報ページをチェックしておく。メールだけが送受信できないようなトラブルのケースでは、プロバイダー側のトラブルであることが多い。ケーブルテレビや光コラボなど、回線とプロバイダーの提供先が同じ場合には、その業者の情報を確認しよう。

 この段階では、工事やトラブルによる回線そのものの異常なのか、回線に接続した機器の異常なのかを切り分けることが重要だ。

6)接続機器の故障が疑われるならサポートへ電話
 ひと通りチェックしたところ、特に自宅周辺で工事や故障の情報は出ていないようだった。こうなると、自宅の回線に接続した機器側が故障している可能性が高いので、再度チェックしてみる。

 ここで厄介なのが、いまだにルーターの設定画面にはアクセスできていて、LEDランプの点灯状況にも問題がないこと。

 この先は、回線へ接続している機器が、レンタルタイプなのか自前で購入したものかで、対応は少し変わってくる。ただ、いずれにしても、メールではなく電話でサポート窓口に連絡しよう。連絡先はプロバイダーではなくNTT東西などの回線接続業者だ。回線トラブルの電話サポートは、たいていフリーダイヤルで受け付けている。

 自宅はフレッツ光回線で、ひかり電話も利用しているので、回線に接続している機器(NTT東西ではホームゲートウェイと呼んでいる)はレンタルタイプのものだ。このほか、ケーブルテレビ業者などでも、こうした機器がレンタルされているケースは多い。

 ここに自前のルーターを接続している場合には、サポートに連絡して、故障しているのがONUやモデムなどの機器か、ルーターなのかを切り分けてもらっておくといい。ONUやモデムの故障は、サポート側からであれば、すぐに判別できるはずだ。

 こうした接続機器の故障でないことがわかれば、自前のルーターが故障していることになり、交換する必要が出てくる。

 電話サポートを受ける際には、ここまで自分で確認したルーターなどの動作状況を報告すると、話が早く進むはずだ。今回のケースは、見た目ではトラブルはないように見えて、実際にはインターネット回線に繋がらないという厄介なものだったが、電話サポートでは素早く結論を出し、回線に接続した機器を交換することになった。

 なお、フレッツ光回線であれば、故障時の連絡先はNTT東西となる。受付は24時間可能だが、故障修理などの対応については9~17時だけだ。また、ほかの回線業者もおおむね似たような窓口がある。

7)レンタル機器の交換対応は意外と素早い
 フレッツ光回線では、ONUやモデムなどの機器の接続口がモジュラー式になっていれば、自分で交換する方法を選ぶことができた。今回は午前中に電話したので、夕方には機器が手元に届く手配となった。こうすると、半日後には交換機器が送られてくるので、なかなか素早い対応だと思う。工事に人が来てもらう修理を選ぶと、工事日の設定などで数日後になってしまう。機器の交換だけなら自分でやったほうが断然早い。

 とはいえ、仕事は待ってくれない。実はこの故障の際に、ちょうど検証作業中でCentOSのイメージをダウンロードしなくてはならず、微妙に焦っていたのだ。機器を交換したからといって、すぐにインターネットに繋がるとも限らない。最悪の場合には、モバイルルーターを使ってダウンロードするしかないな……、などと予防線を張ってはいたのだが、少し悪あがきしてみることにした。次回は、自前のWi-Fiルーターを使って、回線を接続してみようという作戦について報告しよう。

今回の教訓(ポイント)

回線トラブル時には、まず「工事/故障情報」ページをチェックしておく
特に情報がなく、回線接続機器の故障が疑われたら、サポートへ電話する

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。