自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

第6回

Wi-Fiとルーターは別のもの? 自宅に設置されているレンタルネット機器をキッチリ把握しておく

 前回までには、自宅Wi-Fiではルーターとなる親機側はもちろん、子機となるスマホやPCも高速な規格に徐々に合わせていくようにすることや、スマホ通信の高速化のためには自宅の回線も「ギガ」に対応させることが、快適度を上げる秘訣だということなどを解説した。

 もう少し、自宅まで来ているネット回線の機材について掘り下げていってみよう。

筆者宅の自宅ネット回線元部分。左からNAS、光回線ホームゲートウェイ、本稿でのテスト用に接続したWi-Fiアクセスポイント、LANのハブ(上に簡易ファイルサーバーの古いG4 Mac mini)。実際に使うWi-Fiアクセスポイントはハブを経由して3部屋に分けられ設置されている。各部屋には、壁内を通ってCAT6のLANケーブルが敷設されている

 自宅に来ている回線とWi-Fiの解説になると、必ずWi-Fiルーターからモデムを経て繋がる以下のような図解が載っているのを見るだろう。これは間違ってはいないが、正確には各家庭によってだいぶ異なるので、実際に自力設定しようとする際には混乱の元。あくまでもイメージ図ととらえよう。

自宅Wi-Fiがインターネットに繋がるイメージ(「いらすとや」より)

 具体的には、以下の機能が外の回線から順番に繋がっている。1つの機器にまとまっていることもあれば、いくつかで別々になっているケースもある。近年ではスペース効率を考え一体型にまとまっているケースが多い。NTT東西の光回線で光電話を契約すると、これらをホームゲートウェイと呼んだ一体型機器になり、Wi-Fiも含めてすべてが1機器に収まる。

1)光回線の終端装置(ONU)やモデムなど
 インターネット回線をLANで通信できるように変換する装置。自宅に入ってきたケーブルに最初に繋がる装置だ。最終的にはLANポートで提供される。パソコンを1台だけ繋ぐなら、ここにLANケーブルで繋いで接続設定することで通信ができる。固定電話を契約するとここから分岐される。

2)インターネット接続機能
 これは、次のルーターに含まれる機能だが、この機能があることを把握しておこう。接続方法は契約回線によって異なる。PPPoE回線では、ここに契約回線の情報を記入する必要がある。単に接続すればDHCPで自動認識する回線もある。PCのソフトを使っても接続できる(※)。なお、NTT東西のフレッツ回線(光コラボは別)は、2つプロバイダーを契約すれば同時に2セッション接続することもできる。

※やりがちな間違いが、業者から渡された接続キットに付属のCDで、4からの接続をやろうとして失敗するケース。この手の接続キットは、2の機能をPCに設定するものなので使わないようにする。

3)ルーター
 回線の1つのLANポートにて、複数のPCやスマホなどを同時に繋げられるようにする装置。これが無いと1回線では1台しか使えない。DHCPという機能を使って自動的に接続できるように工夫されている。たいてい4つのLANポートがあり、ここに繋げた機器でインターネットが同時に利用できる。

4)Wi-Fiアクセスポイント
 これまでの説明してきたWi-Fiでの無線接続機能だ。3と合体した機器がWi-Fiルーターとして販売されている。ルーターのLANポートに接続して使う。

 スマホなど利用者から見ると、4~1の順番で繋がっていると想像しておくのがポイントだ。重要なのは、どの機器に上記の機能が入っていて、どこまでが回線業者からのレンタル品なのかをキッチリ把握してメモにでも残しておくことだ。多くの契約が、1~3までが標準で、4はオプションになっている。光回線で1~3をONUと呼んでいる業者もある。また、3と4はオプション提供の場合もある。オプション契約は月額だと安く感じるが、月額数百円でも1年もすると安価なWi-Fiルーターなら買えてしまう。この部分は極力自力でそろえるのが、この連載のスタイルだ(※)。

※レンタルも考え方によっては悪くはない。故障対応を業者に任せられるからだ。これら機能の場所を把握しておくことは、回線トラブル時にどこが壊れたのかを把握する際に重要になる。すべてがレンタルなら業者に故障対応を一任できる。ただ、たいてい3年程度は軽く使うので、自前でそろえたほうが長く考えればお得ではある。

 もう1つは、各機能がダブらないようにすることだ。2を複数設定すると接続トラブルになる。3と4の機能がすでにある機器にさらに3と4を接続すると使えることは使えるのだが、二重になるためその分だけレスポンスが悪くなる。さらに前段の3と4へのアクセスが後段からはできなくなり設定がやりにくい。この“二重ルーター問題”の検証方法は、後ほど手法をお教えしよう。業者提供のルーター機能をオフにして、自前のWi-Fiルーターにすべて任せることもできる(光電話契約の有無でできないケースもあるので注意)。

 Wi-Fiもダブってしまうと大変よろしくない。エリアを広げる設定をきちんとやって同時に活用してやれば問題ないが、なにも設定しなければただの邪魔な混信電波を常時送信しているだけで、Wi-Fi通信の快適度が落ちる大きな要因になる。親機側で使わないWi-Fiは確実にオフにしておきたい。古い規格であっても、11b/g/nの2.4GHzを使う周波数は同じ、11a/acは5GHzなので無関係となる。

使わないWi-Fi機能はオフにする。筆者宅ではオプションのWi-Fiカードを入れていないので設定ができないが、回線業者が提供するルーター内に内蔵Wi-Fiがある場合には、設定画面からオンオフができるようになっている

今回の教訓(ポイント)

「スマホから回線までの機能を理解して、レンタル機器はどこまでなの把握しておく」
回線までの機器は一体型が多くなってきて、接続状態の見た目だけでは把握しにくい。ルーターとWi-Fi部分は、回線業者のレンタルか自前かをハッキリさせておく。

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。